エーデル・ベルナル

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エーデル・ベルナル(Eydell Bernal)

多元世界の支配勢力である新地球連邦において、女性ながら准将の地位に就いている人物。多元世界を結ぶ情報ネットワークシステム「UN」を敷設するなどの実績を持ち、その点が評価され、新地球連邦の最高意思決定機関である賢人会議の一員となる。

後に三賢人、ジャミトフ・ハイマンロード・ジブリール達による歪んだ意思決定の実態を不安視し、UNを用いた情報戦を展開。その腐敗の実態をプラント代表のギルバート・デュランダルに流して、賢人会議の実情を暴露させると同時に、新地球連邦内部ではパプテマス・シロッコデューイ・ノヴァクと共謀して「オペレーション・クルセイダー」を発動させ、賢人会議派を一斉に粛清。これにより新地球連邦の掌握に成功し、シロッコ、デューイの両名と共に事実上の三頭支配体制を確立した。

この段階まではZEUTHとの関係も良好であり、またその態度も「聖母」のイメージが強いものであったが、その裏ではZEUTHが二分化していることを利用して、自身の直属部隊「カイメラ」によるUNでの情報操作を行い、あわよくば共倒れを狙うなどの強かさを見せる。彼女が本格的に敵であることが明らかとなるのはレーベン離反後で、カイメラ隊の実態と同時に自己中心的かつサディスティックな彼女の裏の顔が露となった。

シロッコとデューイがZEUTHとの戦いで倒れた後は、UNによる情報力、聖母としての彼女に対する人々の支持を背景に自ら指導者の座に就き「法と秩序による世界の統治」を宣言。文字通り「新世界の聖母」となった彼女は、全ての望みを実現した…かに思われた。

しかし、パラダイムシティから帰還したZEUTHによりカイメラ隊は壊滅し、自らの生命線であるUNのステーションのターミナルを押さえられたことで立場が逆転。彼女がこれまでに積み上げてきた情報操作を全て公衆の面前に晒されてしまう。それを挽回すべく、自身の乗機として開発されたレムレースに搭乗してZEUTHの駆逐に乗り出すも果たせず、逆にZEUTHによって討たれる。それでも、彼女はしぶとく生き残り司令クラスターの前に姿を現すが、その前に現れたのは彼女の乗機に搭乗していた黒のカリスマであった。

そして黒のカリスマの正体が明らかになると同時に、彼女自身が黒のカリスマこと「ジ・エーデル・ベルナル」によって作り出された人造人間であることが彼の口から語られる。エーデルはジ・エーデルが多元世界を裏から操る(弄ぶ)ために創造した存在であり、容姿・人格・趣味・過去・政治思想まで、彼女のパーソナリティと呼べるものは全てが彼に設定されたものであった。彼女が具体的な方策を問われても、オウム返しのように「法と秩序による世界の統治」を繰り返していたのも、それ以外に思想を設定されていなかったためである。更に彼女を制御するために、絶対服従のキー「バインド・スペル」も設定されており、彼女は「アイラビュ~…!」という言葉の後に続く「命令、依頼、勧め、お願い」に当たる言葉には絶対に逆らう事が出来ない。これを使って、ジ・エーデルはジエーの姿の時に彼女を操り、時には罵倒されて快楽を得、時には都合よく行動させていたのであった。この時、彼女は『命令に従う』といった返答をするのではなく「上の立場から応じる」といった返答をしていた。

この事実に彼女は絶句するも何らの抵抗もできず、散々彼に弄ばれ、辱められた挙句、最期は用済みとして消滅させられ、バンプレストオリジナルキャラの中でも屈指の屈辱的な最期を遂げた(似たような生い立ちのハザル・ゴッツォや、創造主の捨て駒にされたアーマラ・バートンを遙かに上回る惨めな最期である)。人類を導く聖母という立場にあと一歩のところまで上り詰めたかに見えたが、それは全てジ・エーデルの掌の上での幻想に過ぎなかったのである。

登場作品と役柄

Zシリーズ

スーパーロボット大戦Z
黒歴史ENDルートのみ彼女がラスボスとなる。
彼女の能力は極めて高いが、乗機レムレースの性能が今一つであるため、実戦ではさほど苦労はしないであろう。精神コマンドを持つのは恋人への想いという設定の故であろうか。
キャラクター辞典には通常バージョン・本性バージョンの2つが登録されているが、ネタバレ回避のためか通常バージョンの声優は登録されていない(もしかして味方ポジションでは…というミスリードも含まれているのかもしれない)。
なお、ジ・エーデルと対峙した時の彼女のパイロットレベルはなんと「1」になっている。これもジ・エーデルが設定したのだろうか。
第2次スーパーロボット大戦Z破界篇
ZEUTHのメンバーの会話で彼女の存在が語られており、代表者という点でエルガン・ローディックと比較されていた。

