トリノミアス三世

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トリノミアス三世(Torinomias The 3rd)

人物および来歴

S-1星の皇帝。大型の角が二本生えた白いヘルメットをかぶっている。

年々放射能汚染が悪化するS-1星の首脳部における最高会議において、科学者チームに放射能濾過装置が5日以内に完成しなければ、S-1星の住民の為にも、他の移住可能な星に軍事侵攻する事を決定した。

放射能濾過装置が完成した当日、S-1星の首脳部を掌握しようと企む親衛隊長ガットラーの腹心であるアフロディアによって暗殺されてしまった。そして、ガットラーに掌握されたS-1星は地球へ侵攻を開始することになった。

キャラクターの総評

名台詞の欄に詳しいが、トミノリアス三世は「現実主義者であり、互いに対立し合う強硬派(ガットラー)および穏健派(レイガン博士)のどちらの意見も傾聴した上で決断する」という優れたバランス感覚を備えた指導者であった。[1]

強硬派も穏健派も己自身の考えが正しいと信じ、互いに相手の考えを否定し合っていた状況の中で、唯一大局観を持っていたトミノリアス三世はS-1星において貴重な存在であったと言える。

そんな彼の暗殺にはじまるガットラー一派によるクーデター事件が無ければ、S-1星および地球の未来は良い方向に変わっていたのかもしれない(もっとも、それでは『宇宙戦士バルディオス』の物語自体が始まらないが)。

登場作品と役柄

Zシリーズ

スーパーロボット大戦Z
回想シーンで登場。原作同様に暗殺されてしまう。余談だが、寺田Pによって事前にその登場が予告されていた。

人間関係

レイガン博士
放射能濾過装置を開発していた科学者S-1星から他の星への軍事侵攻には反対していた。マリンの父親。SRW未登場。
ゼオ・ガットラー
アルデバロン軍総統。S-1星の民を救うために、他の星への軍事侵攻を主張していた。腹心のアフロディアから皇帝暗殺を焚きつけられて、クーデターを起こす。
ローザ・アフロディア
ガットラーの腹心。実は、皇帝暗殺の陰謀を企てたのはアフロディアである。国家の実権掌握のために、ガットラーに対して皇帝暗殺を進言した。ガットラーのクーデターの際に彼女の手で引導を渡されることになる。

名台詞

「その通りだ。レイガン、五日以内に明確なデータが出なければガットラーの提案を飲む」
「……余が民衆の心を引き留めておけるのは、それが限度だ。ガットラー、治安の方は?」
第1話「孤独の追跡者」の会議の場面より。S-1星の民を救うために他星への侵略を訴えるガットラーの意見に賛同して。
後述のネタ的な意味で扱われることの多い皇帝トリノミアス三世であるが、現実主義者であることがうかがえる。
ただし、短いながらも猶予期間を与えているように、放射能濾過装置を開発しているレイガン博士の意見も尊重していることもわかる。
「何事だ! お、お前はガットラーの親衛隊長!」
「何の真似だ! 余を撃てば…」
断末魔。皇帝暗殺を図るアフロディア率いるガットラー親衛隊を目の前にして。その直後、アフロディアの手によって暗殺されてしまう。
なお、後年「寝床にいるところを襲撃された」ために、ネタ的な意味で扱われることになってしまった。詳しくは、余談の欄を参照。
「何を言う、私はS-1星の未来は科学者たちに任せている。お前たち軍人の……」
「何を言う、わがS-1星の未来は、科学者たちにゆだねるところに決めたところだ。お前たち軍人の考え方は、間違っておる。余は、もう二度と迷う事はあるまい」
前者はソノラマ文庫の小説版、後者は集英社文庫の小説版における台詞で、映像作品で言う上記の断末魔の間に挿入されたもの。
特に後者は、映像作品では明言していなかったガットラー達軍部の強硬策への明確な非難を表している。

スパロボシリーズの名台詞

「何事であるか…? 余はもう就寝の時間であるぞ」
Z』で暗殺される際の台詞。
確かに原作でも寝床を襲われたのだが、「『就寝』という言葉をわざわざ言う」「グラフィックが原作で暗殺されたときの寝巻き姿ではない」のには、何か邪推してしまう。

余談

  • ネット上では某掲示板で「お前たち、もう寝なさい」という台詞を付けたコラージュ画像で人気が爆発し、「陛下」の愛称で親しまれており「バルディオスはよく知らないけど、このキャラは知ってる」という人も少なくない。ついでに、画像には「誰このジジイ」という返答を付けるのがお約束となっている。また、二次創作で付けられた設定『銀河戦士バルロイ』が妙に凝っている。

脚注

  1. ただし、小説版では穏健派(レイガン博士)寄りの思想の持ち主になっている。