ガルド・ゴア・ボーマン
ガルド・ゴア・ボーマン(Guld Goa Bowman)
ゼネラル・ギャラクシー社から出向してきたYF-21のテストパイロット。ゼントラン男性と地球人女性の間に生まれたハーフである。
常に冷静沈着を心掛ける思慮深い性格の持ち主だが、ゼントラーディの血故に強い闘争本能を持つ。普段は闘争本能を理性で抑え付けているが、その抑圧が外れてしまうと暴走状態に陥ってしまう。過去にこのことでイサムとは確執がある。YF-19とのトライアルの中、意地と誇りを賭けてイサムと対立する事になり、一度は事故に見せかけて彼を葬ろうとさえした。
しかしそのトライアルは高性能無人機ゴーストX-9の採用が決定され突如中止、それに納得出来ずYF-19とフォールドブースターを持ち出しゴーストと直接戦う為に地球へ行ったイサムの追撃を命じられたガルドは、地球のマクロスシティを舞台に遂にイサムと新鋭バルキリー同士による一対一の真剣勝負を繰り広げる事に。
口喧嘩をも交えた壮絶なドッグファイトの最中、ガルドはやがて封印していた忌まわしき記憶を取り戻し、自身の過ちも知る。こうして無事にイサムと和解したのも束の間、二人の元には暴走してマクロスシティをも支配下に収めたシャロン・アップルの操るゴーストX-9が迫っていた。シャロンに捕らわれたミュンの救出をイサムに託し、ガルドは一人ゴーストに挑む。それはまるで、自身の過ちを精算するかのように……。
作中での回想シーン等で見る限り、子供の頃から共に手製の飛行機を飛ばそうと丘の上からイサムと二人で力を合わせて飛行機を引っ張っていたり、それ以後も何かとイサムには良いようにあしらわれながらもその関係はミュンも交えて大変良好であった事を伺わせ(実際作中の和解時にYF-19に同乗していたヤンから「やっぱり仲がいいんだ」と言われていた)、彼自身も作中のようにどこか嫌な感じのする男ではなく、本来はイサム程ではないにせよ飛行機が好きな軽めの性格であったようだが、彼の体に流れるゼントラーディの血がそんな彼の運命を大きく変えてしまう事となった。
そのゼントラーディも、かつてプロトカルチャーが戦闘兵器として遺伝子操作の末に生み出された「悪魔の人形」なのであり、混血とは言えどガルドもその遺伝子操作の功罪を否応なく背負う事となり、やがてそれに人生を狂わされて翻弄された悲しき存在であったと言える。
登場作品と役柄
αシリーズ
- スーパーロボット大戦α(DC)
- 初参戦作品。YF-21から乗り換え不可。原作通りイサムと一騎討ちするイベントがある。彼の血筋についてはこの時点では特に追及されていない。
- イサムと同じく格闘に秀でたパイロット。2回行動可能になるのは自軍最速だが、魂がないのが残念。激闘の使い方が鍵となるが、射程の長い武器が非力なYF-21では激闘を使いこなすのはやや難しいか。
- スーパーロボット大戦α外伝
- 現代編ではミュン達を人質に取られた故にティターンズ所属となり、再びイサムと一騎討ちになるイベントが発生。未来編ではそれほど出番が多くないが、α以前から地球に潜入していたゼントラーディと地球人の間に生まれたというオリジナル設定が明かされた。本作では魂を修得し対強敵戦でも活躍できるようになった。また、イサムと信頼補正がある。音声の新規収録が行われ、援護用やDVEなどが収録されている
- 第3次スーパーロボット大戦α 終焉の銀河へ
- マクロス系ではイサムと共にいち早く自軍に参入。今回はリミッター解除を行わず、オリジナルのDVEとともにイサムとの合体攻撃を取得する。今作も音声の新規収録が行われ、中断メッセージにも初登場。
パイロットステータスの傾向
能力値
命中、回避、技量は言うまでもなくエースクラスの高さ。イサムと同様に格闘値が高いバルキリー系のパイロット。YF-21が特殊な操縦系統なため、乗り換えは不可能。
精神コマンド
集中、熱血を持つ。αでは魂がなく激闘を修得。α外伝と第3次αでは魂を持ち攻撃力が上がっている。
特殊技能(特殊スキル)
イサムに比べるとやや貧相さが隠せない。
小隊長能力(隊長効果)
- 命中率+10%、クリティカル率+10%
- 第3次αで採用。
人間関係
- イサム・ダイソン
