コロニー落とし

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スペースコロニーを大質量弾に見立て、目標に直撃させて多大な被害を与える一種の戦略。スペースコロニーに核パルスエンジンを取り付け(あるいは元から設置されている物を利用して)、移動させて目標に向かっていくのだが、その際の目標が地球であれば重力を利用しての落下速度により強大な威力を引き出す。

概ね『ガンダムシリーズ』で有名な戦法であるが、スペースコロニーでなく隕石基地などを利用する場合もある。また、当事者は宇宙に住む人(スペースノイド)などが立案することが多く、これを実行した場合は地球に住む人々からの非難が集中されて更なる戦乱が引き立てられやすくなる。

各作品のコロニー落とし[編集 | ソースを編集]

機動戦士ガンダム[編集 | ソースを編集]

最も有名なのは一年戦争初期に行われた「ブリティッシュ作戦」。宇宙世紀初のコロニー落としであり、ジオン軍が目標の地球連邦軍本部ジャブローに向けて発射されたが、大気圏外での地球連邦軍の宇宙艦隊や地上からのミサイルによる抵抗と、まだ方法論が確立してないこともあり、大気圏突入時にコロニーが崩壊。コースが大きく逸れてしまいジャブローへのコロニー落としは失散に終わった。ただし、オーストラリアのシドニーに先端が直撃、周囲の陸地を消し飛ばして海にまで達する巨大なクレーターが形成され、流れ込んだ海水でかつてシドニーのあった場所は海に変わり、更にはこの時に発生した世界規模の大津波で世界各地の沿岸部と連邦軍の海軍戦力がほぼ壊滅するほどの甚大極まる被害がもたらされた(このせいで碌な軍用水上艦船を接収できなかったジオンは、海軍戦力の主体を潜水艦に依存せざるを得なくなった)。番組で地球の市内にコロニーが落下するのがこのシーンであり、度々紹介シーンに登場する。この際にできたクレーターは『機動戦士ガンダム0083 スターダストメモリー』に登場している。

漫画「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」ではやや経緯が異なるが、コロニー落としによる被害が詳細に書かれており、大気圏突入時にコロニーは三つに崩壊してしまい、正面のベイ部分があるAパーツは本編通りにシドニーに直撃してオーストラリア大陸南部を壊滅させ、中腹のBパーツは大気圏投入時にカナダ南西部で空中分解し、北米大陸全域に破片の雨を降らせ、後方部分のCパーツはロシア領のバイカル湖に直撃して人口過密な東アジア全域に大地震と津波を引き寄せて膨大な打撃を与えている。結果、全地球規模の大災害に発展し、地球連邦政府もしばらくは被害と犠牲者の総数が把握できなかった程であり、この間の食糧不足、疫病の流行で更に犠牲者が増大。そのまま被害把握がなされた頃には総人口にまで及んでいった。 本作では各サイドの人口が1億5000万~2億とされており、サイド2「ハッテ」以外の各サイドの壊滅が作戦時に確認できないため、総人口の半数とされた犠牲者の大部分がアースノイドとなっている。 本編・ORIGIN共に使用されたコロニーはサイド2「ハッテ」の「アイランド・イフィッシュ」。ただし、本編は8バンチコロニーとされたが、ORIGINでは首都バンチとされる。

SRWでは『第2次スーパーロボット大戦G)』の初期にDCの手により実行されており、以後の続編においてもこの時の被害による地形の変化などが言及される。

機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY[編集 | ソースを編集]

ジオン軍残党デラーズ・フリート一党の手で行われた星の屑作戦の一環。無人コロニーを奪取し、地球連邦軍の大部隊を牽制しつつも作戦は成功。目標の北米の穀倉地帯に直撃した。 本作ではコロニー落としでは「ブリティッシュ作戦」程の被害は確認できない。 利用されたコロニーは一年戦争初戦で壊滅したサイド4「ムーア」の廃コロニー「アイランド・イーズ」、またコロニー同士を衝突させて月への進路を取った際には「アイランド・ブレイド」をアイランド・イーズにぶつけたが、アイランド・ブレイドのその後は不明。

