「スーパーロボット大戦UX」の版間の差分

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*発売日:2013年3月14日
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{{ゲーム
*機種:[[ニンテンドー3DS]]
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| 読み = スーパーロボットたいせんユーエックス
*開発:エーアイ
+
| 外国語表記 =
*発売:バンダイナムコゲームス
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| シリーズ = [[携帯機シリーズ]]
*定価:7,140円(税込)
+
| 開発元 = {{開発 (作品)|エーアイ}}
*CERO区分:B
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| 運営元 =
 
+
| 発売元 = バンダイナムコゲームス
*前:[[第2次スーパーロボット大戦OG]](PS3)
+
| 配信元 =
*次:[[スーパーロボット大戦Operation Extend]](PSP)
+
| 対応機種 = [[機種::ニンテンドー3DS]]
 +
| プロデューサー = {{プロデューサー|宇田歩}}<br />{{プロデューサー|渡部隆}}<br />{{プロデューサー|寺田貴信}}<br />{{プロデューサー|じっぱひとからげ}}<br />{{プロデューサー|國政修}}
 +
| ディレクター = 赤羽仁
 +
| シナリオ = {{脚本|岸本みゆき}}(ストーリープロット、チーフシナリオライター)<br />{{脚本|中川直人}}<br />{{脚本|小林徹也}}<br />{{脚本|永井真吾}}<br />{{脚本|MAFTY}}<br />{{脚本|尾上一等}}<br />{{脚本|市原剛}}
 +
| キャラクターデザイン = [[スタッフ:Chiyoko|Chiyoko]]
 +
| メカニックデザイン = [[スタッフ:寺島慎也|寺島慎也]]<br />[[スタッフ:Mがんぢー|Mがんぢー]]<br />[[スタッフ:露木篤史|露木篤史]]
 +
| 音楽 = {{サウンド|Dahna}}<br />{{サウンド|bAsHEE}}<br />{{サウンド|鶴田勇気}}<br />{{サウンド|花田雅樹}}
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| 発売日 = [[発売日::2013年3月14日]]
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| 最新バージョン =
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| 配信開始日 =
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| 配信終了日 =
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| 価格 = 7,140円(税込)
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| CERO区分 = B(12歳以上対象)
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| コンテンツアイコン =
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| 初登場SRW =
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| 初クレジットSRW =
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『'''スーパーロボット大戦UX'''』は「[[スーパーロボット大戦シリーズ]]」のゲーム作品。「携帯機シリーズ」の1つ。
  
 
== 概要 ==
 
== 概要 ==
スーパーロボット大戦シリーズ初のニンテンドー3DS専用タイトル。任天堂携帯機のシミュレーションRPG作品においての戦闘シーンにフルボイス再生が実装された初のスパロボでもある。また、同シリーズでは初となるゲーム機本体(ニンテンドー3DS LL)が同梱される限定版も発売される。
+
スーパーロボット大戦シリーズ初のニンテンドー3DS専用タイトル。移植・リメイクを除けばいわゆる「携帯機シリーズ」では初となる、戦闘シーンのフルボイス採用作品でもある。また、同シリーズでは初となるゲーム機本体(ニンテンドー3DS LL)を同梱した限定版も発売されている。
  
シリーズ初の有料ダウンロードコンテンツ対応タイトルでもある。発売日以降ツメスパロボなどの各追加マップが順次配信される。配信コンテンツはすべてアンロック方式。
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シリーズ初の有料[[ダウンロードコンテンツ]]対応タイトルでもあり、発売日以降ツメスパロボなどの各追加マップが順次配信された。配信コンテンツはすべてアンロック方式。またニンテンドーeショップにてソフト本体のダウンロード版も販売されていたが、2022年10月31日10:00を持って終了となり、同時にダウンロードコンテンツも購入不能となった。
  
 
キャッチコピーは「'''全ての可能性が、ここに集う。'''」
 
キャッチコピーは「'''全ての可能性が、ここに集う。'''」
 
== ストーリー ==
 
  
 
== 主な既存システムと変更点 ==
 
== 主な既存システムと変更点 ==
 
=== 変更点 ===
 
=== 変更点 ===
 
;[[小隊|パートナーバトルシステム]]
 
;[[小隊|パートナーバトルシステム]]
:機体ボーナスやマップ上でのPU(パートナーユニット)再編成など基本仕様は[[L]]のものを踏襲しているが、SU(シングルユニット)時限定の新システムとして、敵PU内機体を纏めて攻撃できる「全体攻撃」と特定条件下で敵ユニット撃墜時にもう一度行動可能になる「連続行動」が追加。代わってアタックコンボが廃止された。
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:機体ボーナスやマップ上でのPU(パートナーユニット)再編成など基本仕様は『[[スーパーロボット大戦L|L]]』のものを踏襲しているが、SU(シングルユニット)時限定の新システムとして、敵PU内機体を纏めて攻撃できる「全体攻撃」と特定条件下で敵ユニット撃墜時にもう一度行動可能になる「連続行動」が追加。代わってアタックコンボが廃止された。
 