パイロットステータス設定の傾向

能力値

ジ・エーデルを一回り弱体化させたような能力値だが、何故か命中だけは彼より上。

精神コマンド

Z
集中努力直感熱血
優秀なラインナップ。集中を使用できたなら極との相乗効果で格段に戦闘能力が向上したのだが。

特殊技能(特殊スキル)

Z
底力L8集束攻撃カウンターL8指揮官L4再攻撃
表向きのラスボスだけあって、底力に極・カウンター・再攻撃と中々のラインナップ。再攻撃は通常攻撃が全体攻撃のみのレムレースでは死にスキルと化しているが、内部データには再攻撃専用の台詞が用意してある。2回行動こそ無いが、極とカウンターのお陰でジ・エーデル以上の強さを秘めている。

小隊長能力(隊長効果)

小隊全員に『気力+ (命中)』が掛かる
Zでの効果。回避すれば機能しないのだが、気力が上がってMAP兵器を撃たれたら泣くに泣けないので、2軍パイロットを小隊に配置している時は注意したい。

パイロットBGM

「傀儡の眼神」
専用BGM。イントロはカイメラ機全て共通。エーデルがあの男の傀儡であることを思うと、皮肉に満ちた曲名である。ちなみに「眼神」は「めがみ」と読む。

人間関係

ジエー・ベイベル
彼女の副官的存在であり、技術顧問。その正体は彼女を生み出したジ・エーデル・ベルナルその人。
ジ・エーデル・ベルナル
ジエーの真の姿。最期は自分の正体が人形に過ぎない事を知らされ彼に散々に辱められた挙句、粛清された。
レーベン・ゲネラール
部下。エーデルを狂信する。
シュラン・オペル
部下。
ツィーネ・エスピオ
部下。
アサキム・ドーウィン
協力者。エーデルの正体に気づいていた様子。

他作品との人間関係

パプテマス・シロッコ
共に新連邦の中心人物となり、改革に着手するが、内心では彼を「傍観者」と侮蔑していた。
デューイ・ノヴァク
シロッコ同様共に新連邦の中心人物となり、改革に着手するが、内心では彼を「妄執にとらわれた男」と侮蔑していた。
ギルバート・デュランダル
序盤から裏で手を組んでいたが、内心では彼を「夢想家」と侮蔑していた。
ウィリアム・ウォーレス・フィッツジェラルド
ブラッドマン、シロッコ、デューイ、デュランダルと、自分にとっての邪魔者が全て斃れた後、彼を新連邦の大統領に立て、傀儡として服従させようとする。
彼からはその歪みきった本性に嫌悪感を持たれており、エーデルに対してはっきりと嫌悪感と不信感を露にする。
ヘンケン・ベッケナーユルゲンス
エーデルが独裁者として君臨しようとした際、弾劾した彼らをレムレースで返り討ちにした。

名台詞

「法と秩序で世界を治める」
彼女の目標かつ決まり文句だが、具体的なプランは何ら持ち合わせていなかった。
そしてあまりに同じ答えばかりを繰り返すため、アポロから「お前は壊れた人形か!」と反論された。
「羽虫と蟻が…! 統治者の御座に触れるな!!」
彼女に抵抗を試み、レムレースを取り囲んだ連邦兵に対して。ヒステリックな性格かつ相手への侮蔑が全面に現れた瞬間である。
「わんっ!」
ジ・エーデルがバインド・スペルで「三遍回ってワン」と命令してやらせた時の台詞。その豹変ぶりは驚愕ものである。
「いやあぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
ジ・エーデルの人形である事を知らされ発狂、ジ・エーデルのカオス・レムレースによって倒された時の断末魔。惨めを通り越して哀れとしか言い様の無い最期である。
「見るがいい、ZEUTH! 私があの小娘を司令クラスターに仕立て上げてやる!」
黒歴史ENDルートより。軌道エレベーターでの決戦で一度はZEUTHに敗北するも、最後の力を振り絞って宇宙へと上がり、司令クラスターになりかけていたエウレカを攻撃した時の台詞。
その直後に時空崩壊が起こり消息不明になってしまう。自身の正体を知らないまま退場する分、扱いは正史ENDルートよりはいいかもしれない。

搭乗機体

レムレース
エーデル自ら操縦するためジエーに開発させた機体であり、カオス・レムレースの試作機。彼女の操縦技術もあり、その巨体を軽々と操り両腕のドリルを自在に使いこなして戦闘する。