バルビエル・ザ・ニードル

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バルビエル・ザ・ニードル
登場作品

バンプレストオリジナルZシリーズ

声優 岸尾だいすけ
デザイン 大籠之仁
初登場SRW 第3次スーパーロボット大戦Z連獄篇
SRWでの分類 パイロット
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プロフィール
本名 不明
別名 オリオン
種族 地球人
性別
年齢 不明[1]
所属組織 サイデリアル
所属部隊 アンタレス
役職 隊長
資格 スフィア・リアクター(怨嗟の魔蠍)
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バルビエル・ザ・ニードルは『第3次スーパーロボット大戦Z』の登場人物。

概要

特殊部隊「アンタレス」の隊長を務めるサイデリアル三大幹部の一人。毒々しい化粧と口元にピアスをしているのが特徴。憎しみに呑まれていると評されるほどに強烈な憎悪の持ち主であるためか、非常にキレやすく苛烈な性格

露悪的な言動で敵を挑発、その心の隙に付け込む作戦を得意としている。また、そのような作戦の補助としてアン・アーレスに搭載されているナノマシン「サソリの毒」などを併用している。さらに、「怨嗟の魔蠍」のスフィア・アクトにより他者の憎しみを暴走させて暴徒と化す、連携を分断するなど、人の精神や関係性を攻撃するような搦め手を好む。

元々は別の世界の地球の軍人。サイデリアルの侵攻に抗戦していたものの力及ばず、ついに地球人が完全滅亡するに至って憎悪を爆発させ、「怨嗟の魔蠍」を完全覚醒させて一気にサード・ステージへ躍り出、サイデリアルの部隊を全滅させた。[2]この功績が御使いの目に留まり、有能な存在として認められ、「怨嗟の魔蠍」の洗礼名である「バルビエル・ザ・ニードル」の名を授かる。以降は本名と過去を捨て、機体の名も改め、その名に誇りを持って戦うようになった。

上述された経緯もあってサイデリアルのリアクター達の中では唯一御使いに対し服従を示しており、故に彼らを倒すために動いていたヴィルダーク、エルーナルーナ、尸空からは相容れない立場であったため、その計画からは除外されていた。最後にはラース・バビロンの決戦で敗北し、ヴィルダークによってアン・アーレスごと跡形もなく抹殺され、「怨嗟の魔蠍」を奪われる。

しかし、その魂はなおも「怨嗟の魔蠍」に宿ったまま眠っており、超時空修復に際して地球から届けられた生命の力により、他の死したリアクター達共々覚醒して助力。憎しみから解放され、新たな地平へと去っていった。[3]

登場作品と役柄

Zシリーズ

第3次スーパーロボット大戦Z連獄篇
初登場作品。記憶喪失を装ってセツコ達と行動を共にしていた。最終話クリア時に離反するため、途中で離反するサルディアスと違い、実質こちらでは終始味方。「オリオン」名義でアンゲロイに搭乗しており、有能なサポート役として活躍してくれる。シナリオ中ではセツコ以外に殆ど心を開かず、会話も多くがセツコとのものである。ちなみに、オリオン名義の時は髪の先端と唇に施された特徴的な毒々しい化粧はしていない。
第3次スーパーロボット大戦Z天獄篇
序盤から何度も顔を出し、さらにスフィア・アクトによる憎しみの励起でストーリー上でも目立つ。この関係で版権キャラの大半から因縁を持たれることになっており、サイデリアルの幹部ではもっとも存在感が大きい。
アン・アーレスの武器が凶悪な上にバルビエルの方は「精密攻撃」持ちなので、不意のクリティカルが怖い。

パイロットステータス

能力値

回避も含め全能力が高いレベルで平均化されている強敵。アン・アーレスの運動性が高いため、下手をすると精神コマンド抜きでは全く当てられない、という事態が普通に発生する。オリオン名義で参戦する時も自軍パイロット最高クラスの能力で、アンゲロイに改造を施せば1軍として活躍してくれる。

精神コマンド

第3次Z
祝福直感てかげん直撃
連獄篇・天獄篇ともこのラインナップ。魂の修得レベルが僅か30と非常に速い為、サブに回すのは勿体無い一面もある。祝福はスフィアの影響を受ける前の人間性を暗に示しているのだろうか、はたまた御使いの祝福を受けたという意味か?

