ブラックオックス
同名の機体は鉄人28号シリーズ作品のいずれにも登場するが、当記事では『太陽の使者 鉄人28号』のものを解説する。
ブラックオックス(BlackOX)
- 登場作品:太陽の使者 鉄人28号
- 分類:自律可動型巨大ロボット
- 推進機関:ロケットエンジン
- 開発者:不乱拳博士
- 所属:X団→敷島研究所・ロボット博物館
- 主なパイロット:自律可動(指示者に敷島大次郎・金田正太郎)
- メカニックデザイン:村上克司
不乱拳博士が開発した巨大ロボット。博士自身の頭脳をコピーする事により人間同様の知力と心を持ち自律行動が可能となっている。「オックス」とは英語で雄牛を指す。
博士が学会から追放された事により、犯罪組織X団を頼って研究を進めていた。しかし、X団による事件を追っていた金田正太郎達にアジトを突き詰められた事により頭脳コピーの作業は中断。その影響により3歳児程度の知能しか持たず、言葉は理解できても自ら言葉を発する事は出来ない。さらにその心が不安定故か、敵に騙されて鉄人28号と敵対した事もあった。
X団の事件が解決した後は敷島研究所に身を寄せることになり、時にはピンチに陥った鉄人を援護し、時には前述のような理由で敵対するなど鉄人と戦い合い、やがて最高の戦友となっていった。
物語終盤、宇宙魔王の前線基地を攻略に向かった際、ロビーに催眠装置を仕掛けられ鉄人と激突。結局は鉄人によって装置が破壊されたことで正気に戻ったが、鉄人が損傷したことに負い目を感じ、ロビーの情報リークにより判明した地下のマグマ帯へ突入。自身の攻撃と共にマグマを基地内に放り込むことで破壊に成功したが脱出が出来ず、基地の自爆に巻き込まれて破壊された。爆風によって飛ばされた顔面のパーツが墓標のように地面に突き刺さるシーンは、個人としての人格を持つオックスも結局は機械に過ぎない、ということを視聴者に印象付けた場面となっている。
鉄人同様、本作のオックスもデザインにアレンジが加えられている。特に大きな相違点は「顔」、旧作のブラックオックスには無かった口と鼻が付け加えられている事であり、この顔の部分は劇中でも特に印象の強い場面でも使われた。原作においても鉄人最大の敵であり、鉄人相手には一度も負けなかった。
登場作品と操縦者・役柄
Zシリーズ
- 第2次スーパーロボット大戦Z再世篇
- 初登場作品。初登場ステージではブランチの策略で敵として登場し、その後は味方NPCとなり、以降は調整のため一時的に敷島博士にしばらく預けられて一旦退場した後、プレイヤーの手で操作可能な状態で自軍に参入する。これ以降は正太郎が指示を出しているらしく、かつてのミネルバXのようにNPC扱いでプレイヤーが操作不可能ということはないので安心して使っていける。
- 能力的には修理装置とVコンシステムの無い鉄人といった感じで、武器も2種類と少なく鉄人との合体攻撃も無いのが残念なところであるが、武器はどちらも必要気力無しで使えるため使い勝手は決して悪くない。また、鉄人同様フル改造時のカスタムボーナスが秀逸なため、主力として使うのであればフル改造を目指したい。
- なお、今作の時点でキャラクター図鑑にて宇宙魔王の一件に触れている。
- 第3次スーパーロボット大戦Z時獄篇
- 序盤にイヤイヤ期&反抗期によって一時的にNPCになるイベントがある。原作とは違い戦死(?)することはないので安心して育てよう。
- 精神コマンドと特殊スキルは支援型になったのにカスタムボーナスは戦闘向けにされており、それぞれの仕様変更が微妙に噛み合わない。前作ほど硬さもないので気を付けよう。とはいえ、空陸Aかつ加速の使えるユニットは主人公格以外ではなかなかいないため、育てれば優秀なサブ要員になる。
- さり気なく前作から精神的に成長しており5歳児程度の知能になっている。
- 第3次スーパーロボット大戦Z天獄篇
- 本作ではアル、チェインバーとの対話型ロボット兵器の交流が描かれており、戦争ばかりの本シリーズでも和やかな気持ちにさせる。能力は時獄篇と全く同じ。
装備・機能
武装・必殺武器
- ブラックオックス・アタック(第2次Z再世篇) / 格闘(第3次Z時獄篇)
- 殴る蹴るの応酬。トドメにパンチを決める。
- 電磁光線
- 目から放つビームで、劇中では鉄人の電波妨害などの効果を与えた。また、原作ではバリアの様に使う事も出来る。
- 第2次Z再世篇では運動性低下の特殊効果あり。
- ブラックオックス・アタック
