マラサイ

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マラサイ
外国語表記 Marasai[1]
登場作品

ガンダムシリーズ

デザイン 小林誠(ベースデザイン)
藤田一己(クリンナップ)
初登場SRW 第2次スーパーロボット大戦
SRWでの分類 機体
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スペック
分類 攻撃型モビルスーツ
生産形態 量産機
型式番号 RMS-108
頭頂高 17.5 m
全高 20.5 m
本体重量 33.1 t
全備重量 59.4 t
動力 核融合炉
ジェネレーター出力 1,790 kW
スラスター推力

19,300 kg×2
12,000 kg×3

総推力
74,600 kg
アポジモーター 8
装甲材質 ガンダリウムγ
センサー有効半径 11,300 m
開発 アナハイム・エレクトロニクス
所属 ティターンズ
ジオン残党組織
主なパイロット ジェリド・メサ
カクリコン・カクーラー
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マラサイは「ガンダムシリーズ」の登場メカ。

概要

ティターンズの攻撃型量産モビルスーツで、アナハイム・エレクトロニクス社グラナダ工場で開発された。第二世代モビルスーツとしては最も初期に開発された機体である。

ハイザックの発展型で、公国系の技術ノウハウを中核に据えて設計・開発おり、右肩のバインダーシールドや左肩のスパイクアーマーからもその事が推察できる。ジェネレーター出力の向上や出力供給経路の改善などを施した事で、ハイザックの欠点であった「2種のビーム兵器の同時運用が不可能」という弱点が克服されており、また装甲にはリック・ディアスと同じガンダリウムγを採用した事で、全体的に高性能な機体に仕上がっており、カタログスペックでならば、なんとガンダムMk-IIやリック・ディアス、百式にも引けをとらない程のものとなっている。更には、大掛かりの整備無しに大気圏の内外を問わずに運用可能なだけでなく、バリュートパックを装着すれば大気圏突入も可能となっている。その反面、ハイザックの延長線上の機体にも関わらず機体コストが高騰化してしまった事から、優秀ながらも軍の主力機にまでは採用されず、主に小隊長やエースパイロットにしか配備されなかったが、コストを除けば欠点らしい欠点は無いという事実からも、第二世代モビルスーツの中では最良の傑作機として扱われている。

本来ならエゥーゴに最新鋭の量産機として引き渡されるはずだったが、アナハイム社が「ガンダムMk-II強奪事件」へ関与していたのではないかと疑われ、それを躱す為に、急遽初期生産分がティターンズへと無償で引き渡された[2]。これが切っ掛けで、ティターンズ(地球連邦軍)側が知らなかったガンダリウムγやAE式のブロックビルドアップ寄りムーバブルフレーム技術などもティターンズの元へ渡る事となり、グリプス戦役の全陣営がガンダリウムγを使用したモビルスーツを運用するという形になった。

連邦やティターンズだけでなく、グリプス戦役後に流失した機体を使用していたジオン側のパイロット達からも扱い易い機体と好評[3]だったようで、後にネオ・ジオン軍(シャアが率いる軍事組織)は、本機を発展させたギラ・ドーガを開発させ、主力兵器として採用している。

劇中での活躍

先行生産型十数機がティターンズに引き渡され、その内の2機にジェリド・メサカクリコン・カクーラーが搭乗。カミーユ・ビダンのガンダムMk-IIと月面などで交戦したが、カクリコン機は大気圏突入時の戦闘でガンダムMk-IIが使用していたフライングアーマーに自動展開したバリュートが引っかかってしまい破損し、カクリコンと共に燃え尽きている。後にジェリド機も降下した地上のジャブローでの戦いの果てに撃破されたが、ジェリドは辛うじて生き延びて脱出している。

