アデナウアー・パラヤ

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アデナウアー・パラヤ
外国語表記 Adenauer Paraya
登場作品

ガンダムシリーズ

声優 嶋俊介
デザイン 北爪宏幸
初登場SRW 第2次スーパーロボット大戦α
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プロフィール
種族 地球人アースノイド
性別
所属 地球連邦政府
役職 参謀次官
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アデナウアー・パラヤは『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』の登場人物。

概要

地球連邦政府の参謀次官[1]で、クェスの父親。

第2次ネオ・ジオン抗争時にネオ・ジオン総帥シャア・アズナブルと和平交渉を行うが、彼の巧みな話術に乗せられてネオ・ジオン側に小惑星「アクシズ」を売却するという大失策を犯してしまう。

その後、ネオ・ジオン艦隊の不意打ちを受け、クェスが搭乗していたヤクト・ドーガの攻撃で死亡した。

キャラクターの総評

作中にてアデナウアーが連れている女性キャサリンは愛人で、クェスの母親とは別人である。クェスが尋常ではない嫌がり方をしていたのは、それ故であった。

この様に私人(家庭人)としてダメなアデナウアーであるが、公人としても、既にフィフス・ルナを落としているシャアに対し、ご丁寧にも小惑星「アクシズ」を売りつけるというダメっぷりを披露している。

総じて言えば、アデナウアー・パラヤという人物は富野作品によく登場する「ダメな親」の典型例であり、「シャアが嫌悪する地球側の人間達の象徴」である。

登場作品と役柄

αシリーズ

第2次スーパーロボット大戦α
原作同様の役割だが、序盤から三輪と交渉したりするので割と目立つ。ネオ・ジオンとの交渉後、いつの間にか登場しなくなる為、原作のようにクェスに殺されたりはしない。単に、「死亡イベントが描かれなかった」とも言えるが…。
ちなみに娘は死亡してしまうものの、ハマーン休戦ルートではアデナウアーの交渉が報われるので、原作よりはよほどマシな扱いであろう。

Zシリーズ

第3次スーパーロボット大戦Z時獄篇
アデナウアーはZシリーズ初登場で、『第2次α』から約11年ぶりとなった。なお、『第2次α』同様に死亡シーンが描かれず、続編第3次Z天獄篇』においてもアデナウアーのその後の消息は不明である。
余談だが、『第3次Z天獄篇』の対ラスボス戦闘前会話において、クェスがラスボスに対して「あんたは自分勝手な善意を押しつけて、こっちの気持ちなんてお構いなしな所が、お父さん(アデナウアー)と同じだ」と切り捨てる場面が存在している。

人間関係

家族

クェス・パラヤ
娘。情けないくせに愛人を囲う等したために、失望されている。結果的に、アデナウアーはクェスによって殺害される事になる。
キャサリン
愛人。当然、クェスとうまくいかず、彼女と宇宙へ行くのを拒んだ。SRW未登場。
小説版では「現在の妻」と記されており、法律上の正式な夫婦ではある様子。

地球連邦

ジョン・バウアー
地球連邦政府の高官。劇中では名前のみの登場だが、アデナウアーとも関わりが有る模様。SRW未登場。
ブライト・ノア
地球連邦軍独立部隊ロンド・ベル司令。ブライトの艦であるラー・カイラムに一時同乗。シャアとの交渉終了後、彼にアクシズをネオ・ジオンに売却してしまった事の危険性を追求されたが、アデナウアーは意に介さなかった。
その後、ブライト率いるロンド・ベルはアデナウアーの失策の尻拭いをするハメになってしまった
ハサウェイ・ノア
ブライトの息子。愛人キャサリンが宇宙行きのシャトルに搭乗するのを拒否した代わりに彼と娘と共にシャトルに同乗する事になる。
ミライ・ノア、チェーミン・ノア
ブライトの妻子。彼女達は宇宙行きのシャトルを待っていたのだが、アデナウアーが無理矢理割り込んだ為にシャトルに乗れなくなってしまう
カムラン・ブルーム
会計監査局の一員として、アデナウアーのネオ・ジオンとの交渉の場に同行する。

