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2017年2月26日 (日) 03:42時点における版
ファンネル(Funnel)とは、『ガンダムシリーズ』に登場する兵器。
概要
オールレンジ攻撃用武装の一種。主に宇宙世紀を舞台にした作品に登場。ニュータイプや強化人間の感応波によって無線誘導される小型のビーム砲台端末で、正式名称は「ファンネル・ビット」と呼称する。
「ファンネル」とは英語で「漏斗」(「ろうと」あるいは「じょうご」。または「煙突」の意)の事を指す単語だが、キュベレイのビットが漏斗の形をしていた為にこの名称で呼ばれた。そこから転じて、形状によらず多くのサイコミュビット兵器が「ファンネル」と呼ばれるようになり、νガンダムのフィン・ファンネルに至ってはもはや筒型ですらない。
キュベレイ等ファンネルの再使用の為の燃料・エネルギーの再充填機構をファンネルの搭載箇所に持つ機体も稀に存在するが、基本的に使い捨ての武装である。
本来ファンネルは宇宙空間戦用の兵器(スペースコロニー内等における擬似重力化も含む)であるが、地上においても使用する事自体は可能であり、『ΖΖ』においても地上でファンネルを使用しているシーンが存在する(詳しくは、余談の欄も参照)。
ファンネル等のオールレンジ攻撃用武装はニュータイプでも強化人間でもないオールドタイプのパイロットにとって恐るべきものであったが、第2次ネオ・ジオン抗争(『逆襲のシャア』)以後は連邦側のサイコミュ兵器対策が進み、もはや絶対的脅威とはみなされなくなる。そして、戦乱の減少や使い手の不足もあり、ファンネルは戦場からその姿を消していく。なお、宇宙世紀0203年頃を舞台にした小説作品『ガイア・ギア』(SRW未参戦)においては、オールドタイプも使用可能なファンネルも開発されている。
基本的に上記の過程を経ている宇宙世紀でのオールレンジ攻撃用の武装の名称を「ファンネル」と呼称する(他世界観においてファンネルの形をしていないものをファンネルと呼ぶことがない)が、特殊な世界観設定の『機動戦士ガンダムAGE』では例外的にアナザーガンダムでありながら、「ファンネル」の呼称が使用されている。
SRWにおいてファンネルはNT用モビルスーツの最強武装として用いられる事が多く、高火力の武器と思われがちだが、モビルアーマーに搭載されている大型ファンネル、メガ粒子砲を発射するνガンダムのフィン・ファンネル等の一部の例外を除き、関節等の装甲の弱い部分を攻撃する為の武器である為、厳密には単体火力の高い武器では無い[1]。
スパロボでの扱い
- ゲーム中においては長射程のビーム兵器でないUC系最強武器としてしばらく君臨し続けていた。ニュータイプ、強化人間が前提条件だが、そちらの技能レベルで更に射程が伸びる驚異の武装。ただし切り払いが適用されることが多いため、思わぬところでダメージを与え損ねるケースも少なくない。
- 基本的に旧シリーズからしばらくは弾数制であり、『α外伝』以降はエネルギー消費武器に変更された。また、『α』、『α外伝』では距離補正がかからないという仕様があるが、これらの作品の距離補正はメリットが多大(最大射程を基準に、近づけば近づくほどダメージが上昇)であった為、実質ファンネル系統にはマイナス補正がかかっている状態だった。
- 近年ではPS装甲等のビーム属性であるメリットも存在するため、こちらに有効な仕様になっている他、最強武器は複数武装のコンビネーション武装に取って代わられたケースも多い。
- またUC系ニュータイプが武器名を叫ぶ武器としてお馴染みであり、本来ならばファンネルそのものが登場しない作品(『Vガンダム』等)のキャラクターを乗せても武器名を叫ぶ事が多く、声付きの作品の場合、大抵音声収録がしっかりと為されているため、「ファンネル(あるいはフィン・ファンネル)使用時の声を聞きたいがために乗り換えを多用する」プレイヤーも少なくない。
ファンネル(ビット)搭載機
UC0070年代
- エルメス
- ビットを装備。ビット兵器や小型ビーム兵器の黎明期であったせいか、1基が10m程度とかなり大きい。
UC0080年代
- キュベレイ
- 「ファンネル」を初めて搭載したMS。漏斗状のファンネルを10基搭載。1.5~2m程度とかなり小型。
- キュベレイMk-II / キュベレイMk-II (プルツー用)
- キュベレイと同じく漏斗状のファンネルを10基搭載。キュベレイのマイナーチェンジ機であるため、性能もほぼ同等であると考えられる。
- 量産型キュベレイ
- 他のキュベレイシリーズの機体と異なり、後部のコンテナに漏斗状のファンネルを30基搭載している。
- ゲーマルク
- マザー・ファンネル、チルド・ファンネルを装備。
- サイコガンダムMk-II
- リフレクター・ビットを装備。
- クィン・マンサ
- キュベレイと同型のファンネルを使用するが、機体の大きさ故にキュベレイの3倍の30基を搭載可能。
UC0090年代
- νガンダム / νガンダムHWS装備型
- νガンダムは、UC系ガンダムで唯一ファンネルを搭載した主人公機。フィン・ファンネルを装備。ジェネレータ内蔵式で出力3MWと他のファンネルと比較して高出力。
- Hi-νガンダム
- フィン・ファンネルを装備。搭載方法が見直され、再充填可能となっている。
- 量産型νガンダム(フィン・ファンネル装備型)
- フィン・ファンネルを装備。
- サザビー
- ヤクト・ドーガと同型の円筒形のファンネルを装備。
- ヤクト・ドーガ (ギュネイ専用) / ヤクト・ドーガ (クェス専用) / ヤクト・ドーガ
- 円筒形のファンネルを装備。
- α・アジール
- ジェネレータを搭載した大型のファンネルを装備。出力が上述のようにMS用と比較してはるかに高い。
- ナイチンゲール
- α・アジールと同型のファンネルを装備。
- クシャトリヤ
- 『UC』に登場したMSで、唯一のファンネル搭載機。
- 多くの敵機を撃破してはいるものの、散弾でまとめて破壊されたり、特殊部隊員とはいえ生身の兵士に無力化されたりと、ファンネルがかつてほどの脅威でなくなったことを示すような描写も多い。
- シャンブロ
- リフレクター・ビットを搭載。
- ユニコーンガンダム
- 厳密にはファンネルではないが、ビームガトリングガンを搭載した(原作小説版では搭載していない)専用のシールドをサイコフレームの共振によって操る「シールド・ファンネル」を使う。
- また、シールドファンネルにはIフィールドも搭載されており、攻防一体の兵器となっている。
UC0100年代
UC0120年以降
- ディビニダド
- フェザー・ファンネルを装備。
アフターウォー
A.G.
