ソーディアン

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ソーディアン(Swordian)とは、突如として地球圏にその姿を現した大剣の形をした超巨大構造物を指したコードネームである。

その特徴的な形状から地球連邦はこの構造物をソーディアンと命名し、他の諸勢力も同様のコードネームを用いることとなった。初出作品である『スーパーロボット大戦Scramble Commander』では、この巨大の剣状の構造物に対しての対策に当たる部隊として、剣の「鞘」という意味の「シース」という部隊名が碇ゲンドウにより与えられることとなった。

ソーディアンの機能

この剣状の構造物が現れたことで地球圏は大規模な混乱に見舞われることとなったが、その要因となった機能は大きく分けて2点ある。

1.エネルギー遮断能力
ソーディアンの最大の特徴がエネルギーの遮断能力であり、詳しい原理は不明だが、同構造物を中心とした一定の範囲内に入った機械類の動力は一切封じられてしまう。例外となるエネルギーはほとんど存在せず、通常の推進剤を用いていると思われる戦闘機やミサイル類は勿論のこと、光子力エネルギーゲッター線、超電磁エネルギーといった超エネルギー類さえも無効化することが可能。この機能はソーディアンを構成する物質それ自体に備わっている性質のようであり、ソーディアンから採取された破片を組み込んであしゅら男爵が作りだした機動兵器「フラグメント」は、これまたあらゆるエネルギー兵器・物理兵器による攻撃を遮断する脅威の力を発揮した(但し破片サイズではその能力に限界があったようで、フラグメントは過大なエネルギーを遮断しきれずに破壊されてしまう)。
この機能の唯一の例外と言えるものが生体エネルギーであり、有機生命体の生体活動を停止させることは出来ない。このため、半有機生命体である恐竜帝国の機動兵器・メカザウルスはソーディアン結界の中でもある程度の行動が可能であった。
尚、ソーディアン内部においては、基本的にこの機能は発揮されていない。このため、ソーディアンの内部に侵入することがこの能力を打開する鍵となる。
2.空間跳躍能力
エネルギー遮断能力に加えて地球圏を一層混乱に陥れる原因となったのが、同構造物の空間跳躍能力である。ソーディアンは空間と時間を飛び越えて地球圏各地に不規則に出没を繰り返し、そのために各地でエネルギー遮断に関連した混乱が発生、またソーディアンの力を狙う諸勢力はその動向に振り回されることとなった。
ソーディアンは正式名称を「ラディ・エス・ラディウス」と言い、その正体は戦乱によって自身の世界を荒廃させてしまった人々が、平行世界の中から新天地を見つけ出すために建造した、いわば巨大な次元転移船なのである。しかしScramble Commanderの世界に出現したソーディアンについては、数度の次元転移の末に内部の住人はほぼ全滅し、内部の制御コンピュータによって、僅かに存在した住人の生き残りを託せる存在を探し、当て所のない次元転移を繰り返していたのだった。それゆえ、その出現パターンは非常に不規則なものとなってしまっていたのである。

ソーディアンの機動兵器

ソーディアンには主要な機能を司る3つのコンピュータが存在する。うち1つが前述の次元転移能力を司るもので、2つ目は内部に住む生命体の生命維持・生存環境整備機能を司るもの。そしてもう1つが防衛機能を司るものである。防衛用コンピュータは自身の制御下で、ソーディアン防衛のための複数の機動兵器を使役している。

ソーディアンズガード

ソーディアンの主要防衛戦力。後述の理由により、その形状はムー帝国ライディーンに酷似しており、ゴッドボイスに似た必殺兵器「ゴッド・エディクト」等による圧倒的な破壊力をもって侵入者を撃滅する。ソーディアンズガードには単独での次元転移装置も備えられているようで、不足がちな機動能力は小規模な瞬間移動を行うことで補われている。

ソーディアンズダガー

ソーディアンズガードを補佐する小型の機動兵器。自身の大部分を占める刃状の構成物による体当たり(切り付け)、及び電流発生装置による攻撃を行う。尚、『OG外伝』において、ソーディアンズダガーは三基以上の数を揃えることで小型の転移装置として使用可能であることが明らかとなっており、修羅はこの点から同機を「瞬転刀」と呼称していた。ただしこの機能は修羅にとっても、成功率が極めて低く扱いづらいものであったようで、その全容はいまだ明らかとなっていない。

作品毎の扱い

スーパーロボット大戦Scramble Commander

この世界にソーディアンが出現したことで、その力を我が者にせんと数多くの組織が様々に行動を開始することとなる。だが、不規則な出没を繰り返すソーディアンに諸勢力は翻弄される事となり、混乱と戦乱の火種となった。またソーディアン自身の力で実物と殆ど同じ性質を持った「使徒の複製」が生みだされたり、その破片からあしゅら男爵の手によって「フラグメント」が作られたりと、その超常的な力は混乱を一層助長することとなる。