ネオ・ジオン

シャア・アズナブル
ネオ・ジオン総帥。フィフス・ルナ地球落下後に、彼と和平交渉をする。

他作品との人間関係

ガンダムシリーズ

ハマーン・カーン
第2次α』では彼女と交渉する事に。休戦ルートではそのお陰でシャアがアクシズを落とせない事態になったが、正史である拒絶ルートでは結局ハマーンがアクシズをシャアに明け渡す事に…。
無論、アデナウアーはハマーンから「俗物」と見下されている。
シーマ・ガラハウ
『第2次α』では、彼女の手引きでハマーンと交渉した。
エイパー・シナプス
『第2次α』では、アデナウアーのやり方に内心不満を持っていた。
リディ・マーセナス
第3次Z時獄篇』では、政府関係者であるためか、彼の家のことをよく知っており、初対面で父親であるローナンの息子だと即座に気付いた。

スーパー系

三輪防人
第2次α』では序盤で彼と交渉する。
アデナウアーの方が立場が上の為、三輪に難題を押しつけて反感を買う事になるが、一応、彼への責任を感じている節はある。
大文字洋三
『第2次α』ではシナプスと同様にアデナウアーへ内心不満を募らせていた。

名台詞

神様…」
乗っているシャトルのすぐ近くでMS戦が起こって、一人縮こまっての台詞。故に、娘であるクェスに唾を吐かれてしまう。
小説版ではさらに「コックピットに通じるドアを叩いて民間機の信号弾を上げるよう絶叫する」という見苦しい行動に出る。
ただし、小説の記述によるとシャトルの船長はアデナウアーに言われるまでそれをすべきことに気付いていなかった。信号弾を確認したネオ・ジオンは即座に戦闘を中止して撤退したが、ビームの流れ弾がシャトルを掠める危険な状況だった。アデナウアーの行動がなければ、いずれ流れ弾がシャトルを直撃してクェスやハサウェイを含めた乗客・乗員が全滅していた可能性もあり、醜態気味な態度ではあったが、適切な判断だったともいえる。
「隕石のアクシズを売ったで、連邦政府の福祉政策が充実するんだぞ。でなければ、シャアは『コロニー潰しを掛ける』と言ったんだ」
シャアとの交渉終了後にアクシズを売った危険性をブライトに追求されての発言。
これに対し、ブライトは「シャアがコロニー潰しではなく、地球潰しを狙っている!」と反論するが、アデナウアーは全く意に介さなかった。
そもそも福祉政策というのも、地球にいる一部の特権階級の人間のみが恩恵を受ける物であったと思われる。
「当たり前だ。貴官らが地球の危機だと判断したら、いつでも動け」
ブライトに「ロンド・ベルは独自の行動を取らせていただきます」と言われた際の返し。
無責任に事態を投げているようにも見えるが、この言質があったからこそロンド・ベルがネオ・ジオンを独自に追う事が可能になったのもまた事実である。
ちなみに、小説版ではアデナウアーの上記の台詞がしっかり録音されており、ロンド・ベルからも保険を掛けられていた。
「これで地球の敵は本物の宇宙人くらいになったな」
クラップ艦長「我々に新しい職業がありますかな?」
「地球には海岸掃除の仕事が山ほどあるよ」
ルナツー宙域のクラップ艦橋にて、ネオ・ジオンの公式映像を見ながらの艦長との会話。連邦政府関係者としてスペースノイドの差別意識とも取れる発言をしており、やはり典型的な上流階級者である。
ロンド・ベルに対しても非友好的な態度が見え隠れしており、この発言には艦長も激怒している(後ろから殴りかかろうと拳を振り上げてしまっている)。
無論、シャアはアデナウアーが思うほど甘くはなく、ネオ・ジオンの襲撃を受けるハメになる。
「艦長! 我がクラップは何故前に出ないのか? シャアに失礼だろう」
武装解除のためにルナツーに到着したネオ・ジオン艦隊が現れた際に。既に戦争は終わったと安心してしまっているのが、窺い知れる。
しかし、クラップの艦長からは「私は貴官の安全を守らなければならんのです」ともっともらしい理由で拒否される。案の定ネオ・ジオン艦隊は散開しており、すぐに条約と進入方法が違う事が判明するが……。
「バカなーッ!! 条約違反だッ!!」
上記の後にジェガン3機を偵察に出した直後にネオ・ジオン艦隊の一斉砲撃を受けて。
今更ながらにシャアに騙されたことを悟った為の絶叫だろうが、幾らなんでも遅すぎると言わざるを得ない。しかし、直後にルナツーは集中砲火を受けており、要塞施設や展開していた地球連邦軍のサラミス改級が多数破壊されており、既に多大な損失を出してしまう。
「なんで逃げん!?」
ネオ・ジオンの裏切りによって連邦艦隊がやられていく光景を見ての一言。もっとも、クラップ級の艦長からは「味方がやられているでしょう!」と反論されている。
まぁ、上記の通り「貴官の安全を守らねばならんのです」と理由を付けてクラップを前に出すことを艦長が渋っていたため、アデナウアーからは言ってる事とやっている事が違うと感じたのかもしれないが。
その直後、「アデナウアーは娘であるクェスに殺されてしまう」という皮肉な最期を迎えることになった…。シャアを甘く見たことと、妻に愛想を尽かされ、愛人に入れ込み、家庭や娘をほったらかしにした結果、そのツケは自分の命で支払う事となったのである。

