ザンスカール帝国

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ザンスカール帝国とは、『機動戦士Vガンダム』に登場する敵対勢力。

概要

宇宙世紀0140年頃にサイド2・スペースコロニーに存在した国家。この時代の宇宙世紀は地球連邦が形骸化し、連邦政府の統治能力が低下したことから「宇宙戦国時代」と呼ばれ、各コロニー政庁が自治政府を成立させたことで、紛争が各地で起こっていた。ザンスカール帝国はその混乱の中で勃興したコロニー国家の一つで、サイド2のコロニー・アメリアを首都に建国された。母性の尊重を説くマリア主義を唱えるマリア・ピァ・アーモニア女王として表に立て、木星公社出身のフォンセ・カガチが独裁権力を握る形で成立し、サナリィのサイド2支社を接収して得た戦力を武器に、サイド2の連邦軍及び各コロニー政庁からなるサイド2連合艦隊を撃破。これがザンスカール戦争の始まりであり、一気に周辺コロニーを制圧して一大軍事国家を形成するに至った。ただし、ザンスカール帝国は確かに新興のコロニー国家群の中でも抜きん出た国力と軍事力を有していたが、多少衰えたとはいえ地球連邦軍と本格的に敵対した場合には対抗可能な戦力は有しておらず、連邦政府に工作を働かせて全面的な敵対を避けている。

癒しを与えるマリアとは対照的に、カガチはギロチンを象徴とする恐怖政治を行った。これは多くの支持とともに多くの反感を生み、反帝国武装組織リガ・ミリティアの結成を促した。また、後の内部分裂の発端ともなっている。

帝国が地球への侵攻を開始すると、抵抗組織リガ・ミリティアが本格的な反撃を開始するようになる。当初はヨーロッパに降下し、橋頭堡になるラゲーン基地を構築。連邦やリガ・ミリティアと小競り合いを行いながらも宇宙で戦略ビーム兵器「ビッグ・キャノン」を建造。一気に地球制圧に乗り出す予定だったが、こちらはリガ・ミリティアとそれに協力した連邦軍のバクレ隊、ブラボー隊により「ビッグ・キャノン」を奪われ、更にはザンスカール首都コロニー「アメリア」強襲の際に主力のズガン艦隊の三割をビッグ・キャノンで撃滅されてしまい、計画の修正を余儀なくされる。

帝国側はその後モトラッド艦隊による「地球クリーン作戦」を遂行するが、こちらはあくまで囮に過ぎず、ある程度の時間稼ぎが成立した時点でザンスカール帝国政府は月面フォンブラウン市の地球連邦政府に休戦協定の申し入れを実行。連邦の中央政府は地球の駐屯部隊の意向を無視し帝国との休戦に応じたが、これすらも時間稼ぎに過ぎず、カガチの最終目的はサイコミュ要塞エンジェル・ハイロゥの精神波により地球の人類を全滅させることだったと見られている。

そのエンジェル・ハイロゥも、リガ・ミリティア地球連邦軍ムバラク・スターン大将率いる主力艦隊の共闘および帝国内の内部分裂と抗争によって分解、作戦は失敗し戦いは終結した。

戦力的にはラステオ艦隊、タシロ艦隊、モドラッド艦隊、ズガン艦隊と多数の最新兵器を有していたザンスカール側が旧式兵器を主軸としていた地球連邦軍のムバラク艦隊よりも優勢だったが、先陣を切ったアルベオ・ピピニーデンのラステオ艦隊はタシロ・ヴァゴの艦隊の盾にされて壊滅。タシロ艦隊も反乱を起こし、女王マリアを拉致して本国への撤退を図ったがこちらもリガ・ミリティアのホワイトアークやエンジェル・ハイロゥの包囲網を完成させようとする連邦軍旗艦ジャンヌダルクの攻撃で女王マリアとタシロ司令が戦死し全滅。 その後、地球に降下したがリーンホースJr.の特攻で、モドラッド艦隊旗艦アドラステア以下の戦力は消滅。ズガン艦隊もクロノクルがブリッジを破壊した連邦軍旗艦ジャンヌダルクの執念の特攻で旗艦のスクイード級戦艦ダルマシアンを撃沈され、ムッターマ・ズガン中将も戦死。ザンスカール首相フォンセ・カガチは辛くもダルマシアンから脱出し、エンジェル・ハイロゥの玉座の間へ戻ったが、女王マリアの幻影との一方的なやり取りの果てにエンジェル・ハイロゥの破片が直撃して死亡。 残されたザンスカールの残存艦隊は地球連邦軍艦隊に投降の申し入れを行ったが、実行される前に連邦・ザンスカールの戦力が密集したエンジェル・ハイロゥのリングに捕らわれたまま、強制的に宇宙へ連れ去られた事からなし崩し的に戦闘は終結。ザンスカール戦争もまた事実上の終幕となった。

結局は複数の派閥がザンスカール内での権力を得る事を目的とした行動を繰り返した結果、著しく連携を欠く形となり、そのままリガ・ミリティアと地球連邦軍に各個撃破されるに至ってしまった。その際に帝国の各派閥の首魁達が軒並み死亡するという悪影響もあり、『機動戦士クロスボーン・ガンダム ゴースト』のエピローグとなる宇宙世紀0169年頃には、帝国は「消滅」してしまった事が語られている。しかし、同年代の『機動戦士クロスボーン・ガンダム DUST』には「ネオ・ザンスカール」なる残党勢力が存在する模様。