 
 
;パートナー能力システム
 
;パートナー能力システム
:Lに引き続き採用されているが機体の改造だけでなくパイロットの撃墜数によってもボーナス効果が上昇するようになった。ボーナス効果は改造段階+撃墜数の組み合わせにより最高4段階まで上昇する。
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:『L』に引き続き採用されているが機体の改造だけでなくパイロットの撃墜数によってもボーナス効果が上昇するようになった。ボーナス効果は改造段階+撃墜数の組み合わせにより最高4段階まで上昇する。また、全ての機体が最終的には4つのボーナス効果を得るようになった。
 
 
 
;[[スキルパーツ]]
 
;[[スキルパーツ]]
:仕様は[[W]]~[[L]]までのものと同じだが、各登場作品由来ネーミングのパーツが追加され、種類も非常に豊富になった。また、ステータス強化もスキルパーツで行う仕様。新たにパーツで習得できるスキルには上述した「全体攻撃」「連続行動」のほか「連続ターゲット補正無効」「気力+攻撃」「補給スキル」などがある。また「修理装置搭載」など、機体に能力を追加するパーツも初めて登場した。なおLに続き[[強化パーツ]]は不採用。
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:仕様は『[[スーパーロボット大戦W|W]]』から『L』までのものと同じだが、各登場作品由来ネーミングのパーツが追加され、種類も非常に豊富になった。また、パラメータ強化もスキルパーツで行う(ちなみに各パラメータ上限は'''999''')。新たにパーツで習得できるスキルには上述した「全体攻撃」「連続行動」のほか「連続ターゲット補正無効」「気力+攻撃」「補給スキル」などがある。また「修理装置搭載」など、機体に能力を追加するパーツも初めて登場した。なお『L』に続き[[強化パーツ]]は不採用。本作ではスキルごとに習得枠が用意されているため'''全スキルを一人に集約させることも可能'''となっている。基本的に有料DLCを使わなければ、上位スキルは1つのデータで1つしか手に入らないようになっている(DLCのほうは'''周回ごとに習得可能''')。なお、周回するごとに使用したスキルパーツは任意に全リセットすることができる。
:新規追加されたスキルパーツのうち上位のものは、近年のスパロボでは難しくなった無双プレイを解禁するかのように強力・凶悪な性能を誇っている物が多数存在する。ステータスアップのパーツも取得数が多い上にステータス上限が'''999'''になっており、技能系はスキルごとに習得枠が用意されているため'''全スキルを一人に集約させることも可能'''となっている。これらのスキルパーツを遠慮なしに投入すると難易度が一気に地に堕ちるので注意(具体的に言うと、精神コマンドを使わないでもダメージが10万に到達する)。周回プレイや撃墜数稼ぎの救済要素だろうか。一応有料DLCを使わなければ、上位スキルは1つのデータで1つしか手に入らないようになっている(DLCのほうは'''周回ごとに習得可能''')。なお、周回するごとに使用したスキルパーツは任意に全リセットすることができる。
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;[[精神コマンド]]の仕様変更
 
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:[[祝福]]などの他対象にかけるタイプのコマンドの使用方法が変更され、従来の対象をカーソルでの直接選択する方式から、「専用ユニットリストに移って選択する」方式に変更されている。ただし後述されているように、この仕様変更に対するプレイヤーの評価は芳しくない。
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:新規登場コマンドには「[[順応]]」「[[正義]]」「[[理想]]」がある。正義は初代『[[スーパーロボット大戦]]』以来の登場であるが、その効果はまったく異なるものとなっている。
 
