ザ・データベース

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ザ・データベースとは、『スーパーロボット大戦W』に登場するオリジナル敵勢力。

概要[編集 | ソースを編集]

現在の宇宙ができる前の宇宙に存在した、オメガ星団第13太陽系第5惑星人の「始原文明エス」と呼ばれる文明が遺した自律型機動記憶プラント。始原文明エスは銀河の三大源流文明の1つであり、残りの2つはそれぞれ「獅子座文明」と「古代太陽系文明」と呼ばれる。

宇宙の滅亡に瀕した第5惑星人が、ブレスフィールド・アーディガンの提言を受けて作り上げた、死と新生を繰り返す宇宙の人々や文明の記録を永遠に保存するための機構。「ザ・データベース」の名称は地球側が命名したものであり、彼ら自身は「知の記録者」を名乗る。

自律型機動記憶プラントは、記録を行う「レコーダー(後のインファレンス)」、レコーダーに批評家として行動の指針を与える「クリティック」、レコーダーの決定を調整する「レギュレイト」の3つの擬似人格らによる合議制によって運営される。さらに実体を持つ管理者として、ブレスのコピーであるアプリカントがいる。

前の宇宙から1万年前の現在の宇宙に到着し、当初は文明を記録するための役割を忠実に果たしていたが、3852年前にレコーダーの疑似人格に異常が発生し、推論者「インファレンス」を名乗るようになる。その結果、知識の独占を目的に記憶した文明の破壊行動を取るようになってしまった。その後彼らが干渉した文明は、彼らの暗躍によって一部の例外を除き全て壊滅している(もっとも、彼らが接触・記録した文明は、どういうわけか一つの例外もなく内部の争いや外敵の襲来によって滅亡に瀕していたのだが)。

ブレスは知の記録者がこのような行動を取る可能性を予期しており、抑止力としてヴァルザカードを開発した。しかし彼は一方で知の記録者が暴走したとしても、存続して記録の役割を果たし続けることに意義があるとも考えていたようである。

本拠地は冥王星宙域に存在する人工惑星。しかし連合宇宙暦の時代には、冥王星は人々から忘れられた存在となっており、ノイ・ヴェルター側は本拠地の位置をなかなか特定できなかった。これは、現実世界の2006年に「冥王星が太陽系の惑星から外された」という時事ネタを組み込んだものである。

なお、知の記録者の存在は混乱を避けるために、戦後も一般には公表されていなかった。だが、『スーパーロボット大戦W』のEDで引用されるカズマの自伝(後述)にはその名前が記されている。

登場作品[編集 | ソースを編集]

携帯機シリーズ[編集 | ソースを編集]

スーパーロボット大戦W
本作のバンプレストオリジナル敵勢力であり、ラスボスの所属勢力でもあるが、「知の記録」こそが唯一にして最大の行動理念であるため、侵略や征服などの野心があるわけではない。「自軍と対立→ラスボスが倒されて壊滅」の構図が多いオリジナル敵勢力の中では珍しく、トップが成長&黒幕が排除されたことにより、和解して救われた勢力である。
比較的難易度の低いWにおいてはトップクラスに危険な機体揃いで、一般機に至るまで全て特殊効果武器と特殊効果防御持ち。一方的にこちらを弱体化させつつ殴ってくるため、最終話は油断するとゲームオーバーになってもおかしくない。「ハウメアの守り石」を主力に装備させて置かないと袋叩きにされる。

人物[編集 | ソースを編集]

インファレンス
実質の代表格で1周目のラスボス。カズマ・アーディガンがモデル。
クリティック
2周目のラスボスだが、何故かインファレンスよりも能力値が低い。
レギュレイト
ブレスの妻であり、カズマ達の母親であるユウミ・アーディガンをモデルに製作されている。ブレス曰く「役得」とのこと。
アプリカント
カズマ達の父ブレスが自らの分身として造り上げた、機械式の人工生命体。立場や役割の関係で冷徹な部分が前面に押し出されているが、性格や思考はほぼブレスと一致しており、トレイラー心得も完璧に受け継いでいる。
アリア・アドヴァンス
アプリカントが造り上げた人工生命体で、ザ・データベースの前線指揮官。唯一フルネームが存在。アリアという名前は、カズマにあたる赤ん坊がもし女の子として産まれてきた場合に、ブレスがつけるつもりだった。ミヒロから伝えられた地球側の知の記録者の呼称『ザ・データベース』を気に入っている。
ディスパー
量産型の戦闘用プログラム。生身での戦闘能力も高い。何故か他のキャラクターたちと違い英語で喋る。
ディセイバー
終盤に登場する量産型パイロット。アリア・アドヴァンスと似た外見を持つが、感情は持たされておらず、ディスパー同様機械的な印象が強い。性別も不明。

関連人物[編集 | ソースを編集]

ブレスフィールド・アーディガン
制作者。ただその経緯はけっこう複雑。
カズマ・アーディガン
ブレスの息子。インファレンスのモデルとなった。
ユウミ・アーディガン
故人。ブレスの妻であり、カズマの母。レギュレイトのモデルとなった。

他作品の関連人物[編集 | ソースを編集]