スパロボシリーズの名台詞

大空魔竜戦隊火星へ向かわせる代わりに、そちらへジム部隊を派遣する」
第2次α』序盤における三輪との交渉場面より。この台詞を読んで思わず噴いたプレイヤーは多いだろう。いくら何でも、強力なスーパーロボット軍団とジム部隊では釣り合うはずがない。
次のシーンで剛健太郎からそれを聞いた大文字博士も呆れたのか、「……わかりました」と返している。ただし、そのおかげで大空魔竜戦隊としては三輪から一時的に離れる事ができたので、その点だけは「結果オーライ」だったとも言える。
「せっかく親子が再会したのだ。少しでも一緒の時間があったほうがいいだろう」
「それに私も娘を連れている。娘も彼がいたほうが喜ぶだろうしな」
第3次Z時獄篇』より。原作でのアデナウアーを見ると粋な計らいとも言えなくも無いが、彼が言っても説得力に欠けるのもまた事実である。

余談

  • アデナウアー・パラヤの名前の元ネタは、西ドイツの初代首相であるコンラート・アデナウアー(1876~1967)から取られている。
    • ちなみに、コンラート・アデナウアーは第二次世界大戦を経て荒廃著しい西ドイツの経済復興に尽力した非常に有能かつ偉大な人物(その功績を称えるために、ドイツ各地に彼の名を冠した大通りや橋、建築物が作られた程)である。

脚注

  1. ちなみにアデナウアーの所属についてだが、連邦「政府」なのか、連邦「軍」なのか、明確に描写されていない。実際、小説版ではアデナウアーの所属について、「政府」または「軍」どちらとも表記されている。もっとも、「参謀」という肩書きからアデナウアーが軍事的な機関に属していることは確かだが、彼はネオ・ジオンとの交渉の場において軍服を着ていない。以上の点を根拠にして、視聴者の間では「宇宙軍省の高級官僚説」が有力視されている。また、ティターンズ総裁のジャミトフ・ハイマンエゥーゴ創設者のブレックス・フォーラは連邦軍籍を有しながら、連邦議会にも議席を持っていたため、彼も軍属でありながら政府・議会に所属していた可能性も残る。本頁では、便宜的に「政府」扱いとする。

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