宇宙怪獣

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宇宙怪獣(うちゅうかいじゅう、Space Terrible Monster Crowd / STMC)は、『トップをねらえ!』並びに関連作品に登場する敵勢力。

概要

一定以上の技術を獲得した知的生命体を殲滅することのみを目的とした巨大生物群で、億単位などはまだ序の口というレベルのまさに天文学的な戦力を有している。しかも、一体一体が物理法則を無視するほどの圧倒的な戦闘力を有しており、戦力換算されないような最少戦闘単位である「兵隊」ですらマシーン兵器と互角以上の戦闘力を持ち、地球側での最高位戦術をなんと本能で行い、より質量の高い戦艦級に至っては光子魚雷でも簡単に殲滅する事ができない上に亜光速移動やワープ航法を行い、それが最低でも百万単位の数で襲撃してくるのでヱクセリヲン級では話にならない。恒星に卵を植え付けることで仲間を増やし、卵を植え付けられた星は急速に老化する。ちなみに弱点は電流。

誕生の経緯、知的生命体を狙う理由などは一切明かされないが(「銀河に涌いた知的生命体というバクテリアを駆除しようとしている、銀河系の免疫抗体」「地球人同様の知的生命体が進化の果てに行き着いた姿で、自身らの脅威となりうる他の知的生命を滅ぼし続けている」など、幾つかの推測はされている)、唯一分かるのは人類の天敵ということである。終盤、ヱクセリヲンの上位機である「スーパーヱクセリヲン」なる戦艦も登場したが、宇宙怪獣の群れによって砂糖菓子さながらに堕とされるシーンがあり、その脅威は推して知るべしであろう。

SRWにおいてはスパロボ補正が加わっているが、原作の戦力比に近い『第3次α』のOPムービーが秀逸で印象的。このムービーにはT時点でも未だユニット化されていない超巨大種も登場している。しかし、この上に更に母艦型(SRW未登場)と呼ばれる惑星~衛星サイズの超々巨大宇宙怪獣が存在しており、これらも母艦型に寄生する側に過ぎない。原作最終話では複数の母艦型が近隣の星ごと砲撃で吹き飛ばされている姿が確認できるが、もちろんこれが全てではないだろう。

続編に位置する漫画作品『トップをねらえ! NeXT GENERATION』では、上位種の「宇宙超獣」の存在が確認されているほか、人間型に進化し、本能を極限の極みまで進化させることで意志と個人名をも備えた個体(マイク・ロフト、ジェニー・カール)まで登場している。

バスター軍団と宇宙怪獣、そしてトップレス

『NeXT』のさらに続編である『トップをねらえ2!』では別の存在にこの名前が割り振られており、もともとの宇宙怪獣には「変動重力源」という名前が与えられている。

この作品で「宇宙怪獣」と呼ばれ、トップレスが第4話まで戦っていたモノの正体は、地球帝国黄金期に太陽系に配備された、バスターマシン7号を司令統括機とする無人バスターマシン軍団……通称「バスター軍団」であった。その本来の任務は、太陽系外から侵入してくる変動重力源の迎撃、そしてヱクセリヲンがブラックホール爆弾として使用されたことで発生した太陽系新11番惑星「ブラックホール・エグゼリオ」に捕われているエグゼリオ変動重力源の封印である。ブラックホール・エグゼリオの周辺を製造工場とし、ブラックホールの潮汐力をエネルギー源、ブラックホールに引き込まれつつある太陽系旧13番惑星・雷王星の構成物を素材に使用している。

その体はナノマシンによって構成され、『2!』の時代には失われた縮退炉の技術が使われているほか、内部には当時の超兵器が搭載されている。自己修復・自己進化が可能で、人類のケアを失ってもなお黙々と働き続け、任務を果たすためにより強大に、より効率的に進化していったが、その姿は皮肉にも敵である変動重力源と瓜二つの化け物となってしまった。このため、「本当の宇宙怪獣」の詳細を知らない人類は襲ってきたバスター軍団を宇宙怪獣と誤認し、戦っていたのである。

バスター軍団が襲撃していたのはフラタニティのトップレスを狙っての行動であるが、これには理由があった。彼らの敵である「本当の宇宙怪獣」=変動重力源の推進・攻撃能力は、実はトップレス能力と原理的には同じものであり(「光弾」は攻撃的なクレフシン発光と言える)、バスター軍団がフラタニティを敵と誤認していたのはこれが原因。本来これを修正すべき司令機・バスターマシン7号は当初メモリーを全損していたが、後に彼女がバスターマシンとして再起動し、トップレスが敵でないことを通達してからは敵対行動をとらなくなった。

最後はエグゼリオ変動重力源の撃破後、むき出しになった特異点から宇宙を防御するため犠牲となり、全滅する。なお、この「宇宙怪獣の能力=トップレス能力」という事実は、取りも直さず人類が宇宙怪獣に進化する可能性の示唆でもあり、その先駆けとも言えるトップレスを排除する方向に世界を動かす結果となっている。