- かつての親友だが今は因縁のライバル。マクロス30では彼を「反応弾よりも危険な男」と評している。
- ミュン・ファン・ローン
- 愛する人。
他作品との人間関係
- ロイ・フォッカー
- 原作世界では年代が違うが、αシリーズでは上官に当たる。フォッカーが一時的に隊を離れた際、YF-21の性能の関係上隊長代行に選ばれなかったが、彼からは適任者として実力を認められている。
- ミリア・ファリーナ・ジーナス
- αシリーズでの同僚。α外伝では彼女とイサムでラット熱のワクチンを自軍に運ぶ役割を担うが、共にラット熱にかからなかった事で自身がゼントラーディとのハーフである事をイサムに明かす原因となる。また第3次αで彼女が年齢に反して若さを保っている事に驚くイサムに対してゼントラーディ達には老化を防ぐ因子があると推察する。
- 一条輝、マクシミリアン・ジーナス、柿崎速雄
- αシリーズでの同僚。
- オオタコウイチロウ
- αシリーズでは当初から親交があり、彼に色々とサポートしてもらっていた。第3次αにおいて銀河殴りこみ艦隊の出航の際は、イサムと共にαナンバーズを代表して彼に挨拶に訪れた。
名台詞
- 「俺は13回おごらされたぁ!!」
- 2回ランチをおごったというイサムに対し。この台詞と共にきっかり13発ミサイルを発射している。
- 「そうだ、俺だったんだ…俺が、何もかも…」
「俺は壊れてる。狂っているのか…?」 - マクロスシティを舞台にしたバルキリーを用いてのイサムとのドッグファイトの末、イサムの乗るYF-19に大量のミサイルを放った刹那、ガルドはイサムとの確執の原因となった7年前の事件の真相――全てはゼントランとしての闘争本能を抑えられなくなった自分の手によるものだった事を思い出す。そのあまりの忌々しさ故にその時の記憶を自ら封印した為、事件はイサムが起こした事だと思い込んでいたのであり、全てはガルド自身の思い違いだったのだ。
当のイサムの乗るYF-19は先程放ったミサイルの爆発と共にレーダーから消えており、ガルドは本当の記憶と引き替えにイサムを殺してしまった、と激しい自責と後悔の念に駆られる。しかしそんな彼の目に飛び込んで来たのは、眼下の雲に映る機影……先程まで戦っていたYF-19のそれであった。 - 「じゃあ…先に行ってるぜ」
- イサムとの和解も束の間、シャロンの操るゴーストX-9の襲撃を受け、イサムにミュンの救出を託し自身はゴーストと戦っている最中、イサムに通信で「もうすぐ片が付く、7年振りの再会を祝してこの後一杯やろう」と持ちかける。当然イサムもそれに応じるのだが、ガルドはこの台詞の後YF-21の禁断の機能「リミッター・オフ」を発動させてしまう。
- 「あと一歩……!」
「きた……っ……!」 - 機体と搭乗者の限界を超えたGに機体共々満身創痍になりながらもゴーストに迫るガルド。ゴーストの放つミサイルを回避し、一瞬の隙を突いてようやく標的を捉える。しかしすでにガルドの身体は限界を超えていた。そしてこの直後、言葉にできない悲鳴と共にガルドの眼球が潰れ、大量の吐血でヘルメットが赤く染まった。
スパロボシリーズの名台詞
- 「その頃から頭の成長が止まっている男に言えることか?」
- 第3次α第21話地球降下ルート「プリティ・デビル」より。年月を経ても若々しさを保っているミリアにイサムが驚いた際、ゼントラーディやメルトランディには老化を抑える因子があるとガルドは説明するが、その割にはガキの頃から老けていたなとガルドに突っ込むイサムへの痛烈な反撃。
- 「遥か過去からの戦い…ここで決着をつける!」
「この銀河の戦いの元凶…消し去ってみせる!」 - 最終話「終焉の銀河」or「今遥か遠い彼方…」の逆襲時に於けるケイサル・エフェスとの特殊戦闘台詞。
- 「俺としては、どんな場であろうと君の歌が聴ければ、それは力になる」
- エンディングで、第二次超長距離移民船団に同行を志願するミュンへ発した台詞。
- 「…使える物は最大限に利用する。それが俺の主義だ」
- 中断メッセージにて。リセットを多用するイサムのプレイを最悪と言っておきながら、イサムに問われ、遠まわしに自分も使っていることを口にする。当然、イサムに「使ってんのかよ!」と突っ込まれた。
|