ジスペル

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ジスペル(Dispell)

ブライティクスバルギアスの決戦の最中に現れたを自称する男。バルギアス曰く「無界の存在」。

滅びの道を歩む生命を救済し、進化を促す事を目的としているが、その手段の一つとして異世界同士の戦争を起こした黒幕。境界によってその存在を縛られており、700年後バイストン・ウェルからサーバインズワウスを呼び寄せて自らの力を与え、分身としたそれらをオウストラル島惑星アーストに送り込み、境界の外と繋がるアンカーとしていた。

最終決戦において、バルギアス・ドラグーンが空間を切り裂いた事で、遂にブライティクスの前に姿を現す。彼を倒そうと、境界の力を得たバルギアスが挑み掛かるが、ジスペルは自身の「依り代」たるシンデュスを召喚。その圧倒的な神の力により、逆にバルギアスを返り討ちにして倒し、奪われていた境界の力をユキの体に戻して生き返らせている。

幾億年もの間、「異世界同士の争いによる進化」を目指したが、幾度も試行を重ねてもその進化が停滞して宇宙は何も感じない虚無へと到達してしまうことに絶望している。その結末を回避する為に、一度今在る全ての生命を滅ぼそうと考え、それを阻止しようとするブライティクスの前に立ち塞がる。

滅びを選んだのは、彼が他者との協力によって更なる手段を模索しようとしなかったこと、それ故に行き詰まり追い詰められていた事の証左でもあった事をナトーラセリックに看破されている。同時に、このような独りよがりの人物であった事こそが、古代人が彼を境界の力で封じた理由であるとユキには指摘されていた。

終始己を神と称し、圧倒的な力と自身の知る虚無の終末を突き付けることでブライティクスを挫こうとしてくるが、ヨウタ達に神であることそのものに疑いを持たれ、否定される。結局のところ、彼は神ではなく超常の境地に到達した人間に過ぎず、人間の力によって打ち破られ、神ではなかったことを認めて消滅した。

BXとの決戦において自分の知りえない可能性を目の当たりにした際は、自分にとって未知の力で生み出される未来を否定しようとし、その姿勢を自分の思い通りに生命を創造しようとしているだけと痛烈に批判される等、独善的で傲慢な人物では有るが、最期の瞬間には自分が神では無い事を認め、動じることなく粛々と新たな可能性による敗北を認める所などから、少なくとも彼自身が世界を救おうとしていた事は事実だったと言える。

登場作品と役柄

携帯機シリーズ

スーパーロボット大戦BX
隠しルートである真の最終話「受け継がれた未来」に登場する。
通常ルートのバルギアス・ドラグーンを上回る強さを持った真のラスボス。姿を現した際の台詞はDVE
遭遇する条件が本作の全ての隠し要素を取る事と非常に困難なので1周目で到達したプレイヤーはほぼいなかったが、エンディングクレジットと2周目で登録される専用BGMにより、存在そのものは早期から判明していた。

パイロットステータス設定の傾向

能力値

バルギアスを更に強化した能力値となっており、特に格闘射撃技量は彼より20も高い。

特殊スキル

スーパーロボット大戦BX
3回行動底力L9、気力限界突破援護攻撃L3、全体攻撃L3、指揮官L4
第3次Zから携帯機シリーズに3回行動が初導入。本作では彼のみの固有技能となっている。それ以外の技能も最初から最大レベルになっており、非常に手ごわい。プレッシャーガードが無いことは救いだが。

パイロットBGM

「歪んだ福音~生命の進化を求めたモノ」

人間関係

バルギアス
境界の力によってバルギアス・ドラグーンに変貌した彼を返り討ちにする。
ヨウタ・ヒイラギ
彼に神であることそのものに疑いを持たれ、否定される。
ユキ・ヒイラギ
彼女の祖先である古代人が造りだした「境界」によって封じられていた。

版権作品との人間関係

サイアム・ビスト暗黒大将軍
ジスペルの存在に勘付いていた者達。
早乙女アルト
バルギアスを呆気なく倒した挙句、「境界の力」をユキの体に戻して生き返らせるなどの行為から、ジスペルを「デウスエクスマキナ」と評した。
戦闘会話では彼に「一人しかいないのに自分しか愛せなかったんだな」と指摘される。
フェザール・イゼルカント
ゼハート曰く、手段は違うがジスペルの持論は、イゼルカントの「エデンの民の在り方」と同じだとしている。
マーダル
方向性は異なるもののイゼルカントと同様闘争による世界の構築を目指していた事の類似点を指摘される。
ジスペル自身は最終的に闘争という手段以外に希望を見出したマーダルとイゼルカントを『諦めた』と評している。マーダル本人は最終的にはジスペルの打倒を目指していたらしい。
バーサル騎士ガンダム兜甲児
彼らに降臨する神のを評価しており、自分と同じの領域に来る事を勧めるが、拒絶される。
ゼウス神
直接会話はしないが、肉体を失いもはや意識しかない彼の事は、神を自称する者でしかないと称している。幾つかの戦闘会話からしても、「神は不滅であり、通常の生命とは異なる存在」だという思想らしいが、皮肉にも自身の敗北によって自分も神ではないと自覚する事になる。
パトリック・コーラサワー
戦闘前会話にて彼の言った「訳知り顔の異世界人」という言葉が、ジスペルを表す最も分かりやすい人物評であると言える。