しかしソーディアンは恐竜帝国の決戦兵器である超マグマ砲の直撃を受けて大きく破損。パプテマス・シロッコ及びシースの内部への侵入を許し、シロッコを打ち倒したシースの面々をソーディアンズガードの力で迎え撃つも、同様に破壊される。ここに至って、これまで姿を現すことのなかった第3のコンピュータ(前述の三基のうち、内部環境を司るもの)がシースの面々にソーディアンの正体とその目的を語った。

当初ソーディアンには乗員87645人が乗り込み、新たな安住の地を探すべく平行世界を巡る旅路を開始した。しかし次元転移は容易な作業ではなく、次元交錯線が不安定で侵入しやすい地球の当該20年程度の範囲に絞って転移を繰り返したが、8度の転移で辿りついた世界は全て何らかの原因により滅び去ってしまう。8度目の転移の後、彼らは事故によって1万2千年前の世界、ライディーンの開発された「ムー帝国」の時代へと転移。ムー帝国の人々はソーディアンが捜し求めた高度な知性と高潔な精神を持つ人々であったが、妖魔帝国との戦乱の最中にあり、迎撃に協力しようとしたソーディアンはあろうことか地殻変動を誘発、逆にムー帝国の滅びを促してしまう。その世界ではライディーンの技術を応用し、守護者「ソーディアンズガード」を建造するなどの収穫もあったものの、これまでの転移の過程で、外部との戦闘や内乱により乗員のうち86214人は既に死亡。9度目の転移の後に残された者も死に絶え、更に平行世界への転移能力にもトラブルが発生。これ以上の次元転移も実行できなくなり、同艦唯一の生き残りである、生命維持用コンピュータに護られた2人の嬰児を託す存在を探して、この世界で跳躍を繰り返していたのであった。

全てを語ったコンピュータは2人の嬰児をシースの面々に託し、混乱の火種となる自身は何処かの世界へと姿を消すことを選択するのであった。

スーパーロボット大戦OG外伝

同作(OGシリーズ)では「バルトール事件」の後にヘルゲート空域に突如として出現。

ほぼ無人であった『Scramble Commander』の同艦とは異なり、この世界に転移してきたソーディアンには修羅の民が乗り込んでいる。彼らは偶然「修羅界」に現れたソーディアンを「転空魔城」と命名。崩壊の危機に瀕する修羅界から脱出するための方舟として利用し、OG世界に転移してきたのであった。修羅の面々にとってはソーディアンは完全にオーパーツであり、軍師ミザルらによって研究が進められていたものの、その能力の全容が把握できたわけではないようである。

前作同様、そのエネルギー遮断能力のために攻略は容易ではなかったが、ソーディアンズダガーによる転移能力を活用し、ハガネヒリュウ改の2艦による潜入作戦を決行。内部に陣取った修羅及びデュミナスとの決着をつけることに成功する。その後、同艦の次元転移を司る中枢装置「絶界宝(転空魔城と同じく、修羅による呼称)」の存在する「奥の院」まで進入するが、ソーディアンに備えられた次元転移装置とデュミナスの思念集積体との連動により、平行世界からダークブレインが召喚され、その打倒後にはシュウ・シラカワもこれまで隠していた本性を露わにし、ハガネ・ヒリュウ改の面々に牙を剥いた。これらの数々の死闘の全てに決着がついた後、残された修羅達はフォルカ・アルバークを新たな修羅王とし、新たな安住の地を探すべくソーディアン要塞によって別次元へと転移。OG世界から姿を消すのであった。

尚、前述の「ラディ・エス・ラディウス」というソーディアンの正式名称はダークブレインにより明らかとなったもので、彼によればラディ・エス・ラディウスは全部で五隻存在し、うち三隻までをダークブレイン自身が破壊。修羅達が乗り込んだのは、残された二隻のうちの一つ「ラディ・エス・ラディウス4」であるとのことである。また、この世界に姿を現したダークブレインは、たちどころにソーディアンの機能を把握し、複数のソーディアンズガードを召喚、手駒として使役した。前述の通りソーディアンズガードはムー帝国との接触があったもう一つのソーディアンの乗組員により開発されたものであるはずだが、ラディ・エス・ラディウス4にもその記録が残されていたのか、その詳細は明らかではない。

メモ

世界の滅びから逃れるための方舟という設定の原典は、旧約聖書に記されている「ノアの方舟」である。この設定はソーディアン要塞に限らずフィクション作品ではよくモチーフとして用いられるもので、スパロボ参戦作品の中では『メガゾーン23』の舞台となる巨大船・MZ23や、『ブレンパワード』のオルファン等も同じような存在と言えるだろう。

この三隻は、

という具合に、いずれもスパロボへの出演の際には無限力(のような性質を持つ者)により下される災厄から逃れるという、前述のノアの方舟に共通した目的が与えられている。しかしそのスタンスは「滅びの運命から逃避する」という手段を実行するための道具としてのもので、原典とは異なり肯定的に扱われているわけではない。