;その他変更点
 
;その他変更点
*隠し要素習得の多くが周回引き継ぎ式になった。そのため、ルート分岐次第で死亡確定だったキャラがルートを問わず生存可能になり、最終的には全員そろえることも可能。反面各キャラのフラグは多くなっているが、フラグは一度立ててしまえば周回してもフラグは立ったままとなる。例外は「あるルートを選ぶ」のみが条件となっている場合で、この場合はそのルートを選ばないと発生しない。
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:*隠し要素習得の多くが周回引き継ぎ式になった。そのため、ルート分岐次第で死亡確定だったキャラがルートを問わず生存可能になり、最終的には全員そろえることも可能。反面各キャラのフラグは多くなっているが、フラグは一度立ててしまえば周回してもフラグは立ったままとなる。例外は「あるルートを選ぶ」のみが条件となっている場合で、この場合はそのルートを選ばないと発生しない。
*Lではオミットされていた周回プレイ時の15段階改造及び精神コマンドエディットを再び採用。15段階改造は4周目より解禁。
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:*ただし、キャラを死亡させる(フラグを立てずにいる)ことで発生するイベント(特に[[DVE]])も消えてしまうため、全てのイベントを見たいのであれば、計画的にフラグを管理する必要がある(詳細は後述)。
*戦闘のフルボイス化に伴い主人公機の武器名変更が廃止された。機体名に関しては、中盤に変更イベントがある。
+
:*『L』ではオミットされていた周回プレイ時の15段階改造及び精神コマンドエディットを再び採用。15段階改造は4周目より解禁。
 +
:*戦闘のフルボイス化に伴い主人公機の武器名変更が廃止された。機体名に関しては、中盤に変更イベントがある。
  
 
=== 新規システム ===
 
=== 新規システム ===
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;[[特殊行動コマンド]]
 
;[[特殊行動コマンド]]
 
:マップ兵器の亜種で、範囲内のユニットに様々な効果を与える。ユニット個別コマンドで発動。
 
:マップ兵器の亜種で、範囲内のユニットに様々な効果を与える。ユニット個別コマンドで発動。
;新精神コマンド
 
{| class="wikitable"
 
|-
 
| '''[[順応]]''' || 1ターンの間、地形適応を機体・武器共に全てSにする。対象は自PU。
 
|-
 
| '''[[正義]]''' || 1ターンの間、攻撃時の弾薬やENの消費が発生しない。対象は自ユニットのみ。
 
|-
 
| '''[[理想]]''' || 自分および隣接するPUに「[[闘志]]」をかける。
 
|}
 
 
「正義」は初代『[[スーパーロボット大戦]]』以来の登場だが、効果は全く異なるものとなっている。
 
  
 
== 演出面 ==
 
== 演出面 ==
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演出面の新たな試みとして、シナリオデモの要所要所でホワイトバックに台詞などのテキストが大きく表示される演出を採用している。
 
演出面の新たな試みとして、シナリオデモの要所要所でホワイトバックに台詞などのテキストが大きく表示される演出を採用している。
  
またキャラクターの顔グラフィックも数種類準備されており、据え置き同様に会話中にコロコロ顔グラが変化する(但し戦闘アニメ中は一部を除いて固定)。また、「鉄のラインバレル(原作漫画版)」の一部キャラクターは、歴代でも初の「台詞の最中に顔グラフィックが変わる」という演出がある。
+
またキャラクターの顔グラフィックも数種類準備されており、据え置き同様に会話中にコロコロ顔グラが変化する(但し戦闘アニメ中は一部を除いて固定)。また、『鉄のラインバレル(原作漫画版)』の一部キャラクターは、歴代でも初の「台詞の最中に顔グラフィックが変わる」という演出がある。
  
本作では[[生身ユニット]]が撃破された際、L以前の作品のように爆発する、発光画面で消えるといった演出ではなく、力尽きてその場で膝をつくという独自の演出に変更されている。
+
本作では[[生身ユニット]]が撃破された際、『L』以前の作品のように爆発する、発光画面で消えるといった演出ではなく、力尽きてその場で膝をつくという独自の演出に変更されている。また、今作では『L』での反省を生かしてか、システムメニューでシナリオ中に撤退したりイベントで復帰・撃墜する敵ユニットが戦闘デモでHPが0になった際に爆発するか否かを選択できるようになった。
 +
<!-- == 難易度 == -->
  
また、今作ではLでの反省を生かしてか、システム画面でシナリオ中に撤退したりイベントで復帰・撃墜する敵ユニットが戦闘デモでHPが0になった際に爆発するか否かを選択できるようになった。
+
== 評価 ==
 +
=== シナリオ面 ===
 +
シナリオは『[[スーパーロボット大戦L]]』から岸本みゆき、中川直人、小林徹也の各氏が続投し、岸本氏がチーフを務めた。システム面においても『L』をほぼ踏襲しているため、全体的には『L』の進化系のような印象が強い。シナリオは全52話中第22話までが1部、第23話~第40話が2部、第41話以降が3部の全3部構成となっているが、あくまで一区切り程度の分け方であり、『[[スーパーロボット大戦IMPACT]]』のように第1部と第2部で部隊が一新等ということはなく、どちらかと言えば『[[スーパーロボット大戦W]]』の2部構成に近い分け方である。
  