特殊スキル

第3次Z連獄篇
天才底力L6、気力限界突破
自軍パイロットでは初の仕様変更後の天才と底力を両方とも併せ持つパイロットで、しかも気力限界突破まで備えているなどかなり恵まれている。より信頼性を上げるために見切りをつけるなり、サポート特化にすべく援護攻撃をつけるなりしてみよう。
第3次Z天獄篇
天才底力L3、ガード気力+ボーナス気力限界突破精密攻撃マルチターゲット3回行動
全体的に攻撃的な構成になっており「天才」も健在だが、なぜか「底力」のレベルが『連獄篇』から大幅にダウンしており、しぶとさが下がっている。ボス御用達の「精神耐性」もなく、憎しみを露にして忍耐力がなくなったのか?

エースボーナス

攻撃を命中させた相手のSP-10
『連獄篇』『天獄篇』で採用。敵がSPを消費して精神コマンドを使う訳ではないので味方時では無意味なボーナス。逆に敵対時では非常に面倒なボーナスと化し、ノキサス・ブロッサムを食らわされると合計で20ポイントもSPを持っていかれてしまう。ENや気力ならともかく、SPはリカバーの手段が少ないので、48話では絶対に手番を回さないように。ノキサス・ブロッサムのSP低下は精神耐性で防御できるが、こちらは防御できない。

人間関係

サルディアス・アクス
副官。実はお互いに仇敵であり、サルディアス曰く「人を人とも思っていない」者同士。そのためあえて副官に抜擢している。
ギルター・ベローネ
部下。手駒として扱っていた。ちなみに指揮能力については全く期待しておらず、最終的に使い捨てている。
クラヴィア・アーゴ
連獄篇にて彼女を偽のリアクターとして利用する。
セツコ・オハラ
連獄篇の時点でセツコに執着しており、本性を表して以降は彼女に愛憎入り混じった強烈な感情を向け、何度となく激突することになる。「スフィアの相性なんて関係ない」と断言した上で彼女を拘束し自分の手元に置こうとした事があったほか、死に際には彼女に助けを求めた。
ヒビキ・カミシロ
当初は、いがみ合う双子のリアクターとして「ガドライトの方がマシだった」と見下していたが、反作用を克服したヒビキに逆襲される。
尸空エルーナルーナ・バーンストラウスガドライト・メオンサム
同僚。尸空との仲はあまり良くないようで、日常的に皮肉を言い合っているらしい。
西条涼音
彼女にナノマシンを使用したことでアムブリエルの人格を呼び起こした。
しかし、当のアムブリエルからは坊や呼ばわりされた上、度々からかわれている。
皇帝アウストラリス
上司だが、実質的には上下関係は無い。最期は彼に自分の命諸共スフィアを奪われてしまう。
御使いに忠誠していたため、彼の正体と真の目的について知らされていなかった。
アサキム・ドーウィン
リアクター達からスフィアを奪う彼の存在は知っており、ラース・バビロンでは一度戦闘する。
彼が撤退した後に「デク人形」と呼んでおり、彼の正体を知っていたと思われる。
御使い
サイデリアルのリアクターの中では、唯一彼等に心酔している。

版権作品との人間関係

ゼロ
トウキョウの市民にスフィア・アクトを使用して暴走させたため、それを収めるためにギアスの使用を余儀なくされた。この一件により彼からは敵愾心を強く持たれている。
ロラン・セアック
彼の∀ガンダムによって、「サソリの毒」を相殺される。
大グレン団
新世界大陸の人々を人質に取り、彼等から超銀河ダイグレンを奪う。
ハマーン・カーン
彼女にもサソリの毒を使用したが、プライドの高さから一蹴され全く効果がなかった。
タカヤノリコ
市民を使った人間の盾によって、彼女とガンバスターを捕獲した。

名台詞

戦闘台詞

「無能な指揮官が来たか」
「自分の無能さをまだ認めないか」
連獄篇でのギルターとの特殊戦闘台詞。オリオン時は感情の起伏をあまり感じさせない喋り方をするが、多分に毒が混じっている。
「その醜く卑小な魂は、僕のものとなる!」
「ジ・エンド・オブ・デスペア」使用時の一節。文章だけだと分かりづらいが、後半は岸尾氏の怪演が光りまくっている。
「血が目に入る! 世界が赤に染まる!」
被弾時、大ダメージを受けた際の台詞。憎しみを力にしているためか、かなりの迫力で叫ぶ。
「憎いんだろう? 若社長。大企業が、不況が、赤字が」
ワッ太に対しての特殊戦闘台詞。彼の台詞には他者へ憎悪をぶつけるか、他者の憎悪をあおるようなものが多いが、その中でも特に生々しい。
「ガンダム! 見ているだけでイライラするよ!」
ストレートに怒りをぶつけているのは彼の来歴ゆえだろうか?
「その歌をやめろ…! 耳障りなんだよ…!」
対バサラ。サイデリアルのメンバーではバルビエルだけが彼の歌を嫌っている。
「お前達は選ばれない! 選ばれたのは洗礼名を持つ僕だ!!」
最終戦でのリアクターからの被弾時。