名台詞

「僕の存在を知覚していたのだね、バルギアス…」
「永い…永い…刻が経ってしまった…全ての生命達よ、詫びよう…」
「僕の名はジスペル。全ての世界の生命を導いてきただ」
最終話「受け継がれた未来」にて。バルギアスが切り裂いた空間から現れたのは、自らを「」と自称する「無界の存在」だった。
この台詞は全てDVE
「…来たれ、依り代よ…」
「さあ、来るといい…バルギアス…」
挑み掛かるバルギアスに対し、ジスペルは自らの「依り代」シンデュスを召喚。バルギアスを迎え撃つ。
「神の創る世界は壊せない…。永い間、お疲れ様…バルギアス…」
バルギアスを一蹴して。通常ルートの展開を知るプレイヤーはおそらく、バルギアスの呆気ない終わりに唖然としたであろう。
「君達は過去に、争いが『あった』という事象を消そうとする、生命の野望を止めた…。未来に目を向けるというのであれば、君達自身も今を見据え、未来の為に何を為さなければならないのかを考えるんだ…」
マクロス30勢との戦闘前会話。マクロスの地球落下を無かった事にして歴史を変えようとした出来事について言及していたが、やはりアイシャやリオン達によって否定されてしまう。
なお、仮にその男の野望が成功したとしても、今度は別の争いが『起きる』可能性が高くなるのだが…。
「死に抗う生命の意志…あとどれぐらい見続けなければならないのだろう…」
「だが、この悲しみにも耐えよう…。僕は神なのだから」
1回目の全回復イベント時。
勇気かい? は勇気で進化の果ての停滞を乗り越えようと考えた。違うかい? それは無駄な事だよ」
異なる生命同士の対話かい?」
「もしくは、生命調整? 生命力の発露? 人の革新? 生命の創造? 肉体を捨てる?」
「全てが無駄なんだ…。そんな手段で、どうやって停滞を乗り越えるというんだい?」
「生命が至る答えは僕が既に達している。何度も挑戦し、繰り返してきた…何千、何万、何億の年月を重ねて…それでも、届かなかった。何度試しても…駄目だった」
「分かっただろう…。生命の手では、進化の停滞は乗り越えられない。全て、終わっているんだ…」
2回目の全回復イベント発生後の会話で刹那を初めとして、それぞれが未来を切り開く力と信じる物を一つ一つ言い当てて。それらの答えは既にジスペル自身も辿り着いたが、『それでも』進化の果ての停滞を乗り越えられなかったと告げられ、ブライティクスに絶望感が漂いかける。しかし…。
何気にこの発言のいくつかは今作のキャラだけでなく、敵味方問わず他作品のキャラが行った事を遠まわしに否定していると言える。
「僕の識らない…可能性が…視えていなかった未来が…あったのか…」
「神…ではなかったんだな…僕は…。ふ、ふふ…そうか…、僕は…」
最後の台詞。自身の知らない可能性の力を見せたBXに敗北するも、それに取り乱すでもなく、納得したように静かに滅び去っていった。

搭乗機体

シンデュス
「依り代」たる巨大兵器。

余談

  • 傍目には人間にしか見えない姿や、「人類の進化」「宇宙の終焉を止める」という題目を持って、救済と称してエゴイズムを通す、自らが神ではなく人間と変わらなかった事を自軍に突き付けられて敗北する、といった点はZシリーズ御使いアドヴェント)と共通している。
  • 『スーパーロボット大戦BX パーフェクトバイブル』に掲載された宇田Pのインタビューによると「バルギアスがどちらかといえば「分かりやすい、懐かしいタイプの悪役」であるのに対し、ジスペルは「今風のタイプの悪役」という形でキャラクターを調整した」とのこと。また、殆ど語られていない彼のバックボーンに関しては、意外と同情できる部分もあるとされている。
  • 同上のインタビューによると、ジスペルが人を進化させる力を持っていることは事実であるが、それはあくまで進化の可能性の一つにすぎないとのこと。