なおグリプス戦役の後期にはジオン共和国にも払い下げに近い形で納入されていたのだが、ティターンズの壊滅とスキャンダルの暴露により取り引き先を失ってしまう。更には第1次ネオ・ジオン抗争時に連邦の追撃を逃れたティターンズ残党の参加やダカール制圧時の接収等が重なり、ネオ・ジオンを始めとするジオン系組織にも多数の機体が流出する事になり、元は連邦系の機体でありながら最終的に敵対しているジオン側で運用され、その上意匠がハイザック同様元々ジオニック系統故なのか特に違和感の無い存在感や活躍を見せているという、悉く皮肉な、そしてハイザック共々ガンダムシリーズ全体に見ても稀な経緯を辿っている。なお、ジオン側に流れた機体は、機体色は通常カラーもある一方灰色やモスグリーンに塗り変えて運用された機体も確認されている[4]

第一次ネオ・ジオン抗争の終結後も、後のギラ・ドーガ系の元となった機体の為か、ジオン系統の組織で運用され続けており、U.C.0096においても外伝作品におけるシナンジュ・スタイン強奪作戦の際に、袖付きに所属している機体が確認されている。また、地球上のジオン残党に流れた機体も、トリントン基地攻撃に2機参加しており、この時に参加した機体はガブスレイのフェダーイン・ライフルやハンブラビのウミヘビやドライセンのビーム・ランサーといった兵装を装備していた。この2機はバイアラン・カスタムと交戦したが、1機はウミヘビでバイアラン・カスタムを足止め、手持ちのビーム・ランサーで肩を斬る等多少のダメージを与えるも頭部を切り裂かれ返り討ちにされ、もう1機は撤退中にジェスタに胸部を撃たれ撃墜されている。

登場作品と操縦者

SRWでは中盤辺りまでのザコMSという扱いが多い。作品によってはジェリドらが序盤に乗り込むこともある。

旧シリーズ

第2次スーパーロボット大戦
初登場作品。DCの戦力として登場。ジェリドカクリコンが乗る。序盤ではそこそこ強い。
第2次スーパーロボット大戦G
『第2次』と役割は一緒だが、性能は弱体化している。
第3次スーパーロボット大戦
DCの戦力として登場。序盤にはジェリド、カクリコン、エマライラも搭乗する。性能自体は高くないが、序盤はこちらの戦力も整っていないので強い。特に正面突破ルートの『G-3』では強敵である。
スーパーロボット大戦EX
マサキの章、リューネの章の序盤に登場。一般兵のほか、ジェリドやカクリコンが乗る。性能は低い。
第4次スーパーロボット大戦
ティターンズはあまり使用せず、DC軍の戦力としての出番が中心。今回はジェリド達も乗らず、雑魚機体のみ。相変わらず序盤から登場するためか、性能は低い。
第4次スーパーロボット大戦S
リアル系主人公の追加マップ「接触」でも敵として登場する。
スーパーロボット大戦F
DCの戦力として登場。バーザムズサと共に、ザク改ドムIIの上位機種扱いで序盤から登場する。なぜか武装にバルカンがない。
スーパーロボット大戦F完結編
DCではなくティターンズの戦力として登場。性能は多少底上げされている程度であまり強くはないものの、中盤に出てくる人工知能改搭載型は改造値が高いため、油断するとあまり強くないユニットがけっこう削られたりする。

αシリーズ

スーパーロボット大戦α
ティターンズの序盤の戦力。カクリコンが乗っていることもある。ティターンズのMSとしては最弱の部類に入るが、ビームライフルの適応は空陸Aと無駄に良い。
スーパーロボット大戦α for Dreamcast
HP、攻撃力が上がり、ビームライフルの射程が1伸びた。話にならないほど弱いのは変わらず。
スーパーロボット大戦α外伝
α』と同様に1話からティターンズ兵が搭乗するが、ゲットマシンやバトルマシンで互角に戦える程度の雑魚。ビームライフルは空Bに低下している。

