キシリア・ザビ

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キシリア・ザビ(Kycilia Zabi)

ジオン公王デギン・ソド・ザビの長女で、ジオン公国軍少将。突撃機動軍司令官として、地球からの資源調達と地上制圧の為の突撃機動軍を統括する。戦場の空気を嫌い、常にマスクをしている。
ニュータイプの能力に目をつけ、研究・開発を行うためのフラナガン機関を設立したり、ニュータイプ部隊を組織したりと、公国軍の中で最もニュータイプの研究を進めていた。

ガルマを守れなかったとドズルに左遷されたシャア・アズナブルをジオン・ズム・ダイクンの遺児と知りつつ、懐刀として使う。
兄ギレンとは政治的に対立する間柄で、父デギンが兄に謀殺されたと知り、ア・バオア・クー攻防戦のさなかに兄を射殺する。しかし、戦場の把握が遅れてしまい、ジオン敗北の原因となってしまった。ア・バオア・クーを放棄して、戦場の脱出を図ろうとしたところをシャアにバズーカで首を吹き飛ばされ、24歳にて没した。

なお、彼女の年齢に関しては幾つかの説があり、ドズルより年上の説がある。24歳の設定は富野監督の執筆した小説版『機動戦士ガンダム』から来ている。

登場作品と役柄

旧シリーズ

第3次スーパーロボット大戦
DCに所属。今作のDCはギレンが総帥である為、彼女も主要幹部の一人。バスクらティターンズの面々を部下にして毒ガス攻撃やインスペクターと盟約を結ぶなどのDCの暗部を担い、原作同様にギレンと対立する。
スーパーロボット大戦F完結編
クローンとして復活する。今回もDCの汚れ仕事を引き受けており、ガトーの怒りを買う。ギレン暗殺イベントもある。ザビ家復活はゲストの計画の一端だが、ギレンのクローンは我が強く、キシリアは彼が制御を受け付けなくなった際の抑えとして復活させられたらしい。今回、ギレンとは一枚岩とも言い難いが殺し合うような理由もなかったため、ギレン暗殺を企てるプログラムとキシリア自身との間に葛藤が生じる場面があり、そのせいか死に際には自我が崩れ始めているかのようなセリフを遺した。何かを悟ったギレン、最期の瞬間には父としていられたドズルに比べると哀れでもある。

COMPACTシリーズ

スーパーロボット大戦COMPACT
名前のみ登場。本編前までジオン軍の高官を務めていたが、本編前半にて兄・ギレン共々、何者かに暗殺される。

αシリーズ

スーパーロボット大戦α
ジオン軍所属のグワジン艦長。場合によってはギレンを暗殺しSDFと和平を結ぶ。その際クワトロとの会話イベントがある。和平を無視すればクワトロで原作通り引導を渡すことも可能(戦闘前会話も原作の台詞になっている)。『第2次α』での会話から見ると、キシリアとの間にSDFは和平を結べているはずなのだが、『α外伝』から『第2次α』の間に地球連邦とジオン残党で何らかの戦闘があったらしく、これ以降のシリーズには登場しない。

単独作品

スーパーロボット大戦GCXO
ジオン軍所属。ソロモン戦で戦闘した後、原作通りソーラ・レイにデギンを巻き込んだギレンを討とうとア・バオア・クーに直行しようとするが、護衛する振りをして接近してきたシャアに討たれてしまう。台詞が新規収録されている。
スーパーロボット大戦Operation Extend
3章まではシナリオデモのみ登場する。表向きは敵のままで真意もまた明かされてないが、実はジオン側の味方協力者で、裏では情報提供などの方法でコネクト・フォースを支援する。ミューカスなどの脅威が迫る中戦争を続けている場合ではないとして和平工作を目的とする特務隊「オルトロス隊」を立ち上げ、配下のシャアをクワトロ・バジーナとして連邦軍に潜入させるなど、精力的に活動している。
5章「アクシズからの撤退」は一度だけ敵として参戦。意外な展開が多い「仮面の下の決意」ではなんと、正統ジオン(『ギレンの野望』の独立勢力)を結成する。
おそらく、歴代で最も扱いの良い作品といえる。