会話

「…僕の心の奥では一つの感情が渦を巻いている…」
「サイデリアルに対する憎しみだよ。その感情が何から来ているかはわからないが、僕はそれを晴らすために戦う」
『連獄篇』第7話で「オリオン」名義で参戦した直後のセツコとの会話にて。リアクターの中では唯一御使いに心酔しているバルビエルだが、サイデリアルの方はやはり憎かったのだろうか?
「何だよ、あれ…」
『連獄篇』第7話「ターミナル・ベース攻略戦」で(一方的な)ラブロマンスを繰り広げているクロウとクラヴィアに呆れての一言。
「期待を寄せるから、こんな結果になる。最初から他人に何も依存しなければ、傷つく事もないのに」
『連獄篇』第13話「迫る猛毒」のシナリオデモにて、「裏切りは心に大きな傷を残す」というアドヴェントの言葉に反発して。全てを拒絶する憎しみがゆえの「怨嗟の魔蠍」のリアクターだが、その心のあり様は裏を返せば信じて傷つくことへの恐れなのかも知れない……。
「逃げる…? それは君達の方じゃないのか?」
『連獄篇』最終話「死闘の果てに」にて、搭乗者を失ってなおも動き続けるアン・アーレスを目の当たりにしながら、不敵に笑う。そしてその瞬間、真の蠍が本性を露にした。
「君が僕たちに下れば、僕たちが支配したエリアのうち、一部を解放し、捕らえた人間の中から5人返してやってもいい」
「闇の兄、光の弟」/「深淵からの目覚め」にて、ヒビキに持ちかけた交渉。この後にカガリやマリナ、リリーナの名を出して揺さぶりをかけているが、「無事で」とは一言も言っていないのがミソ。
「セツコ…」
「…君は誰にも渡さない。君の存在は僕にとって諸刃の剣だ。だから…永遠に僕の傍においておく。アウストラリスにも渡さない…君は僕の中に残った最後の執着だ。それによって滅びる事になっても…僕は…君を誰にも渡さない」
「セツコ…。君を…殺したい」
『天獄篇』第31話「憎しみと悲しみと」で、捕らえられて眠っている(あるいは気絶している?)セツコの前で一人悦に浸りながら。
「狂気の粘着男」そのものだが、悲しいかなセツコには彼以上に年季の入ったストーカーが既におり、結果的にそいつの横槍で彼女に逃げられることに…。
「やめろ! その目で僕を見るな!」
同上。スフィアの力を解放したセツコを前にしての反発。スフィアの相性以上に「お前に憐れまれたくない」という感情が透けて見える。
「そうだ、それでいい。君は戦う姿こそが美しい。だから僕が、君の中の憎しみの全てを解き放ってあげるよ!」
宇宙ルート第38話「ハマーンのためらい」で、Z-BLUEに敗北したハマーンに「サソリの毒」を仕掛け、暴走させようとする。が……。
「馬鹿な!? 僕の毒が効かないのか!?」
ハマーンのキュベレイが真っ先に狙ったのはアン・アーレス。「鉄の女」のプライドの前にはサソリの毒も無力であった……。
「どいつもこいつも……僕をイラつかせるために生きてるのか! だったら、消してやるよ! 僕以外の全てを、このアン・アーレスの毒で!」
『天獄篇』第48話「燃える地球」の戦闘前台詞。本来憎むべき相手に服従した「名もなき誰か」の憎しみは、ヴィルダークが評したように世界そのものに向いていた。
「セツコ…!セツコ…セツコ…セツコ…セツコ…セツコ…セツコ…セツコ…セツコ…セツコ…セツコ…セツコ…セツコ…セツコ…セツコ…セツコ…セツコォォォォッ!!」
「殺してやる……! それが僕の愛だよ、セツコ!」
こちらはセツコとの戦闘前会話。セツコへの愛憎が如実に現れている。
「い、嫌だ! 僕は…僕はまだ死にたくない!」
「セツコ! 僕を助けてよ、セツコ! ガン・アーレス! 僕を未来に導いてくれよ! 僕は永遠を手に入れて太陽の輝きに…!」
同上。最後まで生と憎悪に執着するも、アン・アーレスごと肉体を粉砕され、スフィアを奪われることになった。