Zシリーズ

スーパーロボット大戦Z
ジェリド、カクリコンの他、サラも乗る。ハイザックがちょっと強くなった程度なので、やっぱり相手にならない。

COMPACTシリーズ

スーパーロボット大戦IMPACT
ティターンズ残党は使用せず、第2部面でガトー率いるジオン兵が使用。

Scramble Commanderシリーズ

スーパーロボット大戦Scramble Commander
雑魚だが第19話で大量に出現。制限時間内に多数の機体を落とすのが勝利条件なので、性能の高いアッシマーバイアランよりこちらを狙った方がいい。
スーパーロボット大戦Scramble Commander the 2nd

単独作品

スーパーロボット大戦64
スペシャルズの戦力。序盤は原作通りジェリド・メサなどが乗っているが、ちょっとHPが高めに感じるぐらいで大した相手ではない。
何故かマラサイだけ異様に塗りが細かい。
スーパーロボット大戦DD
2章Part9から登場するエネミーユニット。『UC』設定でジオン兵が乗る。バランスタイプ。フェダーイン・ライフルを装備した機体、海ヘビを装備した機体がそれぞれ登場する。
2章Part13からティターンズ兵が乗る『Ζ』設定の赤い機体が登場。こちらもバランスタイプだが武装がビーム・ライフルになっている。

関連作品

ヒーロー戦記 プロジェクトオリュンポス
ザコ敵。マラサイ改、マラサイカスタムという上位種も登場する。
リアルロボット戦線
敵専用機。

装備・機能

武装・必殺武器

基本装備

60mmバルカン砲
頭部に2門内蔵。
シールド
右肩に固定装備されている大きな2枚のブロックから構成される大型の防御装備。ハイザックよりも大型化されており、肩のジョイント部分を中心に二つ折りできる構造となっており、フレキシブルな運用が可能。裏面に2本のビームサーベルユニットを装備できる。
ビームサーベル
シールド裏面に2本マウントされている。柄の部分が標準的な物より長い新設計のサーベルユニット。ゲルググのビームナギナタ用のユニットの発展型で、規格の合う機体なら使用できるが、ほぼマラサイ専用のユニットとなっている。
ビームライフル
Eパック方式の携行射撃兵装。ハイザックと同じ物を装備している。本体からのエネルギー供給量に余裕があり通常の運用であれば複数のEパックを携行する必要がないため、専用の収納スペースは装備されていない。
UC』EP.7では本武装を装備したジェガンが登場している。

オプション装備

フェダーインライフル
ガブスレイとの同武装。『星の鼓動は愛』で登場した機体が装備していたが、使用は確認されていない。『UC』ではジオン残党組織所属機が装備・運用している。
『DD』では実弾属性の通常攻撃に採用。
海ヘビ
ハンブラビとの同武装。ビーム・ランサーと共に使用された。ジオン残党組織所属機が装備・運用している。
『DD』では特殊属性の通常攻撃に採用。
ビーム・ランサー
ドライセンとの同武装。ウミヘビと共に使用された。ジオン残党組織所属機が装備・運用している。
バルーンダミー
大型のカプセルを両手で抱えて出撃するため、手が塞がってしまう。
1つのカプセルから2体のマラサイのダミーバルーンを放出できる。ハンブラビとの連携で計12体ものマラサイの大部隊に誤認させることに成功した。
CCA時代と比べ、手部マルチランチャーに収納できない程大型になってしまっているが、肉眼でも誤認するほどの精巧さを持っていた。

特殊能力

剣装備、盾装備
切り払いシールド防御を発動。

移動タイプ

サイズ

M

対決・名場面

時間差攻撃
カクリコンがジェリドを誘って仕掛けた二機で一機だと思わせる攻撃作戦。月面の起伏にとんだ地形を利用しカミーユの駆るMk-Ⅱのシールドをサーベルで破壊することには成功したが、程なくして二機存在することを察知され、土煙による目くらましと散弾を利用した攻撃にジェリド機が損傷。その後は百式などが援護に到着した事も有り失敗した。