- 第3次Z時獄篇での追加武装。殴る蹴るの応酬から、トドメに近距離から電磁光線を放つ。
移動タイプ
サイズ
- M
カスタムボーナス
パイロットステータス設定の傾向
精神コマンド
- 第2次Z再世篇
- 根性、必中、不屈、友情、気合、熱血
- エースボーナスを取得すれば結構安く精神コマンドを使えるのが強み。
- 第3次Z時獄篇
- 加速、必中、ひらめき、気合、闘志
- 再世篇とは打って変わって支援型。「熱血」がなくなったおかげで火力は下がったが、「加速」が追加。戦場全体を飛び回るステージの多い今作ではかなり強力なお供となる。オックス以外にも時獄篇では主役級以外のキャラが熱血を習得しなくなり、主役級に関してもスーパー系は愛、勇気などがメインとなり熱血単体での習得者が極端に少ない。そのため、支援型とは言うものの同作ではわりと標準的なラインナップと言える。
特殊技能(特殊スキル)
固有エースボーナス
- 全ての精神コマンドの消費SP-5
- 第2次Z再世篇、第3次Z時獄篇でのボーナス。
- 「加速」の消費SP10、アシスト攻撃の与ダメージ1.1倍
- 第3次Z天獄篇。よりサブ向けのボーナスになった。
機体BGM
- 「太陽の使者 鉄人28号」
- 主題歌。
人間関係
- 不乱拳博士
- 生みの親。生まれた直後に親の死を見てしまう。
- 金田正太郎
- 友人。第2次Z再世篇では自軍参入後は主に彼の指示で行動する。
- 敷島大次郎
- 不乱拳博士の死後はロボット博物館に身を寄せる。有事の際には彼の指揮を受けて出撃したこともあった。
- ダンガル
- X団の総裁にして親の仇でもあった。自身の出生にも関わっている。SRW未登場。
- ブランチ
- 原作ではオックスの登場時点では既に死亡していたため全く関わりがないが、第2次Z再世篇では原作のX団のポジションを担う。
他作品との人間関係
- 飯塚
- 第2次Z再世篇ではコクボウガーと演習をする場面がある。彼曰く「どこぞのアカテンよりも教えがいがある」らしい。
- ローレライ
- 第2次Z再世篇ではルート次第で「心を持ったロボット」の先輩としてオックスの面倒を見ている。
- 梅本
- 第2次Z再世篇にてギシン星の超能力者に連れ去られようとしていた彼を救出した。
- クロウ・ブルースト
- 第2次Z再世篇中盤の宇宙ルートを経て合流した場合、彼の借金話を聞いた途端唸り声を上げる描写が有る。青山圭一郎の意訳によると「クロウの情けなさに笑えたのか泣けてきたかのどちらか」との事。本当だったとしたら、3歳児の知能をもつロボットにそんな事を思われたクロウの立場は……。
- シモン
- 時獄篇にて、宇宙魔王が発生させたブラックホールに吸い込まれそうになったところを彼に助けられている他、オックスが皆に一人の男として認められたかったことも理解していた。
- ユノハ・スルール
- 時獄篇にて自分の前に透過状態で現れた彼女に怯えてドラゴンズハイヴに慌てて飛び乗る一幕がある。
対決・名場面
関連機体
余談
- そのデザインと劇中の活躍からオックスをオマージュしたロボットは数多く、スパロボオリジナル機体も例外ではない。
- マスターガンダムは『機動武闘伝Gガンダム』の監督である今川泰宏氏の意向により、オックスをオマージュしてデザインされた。
- ちなみに今川監督は後に『鉄人28号(2004年版)』(SRW未参戦)の監督を務めることとなる。
- グリフォンもオックスのオマージュであり、『機動警察パトレイバー』の作者・ゆうきまさみ氏が自らツイッター上で創作経緯を明かした。
- スパロボオリジナル機体ではアストラナガンが該当。オックスに加え、特撮怪獣映画『ガメラ』シリーズに登場する怪獣ギャオスをモデルにデザインされた経緯がある。
- このほかにもゲッター1、GNフラッグ、ゲシュペンストもその外見からオックスをモチーフにしたと囁かれているが、公式のコメントはなく推測の域を出ない。また、ズワァースも「黒い体に二本角」という特徴が共通している。
- マスターガンダムは『機動武闘伝Gガンダム』の監督である今川泰宏氏の意向により、オックスをオマージュしてデザインされた。
- 『太陽の使者 鉄人28号』のように自律思考並びに意思を持つ作品は漫画『鉄人28号 皇帝の紋章』に登場する機体だけで、他作品のブラックオックスは「プログラムによる高度な自律行動が可能」なだけでリモコンによる操縦方式の機体になっている。
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