迷台詞

「君が、こんな姑息な手を使うとはね」
反撃不能時の台詞。お前が言うな。
なおアン・アーレスはメイン武装の射程が短いため、特に「ジ・エンド・オブ・デスペア」解禁前ではこのセリフを頻繁に見ることになる。
「憎しみは誰の中にもあり、それはほんの少しのきっかけで噴き出す…命中率90%超えの攻撃を敵にかわされた時…命中率一桁の攻撃を敵に当てられた時…人はゲームを憎む…そう…この『スーパーロボット大戦』は憎しみを募らせるゲームだ」
中断メッセージの一部より。メタ全開の発言。実際今までのスパロボにおいて、ザコ相手にバルビエルの指摘した通りの展開になってしまい、憎むとまではいかずともイラッとしたプレイヤーは多いのではないだろうか?
アイム「待っていますよ、あなた達を」
バルビエル「その時は再会を喜ぼうじゃないか」
最終話「果て無き世界」クリア時、生と死の狭間でセツコたちと対面した際に。スフィアの呪縛から解放されたためか負の感情が揃って消え失せているが、行いが行いだけにランドから「お前らに言われるとどうにも不安になる」と返されたのはむべなるかな。

搭乗機体

アンゲロイ
オリオンとしてセツコ達と同行していた際に搭乗していた。
アン・アーレス
愛機。本来の名称はガン・アーレス

余談

  • Zシリーズの主人公は第2次Zまでは所持しているスフィアが獅子座乙女座天秤座と(ランドとセツコは変則とは言え)星座順に進んで行っていたため、『第3次Z』の主人公は蠍座のスフィアを手にするのではないかと予測するユーザーも存在していた。そういう意味では彼は主人公になり損ねていたのかもしれない。
  • 「バルビエル・ザ・ニードル」とは「怨嗟の魔蠍」の洗礼名なのだが、故郷を完膚なきまでに破壊され、本来の名を捨ててその名を自ら名乗っているという部分からはリアクターでない「ただの人間」としての部分がない、つまりスフィア・リアクター以外のアイデンティティが存在しない=人間としての過去も未来もないという背景が読み取れる。これとヴィルダークの「世界に向いた憎しみ」という評価を見ると、バルビエルがスフィアの力を発動させる鍵としていた憎しみは、過去と未来を持つ自分以外の全ての人間に対する、嫉妬に近いものだったと思われる。実際、復讐対象だろうと自分が忠誠を誓った組織に属する士官など憎悪の足しになるわけもなく、何の因縁もない世界に出現してサードステージを維持できるほどの憎悪を調達するなど通常はまず不可能であるが、この仮定であればどの世界に行こうがそこに普通に暮らしている人間がいるだけで身を焦がすほどの憎悪が調達できるわけである。
    • ただし、ヴィルダークが劇中で指摘したようにこのタイプの憎悪はいわば八つ当たりであり、いずれ心が疲弊して持続しなくなる。スフィアを真の意味で覚醒させる条件が「発動キーの超越」であることを考えれば、「怨嗟の魔蠍」に本当に必要な憎悪とは憎むべき対象を正しく憎むことであったと思われる。本来の憎悪の対象に盲従して感情の矛先を間違えた、尸空曰くの「独りよがり」に陥った時点でバルビエルに未来はなかったと言える。

脚注

  1. 18歳のメールが「あの子」と呼んでいるので同世代かそれより下と思われる(つまり10代後半程度)。
  2. ちなみにこの時の侵攻部隊を指揮していたのがサルディアスであり、両者の因縁はここから始まっている。また、この因縁から恐らく過去のバルビエルを唯一知っているであろうサルディアスは、母星を失った怒りと悲しみが憎しみに転じた事が覚醒の原因と語るため、元々は母星を愛し、他者を思いやる心を持っていた事を伺わせる。
  3. この時の彼はスフィアの呪縛から解放された影響もあってか落ち着いた様子でセツコに語り掛けていた。