名前は全て『帰ってきたウルトラマン』に登場する怪獣が由来。

登場作品

扱いは基本的に同じ。全知的生命体の敵という設定を生かし地球以外の各星間国家と連携して殲滅するための作戦が立案された。宇宙怪獣の特性上、壊滅作戦は必ず終盤に置かれることになり、後顧の憂いを絶つため作戦前に現時点での敵対勢力との戦いを終わらせることになる。また、物量で対抗することはほぼ不可能なので、αシリーズでは勢力を問わずにガンバスターのような広領域殲滅兵器が開発され、異常なまでに発展していった。

略称の「STMC」が多用される(特にαシリーズ)。

αシリーズ

スーパーロボット大戦α
初登場作品。「虚空からの破壊神」と呼ばれる大いなる脅威。最初のMAPは宇宙怪獣対トップ部隊。原作ほど絶望的な戦力比ではないが、それでも数は圧倒的に多い。初めて見たシンジ使徒と間違えるシーンもある。
第3次スーパーロボット大戦α 終焉の銀河へ
本作の版権作品最後の敵勢力。小隊システム導入によって、『α』とは比較にならない、正しく湯水の如く湧き出てくる姿が的確に表現されることとなった。
兵隊を除き性格は「超強気」で、全体攻撃の最大射程は10以上に達し、混合型以降は基本HPが10万を普通に突破、地形適応:宇宙S、3Lサイズ、高い能力値と、数々の要素が重なって厄介を極める。ゲッター線イデなどの無限力は、宇宙怪獣が登場すると反応することが多い。
OPムービーにはゲーム中ではユニット化されていない種も多数登場する。

Zシリーズ

第3次スーパーロボット大戦Z時獄篇
大方の予想通りバアルの1勢力として登場。ここでの呼び名は「果てなき破壊の化身」。本作の時点ではまだ大多数は地球から数光年レベルで遠方にいるようで、何らかの事情で転移してきたり敵のボス級が戦力として呼び出したりする程度の数だが、敵味方両軍から強く警戒されている。今回は高速型まで。
なお、『トップをねらえ!』は原作終了後設定なので原作最終決戦においてブラックホール爆弾で宇宙怪獣を殲滅しているのだが、それすらも一部に過ぎないとされている。バアルの性質からすると、宇宙怪獣も多元世界規模で活動している可能性が高い。
なお、「灯火を集めて」では宇宙魔王によって地球上に召喚される。特性上1体でも地球に通したら後続が次から次へとやって来て終わりのはずだが、呼び出された分で打ち止めとなっている。宇宙魔王の持つオリジン・ローで調節しているのか、エタニティ・フラットの影響なのか?
『天獄篇』では宇宙魔王の呼びだした宇宙怪獣は本来のバアルとは違うとミカゲに言及されているため、後続が続出する特性を持っていなかったようだ。
第3次スーパーロボット大戦Z天獄篇
『トップをねらえ!』に加え、初参戦の『トップをねらえ2!』設定で登場。混合型が『2!』の「タイタン変動重力源」名義でも登場する。
バスターマシンの変化した方は当初「太陽系限定種」と呼称されており、敵ユニットとしてはツインテール級ザザゴラス級ビーストロン級が登場。それ以外ではノノの「バスターコレダー」の召喚攻撃要員。αシリーズと違い合体怪獣は登場しない。
バスター軍団は第34話「復活の日」以降は敵としては登場しなくなり、宇宙怪獣との決戦まではELSからの地球圏防衛行動に従事。ニコラ曰く「カズミにメロメロ」らしく、彼女の指示で後退する場面も。
最終決戦では、エグゼリオ変動重力源及びタイタン変動重力源の総戦力は視界の八割以上を埋め尽くすほどという原作以上の数の暴力で襲いかかってくる。
終盤で、宇宙怪獣の正体は「消滅しようとする力」が「存在しようとする力」を消し去るために生み出した存在であることが判明する。

VXT三部作

スーパーロボット大戦T
『トップ1』設定。今作の世界観では、人類の宇宙開発が最も活発だった黄金の時代において、外宇宙に進出した地球人類を打ちのめし、黄金の時代を終わらせた存在として恐れられている。
地球に襲来した群れは木星での決戦で殲滅されたものの、まだ宇宙怪獣の群れそのものは多数残っている。ただし、位置から見てすぐに地球に襲来することはないようだ。いずれは原作最終回に相当する物語も『T』の世界に待ち受けているのかもしれない。