ダイ・バザール大帝王
ガルラ大帝国の支配者。ガルラの代表としてザ・データベース、及びソール11遊星主と同盟を結ぶ。
シンクライン皇太子
父であるダイ・バザールに下克上を起こし、ガルラの新たな大帝王に。ザ・データベースとは変わらずに共闘。インファレンスは彼から「父と子」の感情を学ぼうとしたが、無駄な試みに終わった。
パルス・アベル
ソール11遊星主の一人。遊星主の代表としてザ・データベース、及びガルラと同盟を結ぶ。彼ら遊星主もプログラムであるので、そういった意味ではザ・データベースに近い存在である。
レナード・テスタロッサ
アマルガムの幹部。第2部の後半にザ・データベースの一時的な協力者に。インファレンスとは気が合っている面も。ザ・データベースが地球を滅ぼそうとしている事を知り、インファレンスに千鳥かなめテレサ・テスタロッサという自分以外のウィスパードの存在を教えた上で、自身が解放された後、彼女達がザ・データベースに拉致された際には彼らの基地の所在をノイ・ヴェルターにリークした。
Dr.ヘル
第1部後半にヴェルターに敗れた後、経緯や時期は不明だがザ・データベースの存在を知り、彼らと接触し、全宇宙の知を集める彼らにいたく感動し、協力者となり、共に知を集める旅に出る事を認めさせた。インファレンス曰く、地球の情報が短期間で集まったのは彼とレナードに拠るところが大きかったらしい。また、彼を引き入れたのは、インファレンスが彼の「知識欲」と「憎悪」の感情に興味を持った為。
ラウ・ル・クルーゼ
第2部の終盤にジェネシスの光に呑み込まれ、戦死した筈だったが、ザ・データベースに救われ、彼らの協力者となった。ザ・データベースと協力し、再び世界を滅ぼそうとする。インファレンスが彼を引き入れたのは、インファレンスやDr.ヘルの言葉通り、彼の「憎悪」の感情に興味を持った為。

運用兵器[編集 | ソースを編集]

始原文明エスの技術をベースとして制作されており、一部の上位機種は次元制御技術を応用した能力を使用できる。全体的に全長が大きめ。ヴァルホークヴァルストークも、始原文明エスの技術によって造られた機体である。

この他、アルムストラアルムストラ・フィーニスが生成する使い捨ての機動兵器『アルムアルクス・ソムニウム』も戦闘アニメ演出のみで登場する。

オープス
量産型の無人戦闘機。前線に大量に投入される。
リース
量産型の砲戦用機体。ストマとのペア運用が前提。ディスパーが搭乗。
ストマ
量産型の格闘戦用機体。リースとのペア運用が前提。こちらもディスパーが搭乗。
アルムアルクス
アルムシリーズの機動兵器。限定的ながら、次元制御技術を応用した能力を使用可能。ヴァルザカードを構成する機体のひとつ。
アルムアルクス・フィーニス
アルムアルクスの最終量産型。合体は不可能。
アルムストラ
ザ・データベースの旗艦。ヴァルザカードを構成する機体のひとつ。
アルムストラ・フィーニス
アルムストラの最終量産型。合体は不可能。
ヴァルアルム
ザ・データベース本星に至る最終防衛ラインを守る、対ヴァルザカード用の決戦兵器。
スキエンティア
記録プラントのコア『スキエンティアの心臓』を搭載された、ザ・データベースの中枢と言える超大型機動兵器。後に『聖バレンタインの光』と呼ばれる事件を発生させ、ヴェルターを壊滅に追いやった。3519年前には同機を用いて(おそらく)アルテア星を襲撃したこともあったが、互角の力を持つゴライオンによって防がれ、失敗に終わっている。
サピエンティア
インファレンスが極秘に新建造した、ザ・データベース真の究極機動兵器。「スキエンティアの心臓」を秘密裏に移植されている。

関連用語[編集 | ソースを編集]

冥王星
かつての太陽系の9番目の惑星で、ザ・データベースの本拠地が存在する宙域。現実世界では、2006年に太陽系の準惑星と言う扱いになった。
トレイラーの真実
カズマが30年後に出版した自伝で、ザ・データベースの存在が書かれている。

他作品の関連要素[編集 | ソースを編集]

ゴライオン
Wでは獅子座文明の遺産。ザ・データベースと同じように自分達が存在した証を次の宇宙へ伝える手段だったのではと推測されている。そしてザ・データベースの侵攻においてもそれを例外的に回避した。Wでは3519年前にスキエンティアと戦い、侵攻を防いだ。
ミケーネ帝国
Wでは約3000年前に、太陽系を訪れたザ・データベースによって地底へ追いやられた設定になっている。
火星極冠遺跡
Wでは古代太陽系文明の遺産。3000年前にザ・データベースが太陽系を訪れた際には既に古代太陽系文明人は滅亡しており、火星極冠遺跡のような文明の痕跡だけが残されていた。記録を試みていたが、遺跡の封印を破る事は叶わず、撤退している。
機界31原種
アプリカントやアリアのことを「奴」と呼ぶ。ザ・データベースのことを警戒しているため、恐らく過去に何らかの痛手を負わされたのだろう。Zマスターは皮肉にも共闘することになるが。
ゲッター線ゲッターエンペラー
前の宇宙の死に関わっている存在と思われる。既に前の宇宙でのゲッター線が記録されていたようだが、本作に登場するゲッター線はそれとは異なる反応を示していた。研究対象ナンバーも、本編中に登場するものに対しては16桁以上ものナンバリングがされていたのに対して、真・ゲッターは「281104」とかなり早い段階で出会っていた事が解る。

余談[編集 | ソースを編集]

  • ザ・データベースの元ネタは『機動戦士クロスボーン・ガンダム』の長谷川裕一氏の代表作『マップス』に登場する神帝ブゥアーと、その配下である銀河伝承族と思われる。「滅びに瀕した宇宙の知的生命体が作った記録装置」「本来は宇宙の全てを記録しつづけるのが役目」「何らかの事情で暴走し、自ら宇宙を滅ぼす悪魔となった」といった点が共通している。