関連機体

ハイザック
開発元となった機体。互いにジオン残党狩りに使われた機体ではあるが、ティターンズ壊滅後はジオン残党に使われるようになるという、皮肉とも言える数奇な経緯を辿っている。
ギラ・ドーガ
本機の設計思想を引き継いだ形で、ザクIIIなどの機体を統合して完成した。
リック・ディアス
AEグラナダ工場がアクシズ供与のドム系機体から開発した出力・推力がほぼ同じエゥーゴの機体。開発拠点も同じためか一部の作品では本機開発にこの機体のデータを流用したとするものもある。
マラサイ(Define版)
漫画『機動戦士Ζガンダム Define』に登場するマラサイ。リック・ディアスの設計図を盗み見た技術者が開発したデッドコピー機で、コクピットが頭部に存在するなど、リック・ディアスの特徴を受け継いでいる。しかし、デッドコピーであっても製造コストが高額な事に怒ったバスクの鶴の一声で、性能を落としてコストの低下が行われる。なお、リック・ディアスのデッドコピーなので、系列としてはガンダム系になる。
ロゼット(SRW未参戦)
『ADVANCE OF Z』シリーズ(SRW未参戦)に登場する、アナハイムがハイザックを基に開発した、事実上のマラサイのプロトタイプに当たる機体。

余談

  • 「元々エゥーゴに供与される予定だったが、政治的取引でティターンズに引き渡された」という設定は、実は現実に制作サイドで起こった出来事に由来する。
    • 当初、エゥーゴ側の量産機にはネモではなくこの機体になる予定であったが、スポンサーのバンダイから「ティターンズの量産機がハイザックであるため、エゥーゴ・ティターンズ双方がジオン系デザインでモノアイの量産機を使用することになり、それでは視聴者が混乱する」と指摘。それによって、使用勢力がエゥーゴからティターンズに変更される事となった。
  • マラサイは当初「ドミンゴ」という名称で呼ばれる予定であったが、当時同名の自動車が存在したため商標権の関係で機体の設定変更の際に「マラサイ」に変更されたと言われている。命名者は富野監督。
    • 一説では上記の使用勢力変更要求に対しあるスタッフが「今更?」とつぶやき、その独り言をもじって「マラサイ」にした、とも言われている。
  • ティターンズに引き渡された機体でありながらカラーリングが赤系統なのは、当時のサンライズのスタジオで赤系の塗料が大量に余っていたことから。リック・ディアスクワトロ機と同様の赤のカラーリングに変更されたのも同様の理由である。
  • ボトムズシリーズに登場するATブラッドサッカー」は、デザイナーの大河原邦男によればデザインのモチーフの一つが「ボトムズの世界のマラサイ」である。

商品情報

脚注

  1. Mobile Suit、機動戦士Ζガンダム、2022年2月4日閲覧。
  2. 正確には技術の無償供与を行いティターンズが「恩を仇で返す行為」を行う様に見せ迂闊に手を出させない様にするのが目的。だがティターンズは結局AEの連邦側拠点であるフォン・ブラウンを占領しエゥーゴの正当性をより高める愚挙を行ってしまったと言える。
  3. 本機のテストを兼ねて出撃したカクリコンは「良い加速だ」、ジェリドは「貰いものといっても馬鹿には出来んか」と性能についてそれぞれ高く評価している。
  4. この様な事態に至ったのは、連邦軍がティターンズ色を消す為にモノアイモビルスーツを禁止し始めた事(『機動戦士ガンダムUC』の時期にてティターンズで運用されていたモノアイ式のモビルスーツであるバイアランの改修計画が検討された際は、連邦の上層部が出した条件が「外見はモノアイ式からバイザー、ゴーグル式への変更」となっていたり、アッシマーギャプランの後継機であるアンクシャジェガンリゼル等のMSとのパーツ共有率を高める目的もあったとはいえ、やはり、外見はモノアイではなくゴーグルになっている)、当時はMSの進化におけるインフレが激しい時代故に、グリプス戦役の時代を経た時点で既に旧式化していたのも一因と言える。

資料リンク