SRWではこのシナリオが何度も再現されているが、作品によってはプレイヤー部隊の手で阻止できる。

機動戦士Ζガンダム[編集 | ソースを編集]

ティターンズジャマイカン・ダニンガンの手によりエゥーゴの本拠地・グラナダを目標としたコロニー落とし作戦が行われる。地球に住む人間(アースノイド)によってコロニー落としが行われた珍しいケースである。 結局はエゥーゴの妨害により直前で核パルスエンジンを起動されてしまい、失敗。グラナダから約150km離れた地点に落着した。なお、利用されたのは一年戦争で破壊されたサイド4「ムーア」の27バンチコロニー(名称不明)。

機動戦士ガンダムΖΖ[編集 | ソースを編集]

ネオ・ジオンの指導者ハマーン・カーン地球連邦政府を恫喝するため、アイルランドのダブリンを目標に落下させた。連邦政府側もまた口減らしの好機と捉えて地元住民に避難勧告を直ぐには出さなかったため(作中のニュースでも報道されており、地球連邦政府がコロニーの落下を否定していたことが窺える)、市民の脱出を阻止しようとするネオ・ジオンとそれを迎撃するカラバ及びエゥーゴ部隊の激戦も併せて展開されていた。最終的に、落下スピードが緩かった為にコロニーが地表に突き刺さったまま崩壊せず、周囲を丸ごと消し飛ばすほどの極端な被害にはならなかった[1](ネオ・ジオンにより民間人の脱出船が撃墜されたりなど、犠牲が出ていないわけではない)。

新機動戦記ガンダムW Endless Waltz[編集 | ソースを編集]

オペレーション・メテオ」の作戦の内容の一部として行おうとしたが、ドクターJら5博士の反抗により実行されず、ガンダムの破壊行動のみになった。1年後にマリーメイア軍が実行、阻止されるもその真意は囮でしかなかった。

機動新世紀ガンダムX[編集 | ソースを編集]

本編開始よりも前の時代、冒頭の史実として語られる「第七次宇宙戦争」の末期に宇宙革命軍が数十基(一部資料では四十基以上)のスペースコロニーを落下させた。当初は恫喝のみで本当に実行する予定ではなかったらしいが、地球統合連邦政府(旧連邦)の戦意が衰えずに決戦兵器ガンダムエックスの投入により次々と確保したコロニーが破壊され出したため、勝利に焦った宇宙革命軍は全てのコロニーを同時に落下させ作戦を強行(落下軌道で戦闘中の友軍すら巻き込んで実行されている)。その結果、地球は一時的に死の星になり、総人口の99パーセント死滅というガンダム史上でも最大の犠牲者を出している。なお、落着地域は均一という訳ではなく、南米大陸に集中落下させたという文字設定がある。これは上記の初代『機動戦士ガンダム』のオマージュで、南米に旧地球連邦政府の本部が有った為で戦後15年経った時代でも南米大陸は他の地域より被害が極めて甚大で全く復興も進んでいなかった模様であり、政府再建委員会でも「見るべくもない」と南米に全く興味を持っていなかった。また欧州などは比較的被害を受けていないため、政府再建委員会の主要拠点となり、新地球連邦設立後は事実上の本拠地となる。 なおカトックの台詞の一部などを誤解した[2]一部の人間が「コロニーの内部に生きた人が居たまま落とされた」という内容を広めているが、このコロニー落としで使用されたコロニー群は革命軍と意見を違える全てのコロニー(つまり宇宙世紀の様な「中立コロニー」の存在すら認めていない)を制圧し、住民を皆殺しするか強制的に追い出して使用しており(強制的退出させられた者達の一部は反革命軍組織「サテリコン」となっている)、実際はコロニー落とし作戦時には無人状態である。

SRWでは『スーパーロボット大戦Z』の史実として再現されている。『スーパーロボット大戦R』では第七次宇宙戦争を一年戦争からつづく争いに置き換えているため、複数回実行されたと言われるが原作ほど被害は大きくない。

機甲戦記ドラグナー[編集 | ソースを編集]