スパロボに登場した宇宙怪獣

宇宙怪獣

宇宙怪獣・兵隊
最初に戦う宇宙怪獣。正式名称「バボラー」。同種の中では最弱。
第3次α』のロボット大図鑑(以下のサイズも同出自)によれば全長100m~のはずだが機体サイズはSで、パイロット能力の回避、機体能力の運動性も高めで攻撃を回避されやすい。数が多いので、撃退しているうちに他の宇宙怪獣(性格:超強気)の気力を上げてしまうのも厄介。
T』のロボット大図鑑では全長10mになっている。全長500mの上陸艇の中に大量に生息しているなら、確かに100mより10mの方が自然かもしれないが。
宇宙怪獣・巡洋艦
下記の三種が確認され、まとめて「ギドドンガス」と分類される。
宇宙怪獣・上陸艇
全長500m~でサイズは2L。円錐状の太い針のような巨体で、突撃を主な攻撃手段とするほか、上陸艇の名の通りに兵隊を艦載兵器のように発進させる能力を持つ。戦艦並みのHPを有するため最初に戦う時は少ししぶとく感じるだろうが、終盤は大した脅威でもなくなってくる。が、以下のタイプはそうはいかない。
宇宙怪獣・高速型
全長3000m~でサイズは3L。上陸艇を禍々しくしたような印象を受ける。サイズ補正で堅く、一撃一撃の攻撃が痛い。上陸艇を二回りほど強くしたような能力。高速型の名の通り移動力に優れるので、特定エリアに進入されると敗北となるマップでは注意を要する。
宇宙怪獣・混合型
全長3000m~でサイズは3L。HPが6ケタ(第3次αでは18万以上)に達し、大ボスクラスの耐久性を誇る。攻撃力もさらに高まっている。
『2!』ではこの個体の一つがタイタンに埋まっており、「タイタン変動重力源」と呼称されている。
宇宙怪獣・合体怪獣
全長3000m~でサイズは3L。SRW最強の宇宙怪獣。20万以上のHPを誇り、『第3次α』では武装をひとつしか持たないが、その唯一の武装「はさみうち」が基本攻撃力4600、射程1~14、地形適応:宇宙S、必要気力無し、消費EN・残弾制限無し、全体攻撃というチートじみた性能を誇る。
パイロット能力も格闘・射撃が非常に高い上地形適応:宇宙S、さらに小隊長能力で命中率+20%が付与されるためリアル系エース級でも油断はできない。時間をかけず倒したい。
エグゼリオ変動重力源
トップをねらえ2!』に登場。ブラックホール・エグゼリオを取り込んだ宇宙怪獣で、その大本は雷王星戦域で自沈したヱクセリヲンが生じたブラックホールに飲み込まれた宇宙怪獣のうち一個体。「ヱクセリヲン」が訛って、エグゼリオと呼称されている。

バスター軍団

ザザゴラス級
白い魚のような姿の機種で、またの名を「木星急行」。タイタン変動重力源の監視が主任務。
木星空域をひたすら周回しており、大圏航路の邪魔になっていた。白い部分はエーテルの抵抗を減少させるナノマシンの殻で、突撃時はこれを展開する。
ツインテール級
隕石に偽装して火星に現れた機種。消息の途絶した指令機・7号の捜索が任務。ディスヌフとの対決ではバスタービームを披露している。
ビーストロン級
全長1500m以上の母艦型。ハトリ艦隊を光子魚雷で一蹴した。色違いの兄弟機・ゴーストロン級も存在。
パララゴン級
イカのような姿の機種。ノノの直衛機で彼女の護衛が任務。ちなみに目の部分はガンバスターやシズラー級同様のカメラアイ。
ビーゴン級
パララゴン級の上位機で、10mから300mと大きさが様々。このため、「宇宙怪獣は成長する」という誤解の原因になった。一斉に突貫してのバスターコレダーによる殲滅が任務。

関連用語

ブラックホール爆弾
木星を圧縮した人類史上最大最強の建造物。知的生命体の敵である宇宙怪獣を殲滅するためからか全人類が共有する財産という扱いがされ、『第3次α』ではそれを狙ってくる敵勢力も存在した。核にはザ・パワーが内包され、殲滅作戦に使用された。

余談

  • ガイキング LEGEND OF DAIKU-MARYU』の最終回にも「宇宙怪獣」なる存在が登場している。また、『グレートマジンガー対ゲッターロボ』に登場したギルギルガンも分類としては「宇宙怪獣」である。当然、この二種は共に『トップをねらえ!』の宇宙怪獣とは関係ない存在である。
  • STMCという略称はstomach(胃)……『帰ってきたウルトラマン』に登場する暗黒怪獣バキューモンからか。
  • 実の所、版権作品の敵対勢力で完全に殲滅されていないほぼ唯一の存在。本当に殲滅可能なのか疑わしくなるレベルの存在なので仕方ないと言えば仕方ないのかもしれないが。
    • 『トップ!』では、バスターマシン3号で本拠地と思われた銀河系中心部をブラックホールに沈めたが、後の作品で滅亡していない事が判明。
    • 『2!』でもエグゼリヲ変動重力源を倒したが、あくまでも無数に存在する宇宙怪獣の中の一個体に過ぎない。
    • 『NEXT』では宇宙怪獣を統括する「グレート・アトラクター」なる存在が現れたが、『NEXT』の企画自体が流れたので今後の作品に登場するかは不明である。