- ガンダムAGE-FX
- Cファンネルを装備。
- ガンダムレギルス
- レギルスビットを装備。
関連用語
- オールレンジ攻撃
- 遠隔誘導操作システム等を用いることによって機体に搭載されている武装端末を飛ばして、敵機の死角部分から攻撃を仕掛ける方法。ファンネルもそれに該当する。
- サイコミュ
- 宇宙世紀ガンダムシリーズ作品に登場する技術で、「サイコ・コミュニケーター」の略称。これによって、人間の感応波によるファンネル等の遠隔操作兵器の精密な操作が可能になった。
- フィン・ファンネル
- νガンダムに搭載されているファンネル。装着時の見た目は排熱放射板と勘違いされるようなシンプルな形状となっている。また、他の機体と比較してファンネルが大型な点も特徴的である。
- 「コ」の字に変形して粒子加速器とすることでビームを放つことが出来るが、既存のファンネルと違って独自のジェネレータを内蔵しているためにビームの出力が桁違いのものになっている[2]。
- さらに複数の基板を形成することで「Iフィールド・バリア」を発生させることが可能である。νガンダムのバリアフィールドは強力な電磁波で形成されている。
- なお、後のガンダム作品にもフィン・ファンネルに類似した兵器が登場している。
- ファンネルミサイル
- Ξガンダムとペーネロペー(オデュッセウスガンダム)に搭載しているミサイル型のサイコミュ兵器。
- ミノフスキー粒子下では旧来の誘導ミサイルは無力化されてしまうが、サイコミュで操作する事で運用を可能としている。
- これに類似する武器として『機動戦士クロスボーン・ガンダム』に登場する「ディビニダド」が搭載する「フェザー・ファンネル」がある。
- AFS
- 松浦まさふみ氏の漫画作品『機動戦士ガンダム ムーンクライシス』とその続編『機動戦士ガンダムReon』(共にSRW未参戦)に登場。
- 「アンチ・ファンネル・システム」の略で、ファンネルに代表されるサイコミュ兵器等を無効化する、対オールレンジ攻撃用の防御システムである。
- ファンネルなどに対して非常に有効な防御手段ではあり、上記の登場作品内では「このシステムの登場によりサイコミュ兵器が一気に時代遅れと化した」という描写がされ、後の時代でサイコミュ兵器が殆ど使用されていない件に対して独自の理由付けをしている。
余談
- 「ファンネルが地上で使用できるか否か」と言う論議に関しては、右のリンク先に詳しいまとめがある。ファンネルは地上で使えるのか?(外部リンク)
- ただし、これも一個人の推測にすぎず反論の余地もあり、サイコガンダムMk-IIはミノフスキークラフトの応用でビットを浮かせたという説もある為、結局のところ、公式のアナウンスが無い限り、真相は不明のままである。
- なお、『機動戦士ガンダムUC』に登場した水陸両用MA・シャンブロに装備されたリフレクター・ビットは、回転翼を用いたホバリング能力が持たされており(簡単に言えば「動力の付いた竹とんぼ」)、これによって重力下での運用を可能にしている。
- ただし、これも一個人の推測にすぎず反論の余地もあり、サイコガンダムMk-IIはミノフスキークラフトの応用でビットを浮かせたという説もある為、結局のところ、公式のアナウンスが無い限り、真相は不明のままである。
- 『SDガンダム外伝』シリーズにおいては、雷系の最下級魔法「ファン」を上回る魔法として「ファンネル」が登場しており(某有名RPGシリーズの魔法で喩えれば「サンダラ」といったところ)、SRWにおいても『BX』にて法術士ニューが使用している。
脚注
- ↑ SRW等のコンピュータゲームにおける「ファンネル=最強武装」のイメージは、原作等で散見される「一体のモビルスーツを複数のファンネルでよってたかって蜂の巣にする」という描写に由来しているものと推測される。なお、キュベレイMk-IIのファンネルの出力は1.3MWであり、メタスのアームビームガンの2.0MWよりも低い。しかし、一方でα・アジールのファンネルは20.4MWとΖΖガンダムのダブルビームライフル1射の10.6MW×2に匹敵する。
- ↑ νガンダムに搭載されたファンネルの威力は「最低でも前の時代のジェネレータ内蔵型ビーム砲であるハイパーメガランチャー級」と言われており、出展元によっては「(νガンダムのファンネルは)携帯可能なサイズに縮小される前のV.S.B.Rの雛形では?」とするものすらある。
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