緒戦においてギガノス帝国が類似作戦である月面のマスドライバーを用いた質量弾爆撃を行ったほか、最終局面においてはコロニー落とし自体も決行している。ただ既に戦いの趨勢が決した後であった(メタ的には最終話の冒頭で唐突に1カット描写されたのみだった)ため、戦局に大きな影響を与えることは出来なかったようである。

似たような出来事[編集 | ソースを編集]

アクシズを質量弾とする[編集 | ソースを編集]

宇宙世紀に登場する隕石基地「アクシズ」は核パルスエンジンを搭載しているため、これを利用してアクシズを質量弾として目標に衝突させる作戦が宇宙世紀では度々行われている。『機動戦士Ζガンダム』ではジオン残党軍アクシズの手でティターンズ本拠地のゼダンの門にぶつけ破壊している。次にエゥーゴの本部グラナダを目標にするが失敗。『機動戦士ガンダムΖΖ』ではネオ・ジオン反乱軍グレミー・トト一派が、ハマーン側の拠点コロニーであるコア3に直撃させた。そして、第2次ネオ・ジオン抗争におけるシャア・アズナブル一派がアクシズを地球に落下させる「地球寒冷化作戦」を企てるが、νガンダムサイコフレームの力により失敗する。

SRWではアクシズを落とす行為を止めるイベントが度々組まれており、シャアキャラが行う場合もある(シャア以外のキャラが行った場合、シャアはアクシズ落としを阻止する側に回る)。中には前代未聞のとんでもない方法で阻止された事も…。

また、上述のように地球以外の標的に衝突させる方も登場し、『OE』ではゼダンの門に衝突させる原作再現が行われた。

リーブラを質量弾とする[編集 | ソースを編集]

新機動戦記ガンダムW』では、戦艦としての機能を無くしたリーブラを質量弾に見立て、ミリアルド・ピースクラフト率いるホワイトファングが実行するが、ドクターJらの行動とウイングガンダムゼロのツインバスターライフルにより落下するリーブラを破壊した。

なお、SRWでは戦艦としての機能が無くなると同時に破壊されるので再現されていない。

ユニウスセブンを質量弾とする[編集 | ソースを編集]

機動戦士ガンダムSEED DESTINY』では、血のバレンタインで大殺戮が行われ廃棄コロニーとなっていたユニウスセブンを、ザフトの旧ザラ派が奪取・占領し、コロニー落としを実行した。落下そのものを防ぐ事は不可能としてコロニーの破砕を目的に阻止部隊が派遣されるものの、破砕は完全には成功せず、ユニウスセブンの破片が多数地球へと落下して一大被害を引き起こした。この出来事をブレイク・ザ・ワールドと呼んでいる。

SRWでは『スーパーロボット大戦Z』で実行されるものの、時空振動弾の発動により落下せず多元世界大特異点となり、次元の狭間に存在した。『スーパーロボット大戦Scramble Commander the 2nd』では破砕に成功し破片は流星群になり大きな被害はでなかった。『スーパーロボット大戦K』や『スーパーロボット大戦L』では原作の展開をほぼそのままなぞって地球に多数の破片が落下してしまった。

登場作品[編集 | ソースを編集]

旧シリーズ[編集 | ソースを編集]

第2次スーパーロボット大戦
本編開始前にDCによって行われており、オーストラリアの一部が欠けてしまっている。
第3次スーパーロボット大戦
インスペクターによってシャングリラがコロニー落としに使われそうになるが、ロンド・ベル隊によって阻止された。
また、どういうわけか十三はコロニー落としの重大さを理解できていなかった模様。
第4次スーパーロボット大戦(S)
ノイエDCによってジャブローに向けてコロニー落としが実行されるが、阻止された。
今作では、勝平がコロニー落としのことをあまり理解できていなかった模様。
スーパーロボット大戦F完結編
ゲスト・ポセイダルルートにおいて、DC・コロニー連合軍によってコロニー落としが行われ、ロンド・ベルはアイス・セカンドを用いてそれを阻止することになる。
その後、シャピロの手によって再び動き出したコロニーが地球に落ちそうになるが、イデの正しき発現によりコロニーは消滅し難を逃れている。

αシリーズ[編集 | ソースを編集]