なお「ザンスカール」とは、インドのカルギル地方に存在する地名。

登場作品

登場回数は少ないが、登場したすべての作品においてガンダム系の主要敵勢力となっており、扱いは非常に良いといえる。

αシリーズ

スーパーロボット大戦α
ザンスカール帝国の名称は登場せず、木星に本拠を持つため、ジュピトリアンという呼称になっている。

携帯機シリーズ

スーパーロボット大戦D
ネオ・ジオンOZが味方陣営にいる為、ガンダム系敵勢力の主軸となる(逆に言えば、ガンダム系の各勢力が主義主張を越えて共闘体制に入る中、空気を読まなかった勢力である)。地球クリーン作戦など、原作のイベントは概ね再現されており、中盤から終盤に差し掛かる時点で分岐ルート先で決着をつける事になる。他勢力の敵が出てくるとすぐに撤退してしまうシーンが多いため、ややこすっからい印象を受けるが、それら他勢力が宇宙を股に掛ける巨大な規模を誇っているので、戦力の温存の上では仕方のない行動と言える。なお、序盤からシャアが(無駄と悟りつつも)休戦を呼びかけ、異星人との交戦データの提供まで行っていたのだがその情報は上層部に握りつぶされていたことがクロノクルカテジナが仲間になった際に判明する。
メガゾーン23』とも競演している為、アドラステアガーランドを絡めたバイクネタが幾度か登場する。

単独作品

新スーパーロボット大戦
初登場作品。サイド2の独立国家だが、バルマー帝国に対抗するために地球防衛軍が発した救援要請を口実にヨーロッパへ降下し、侵略を開始する。
その後カガチタシロのクーデターにより失脚、帝国はバルマーの配下となる。
スーパーロボット大戦30
本作ではラプラスの箱騒動による地球連邦の権威失墜後に台頭したという設定になっている。ゾンダーDr.ヘルインベーダーなどの襲撃や上記のラプラスとブリタニア騒動に加え、ゲームの時系列には明記されていないが『覇界王 ガオガイガー対ベターマン』参戦の都合でアルジャーノンも発生しているなど非常に治安と政情が混乱しており、結果的に本作未参戦の『閃光のハサウェイ』以降の作品から『V』までの48年の歴史を加速度的に縮めるスピードでの台頭という凄まじい事になっている。
今作ではポセイダル軍やネオ・ジオン残党及びグルトップ隊と手を組んでいるが、連邦政府との裏取引で入手したΖガンダムνガンダムゾルタンが自身の意向でドライクロイツに渡したり、ギャブレーが地球クリーン作戦に対して嫌悪感を覚えていたり、タシロとギワザが結託し下剋上を企てようとするなどその繋がりは決して一枚岩ではない。また、これらの展開の他『クロスボーンガンダム ゴースト』を意識したのか、ザンスカールの内部分裂について触れられている。

人物

マリア・ピァ・アーモニア
ザンスカールの女王。宗教的カリスマとして多くの崇拝を受ける。帝国の現状を良しとしてはいなかったが、傀儡の身ゆえに何も変えることはできなかった。
フォンセ・カガチ
宰相。ガチ党の党首で帝国の実質的支配者。
ムッターマ・ズガン
カガチの盟友で実質帝国のNo.2。帝国の主力であるズガン艦隊を率いる。SRWでは『』に名前のみ登場。
タシロ・ヴァゴ
カガチの腹心。心中では密かに野心を抱いている。
クロノクル・アシャー
マリアの実弟。ベスパの青年士官。
ザンスカール兵
一般兵。『新』では「ベスパ兵」名義。

兵器

モビルスーツ戦艦など

ベスパ製MSの外見上、特に頭部に共通する特徴としては連邦軍のガンダムタイプのツインアイやジム系列のバイザーアイ、ジオン系MSのモノアイとも異なる、ウッソが言うところの「猫の目か狐目」のようにつり上がった、あるいはカバーで覆われ遮光土偶器のような見た目になった『複合複眼式マルチセンサー』があげられる。

また、ビームを回転させてヘリコプターのように飛行するビーム・ローターや、タイヤ型の攻防一体型サポートメカであるアインラッド、巨大な車輪で全てを踏み潰して進むバイク戦艦など、それまでの宇宙世紀の常識を覆す奇想兵器の数々も特長といえよう。

以下はSRWに登場した機体。

巨大建造物

カイラスギリー
地球を威嚇するために、衛星軌道上に設置された巨大なビーム砲。
エンジェル・ハイロゥ
サイコミュとしての機能を持つ巨大要塞。

関連用語

ベスパ
ザンスカール帝国の軍隊。連邦軍のサイド2駐留部隊と『機動戦士ガンダムF91』に登場したサナリィのサイド2支社が前身となっている。ズガン艦隊、タシロ艦隊、モトラッド艦隊などを擁する。
イエロージャケット
ベスパの地球侵攻部隊。ザンスカール帝国のパイロットは黄色のパイロットスーツを着ており、こう呼ばれた。
モトラッド艦隊
「地球クリーン作戦」のためにアドラステア・リシテアの両艦船で構成された艦隊。SRWではアドラステアのみ登場。

資料リンク