人間関係

デギン・ソド・ザビ
父親。
ギレン・ザビ
兄。政治的に対立している。ア・バオア・クー攻防戦の最中に射殺する。
ドズル・ザビ
次兄。彼の軍とは折り合いがあわなかった。
ガルマ・ザビ
弟。部下であり、地球降下作戦に任命する。『ギレンの野望』では、彼に気を使う一面もあった。
ミネバ・ラオ・ザビ
姪。
マ・クベ
腹心の部下。漫画版ではゾック(SRW未登場)を与えた。
シャア・アズナブル
左遷されていたのを引き取って部下にする。敗戦後脱出しようとしているところで彼に殺された。SRWではクワトロ時代のシャアと対面する事もある。
ジョニー・ライデン
MSV出身のキャラで、キシリアの命令でキマイラ隊に配属された。SRW未登場。

他作品との人間関係

ガンダムシリーズ

エギーユ・デラーズ
原作冒頭にてキシリアがギレンを殺害した事を察知し、激怒した。
アナベル・ガトー
『F完結編』ではケリィらを捨て駒扱いにした事でキシリアに反感を持ち、ギレン殺害によって反旗を翻した。
シーマ・ガラハウ
部下。彼女を騙して毒ガスを使わせた。
バスク・オム
第3次』での腹心の部下。
ゼクス・マーキスミスター・ブシドー
『OE』での部下。もとは二人とも地球連邦兵という設定だが、キシリアに賛同しオルトロス隊に参入した。
ニアーライト
小説『機動戦士ガンダム外伝 コロニーの落ちた地で…』の登場人物でキシリア直属の局地戦戦技研究特別小隊(通称マッチモニード)の隊長。ザビ家の利益になるのなら本来なら味方であるはずのジオン兵ですら平気で殺す残虐な卑劣漢。
マレット・サンギーヌ
漫画及び小説『機動戦士ガンダム外伝 宇宙、閃光の果てに…』の登場人物。自身をジオン公国の象徴と自称する傲慢な人物でキシリアを盟主とする新たなジオンの樹立を画策していたが、その野望は結果的にジオン・ズム・ダイクンの忘れ形見によって潰えた。

その他

諸葛亮孔明
α』では一年戦争の終結後は彼に匿われ、その後も度々支援を受けた。

名台詞

「おふざけでない!全く問題にならぬプランです。地球連邦軍の包囲の中からマ・クベはどれだけ貴重な資源を送り届けてくれたかお忘れか?」
「男子のメンツ、軍の権威、それが傷付けられてもジオンが勝利すればよろしい。その上であなたのメンツも立ててあげましょう」
ジオン将校が提出したレポートを床にたたきつけ、さらにビンタを喰らわせながら。キシリアは貪欲に経過より結果を部下に求める。
「私は4歳ごろのキャスバル坊やと遊んであげたことがあるんだよ。お忘れか?」
ア・バオア・クー戦前にシャアと面会した際に。この時既にシャア=キャスバル・レム・ダイクンだと気づいており、ララァとの出会いでシャアが復讐の先のことを考え始めていることも察しているところを見せた。彼女もまたニュータイプは殺し合いの道具に終わるものではないことを感じていたのかもしれない。シャアとザビ家のことについては戦争が終わってから考えるつもりだったようだが……。
「意外と兄上も甘いようで」
直後にギレン射殺。確かにこの時のギレンは甘かった。
「赤い彗星も地に堕ちたものだな」
ア・バオア・クー戦における、ジオング撃墜後の台詞。後に『機動戦士Ζガンダム』においてジャミトフが同じ台詞を言っている。
「シャアか……?」
「……!!」
最期の台詞。自身が座乗するザンジバルに近づくシャアの姿に気付いた時にはすでに遅く、バズーカで首を吹き飛ばされてしまった。

スパロボシリーズの名台詞

「またしても志半ばで…またしても? では私は一度死んだ? いや、私は私。キシリア・ザビ。ザビ家の…」
『F完結編』における断末魔。死に際に自我が崩壊するという、三兄弟の中では最も哀れな最期となってしまった。

余談

  • 最終回でシャアにバズーカで首を吹き飛ばされたシーンでは演出を担当した板野一郎氏により、当初はリアリティを出すために首だけではなく内臓も飛び散る描写がされた。しかし、富野監督に「やりすぎだ!」と怒られてしまったため、本放送では画面が点滅する描写に差し替えられている。
  • 後年、小山茉美氏は『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』にて、かつてシャアを演じた池田秀一氏(ギルバート・デュランダル役)と共演している。また、小山氏はTV放送前のインタビューなどで冗談混じりに「最後はデュランダルの顔をバズーカで吹き飛ばしたい」」(=「初代ガンダムのキシリア役として、池田氏のシャアにリベンジしたい」)と語っている。

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