スーパーロボット大戦α
ネオ・ジオンに組み込まれたデラーズ・フリートによって星の屑作戦が行われたが、グランゾンのブラックホールクラスターによりコロニーが破壊され失敗した。
更にエンジェル・ハイロゥが地球の衛星軌道上へ転移し、そのまま地球へ降下する。落下ではなく降下と呼ばれるものの、八丈島沖に着水・水没し、発生した津波で太平洋側の沿岸地帯が壊滅する。

Zシリーズ[編集 | ソースを編集]

スーパーロボット大戦Z
シナリオ上宇宙世紀世界で行われたコロニー落としについて、カミーユミネルバのクルーに説明している他、荒廃世界で15年前に行われたコロニー落としについて言及されている。
また、セツコは両親を一年戦争時のコロニー落としで亡くしたことを語っている。

携帯機シリーズ[編集 | ソースを編集]

スーパーロボット大戦A
デラーズ・フリートによって星の屑作戦が行われたが、シーマとギガノス軍(正確には、独断で裏取引をしたドルチェノフの一派)が割り込んでデラーズ艦隊とコロニーの奪い合いをしている間にプリベンターが駆け付け、ニナとルリにより軌道変更が行われたことで阻止された。
シャドウミラーもコロニー落としを成功させるべく工作員を送り込んでいたが、通信機の故障により指令が伝わらず、阻止に協力(宇宙ルート)or地上での戦闘(地上ルート)をしていた。
スーパーロボット大戦R
過去の大戦にて複数のコロニーが落とされたことが語られる他、真のオペレーション・メテオの一環としてネオ・ジオンの手によりコロニー落としが行われ、ボアザン軍はそのコロニーを乗っ取り爆弾に改造しようとした。
スーパーロボット大戦W
原作通りマリーメイア軍が行う。ヒイロに管制室を撃ち抜かれて失敗に終わる。

VXT三部作[編集 | ソースを編集]

スーパーロボット大戦V
ネオ・ジオンの手によりコロニー落としが行われ、エンブリヲの介入によりコロニーが地球に落ちそうになったが、ラプラスが所有していたコロニーレーザーによってコロニーは無事に破壊された。
なおその際、地球艦隊・天駆(当時はまだロンド・ベルであるが)一同の意思をユニコーンガンダムサイコフレームを用いて直結させ、ナデシコCでボソンジャンプさせることでギリギリのタイミングで離脱させるという荒業を実行している。
スーパーロボット大戦T
第15話「空が落ちる日」にてグレミー派のネオ・ジオンが実行し、T3が阻止に向かうがカンパニーの介入によりコロニーが地球への落下コースに突入してしまう。
その為、地球環境を守ろうとする東方不敗の助力もあってT3はコロニーをある程度破壊した後に、ディバイディングドライバー新型イレイザーヘッドを使いコロニー落としの被害を最小限に留める作戦を実行に移し、勇者の心に目覚めた撃龍神の手助けもあり作戦は成功した。
しかし、この出来事は人々に強い不安と恐怖を与えてしまい地球とセフィーロの境界が不安定になるきっかけともなった。

関連用語[編集 | ソースを編集]

宇宙世紀
宇宙において国家規模のスペースコロニー群が成立する宇宙世紀の世界では、コロニー落としという戦略が行われやすい。
ガンダムシリーズ
宇宙世紀のように地球圏の国家と宇宙のコロニー国家が対立する世界観では、コロニー落とし(に似た戦略)が行われることがある。
南極条約
コロニー落としは南極条約で禁じられた。
マスドライバー
規模は小さいものの、質量弾による攻撃という点ではコロニー落としと同じである。

脚注[編集 | ソースを編集]

  1. 80年後の0169年を舞台とする『クロスボーン・ガンダム DUST』(SRW未参戦)では、この顛末が、民間人である主人公達の「DUST計画」の論拠に引用されており、少なくともその時代には「ネオ・ジオンによるコロニー落とし」として周知の歴史になっている模様。
  2. カトックはジャミルを罵倒する為に「家族が生きたままコロニー落としを受けサテライトキャノンで撃ち落とされた」と喋ったがその後ティファに「本当は既に殺されていた事は知っていた」と嘘を吐いていた事を認める発言をしている

資料リンク[編集 | ソースを編集]