== 難易度 ==
+
『L』にて好評だったシナリオ面の積極的なクロスオーバーはさらに密度と濃度を増している。原作再現がほとんどない作品であっても別の作品の設定に絡む事でシナリオ上で強い印象が与えられるような構成が徹底されており、参戦作品数がさほど多くない事もあって本当の意味での[[いるだけ参戦]]は存在しない。逆にただ原作のイベントを再現するだけというステージは少なく、クロスオーバーによるなんらかの改変がほぼ入っているが、それでも原作の持ち味を保ちつつクロスする作品を加えることでシナリオにより深みを持たせている。また、本作の都合上やむを得ない『HEROMAN』を除いて、ほとんどの作品が基本設定レベルで他の作品に絡んでいるという力の入れようで(通称「[[デスティニーガンダム|マークデスティニー]]」がいい例)、[[零影|原作でも謎だった部分]]を本作のオリジナル設定で埋めたりもしている。このように、プレイヤーの想像を絶するほど丁寧にクロスオーバーを張り巡らせたシナリオは非常に高い評価を得た。キャラクターの生存フラグを立てるとシナリオの内容が大きく変わるものも存在するため、従来作以上に周回プレイを前提とした作りとなっている(そのため、後述のように隠し要素解禁の達成条件は非常に面倒な仕様となった)。
  
== 評価 ==
+
なお、本作は'''一部が語られるだけで回収されない伏線'''が非常に多い。『[[スーパーロボット大戦K|K]]』や『[[スーパーロボット大戦J|J]]』のように単なる説明不足かと思いきや、版権作品の本作での裏設定も同様なので意図的なものであることを匂わせている(これらは大概人智を超えた話なので、むしろ謎が全て解ける方がリアルに考えると不自然だが)。また、『機動戦士ガンダムSEED』、『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』、『機動戦士ガンダム00』、『獣装機攻ダンクーガノヴァ』のストーリーが終了済みの世界観となっているが、この4作品(或いは、『蒼穹のファフナー』の前日譚である『蒼穹のファフナー RIGHT OF LEFT』を含めた5作品)がどのような形で関わり合って完結したのかは殆ど明かされていない(どころか、『SEED DESTINY』は原作をなぞっていないのではと思わせる台詞まである)。その上、EDでは本作に参戦していない『機神飛翔デモンベイン』の事件が発生する事が語られており、『UX』世界ではこの後も新たな戦いが起きる事が示唆されている。
シナリオは『[[スーパーロボット大戦L]]』のライターである岸本みゆきが続投し、システム面においてもLをほぼ踏襲しているため、全体的にはLの進化系のような印象が強い。
 
  
Lにて好評だったシナリオ面の積極的なクロスオーバーはさらに密度と濃度を増している。原作再現がほぼない作品であっても別の作品の設定に絡む事でシナリオ上で強い印象が与えられるような構成が徹底されており、参戦作品数がさほど多くない事もあって本当の意味での[[いるだけ参戦]]は存在しない。逆にただ原作のイベントを再現するだけというステージは少なく、クロスオーバーによるなんらかの改変がほぼ入っているが、それでも原作の持ち味を保ちつつクロスする作品を加えることでシナリオにより深みを持たせている。また、本作の都合上仕方ないHEROMANを除いて、ほとんどの作品が基本設定レベルで他の作品に絡んでいるという重度のクロスオーバーが展開される(通称「[[デスティニーガンダム|マークデスティニー]]」がいい例)。プレイヤーの想像を絶するほど丁寧に出来たシナリオが非常に高い評価を得、ライターを務めた岸本氏の続投を期待する声も高い。キャラクターの生存フラグを立てるとシナリオの内容が大きく変わるものも存在するため、従来作以上に周回プレイを前提とした作りとなっている(そのためか、後述のように隠し要素解禁の達成条件はかなり面倒な仕様となった)。
+
このため、初見では原作を余すところなく見たユーザーであっても先の展開を読むことがほぼ不可能であり、『ラインバレル』が参戦していることにかけて、'''加藤機関の要求するそれよりも遙かに上の想像力が必要な作品'''と言われる。
  
なお、本作は'''ちらりと語られるだけで回収されない伏線が満載している'''。KやJのように単なる説明不足かと思いきや、版権作品の本作での裏設定も同様なので意図を感じさせる(これらは大概人智を超えた話なので、むしろ謎が全て解ける方がリアルに考えると不自然だが)。おそらく一人で考えては出てこないような考察が当Wikiにも色々あるので、感じたことがあれば議論してみるのもいいかも知れない('''あくまで根拠は必要''')。<br/>また、『機動戦士ガンダムSEED』、『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』、『機動戦士ガンダム00』、『獣装機攻ダンクーガノヴァ』のストーリーが終了済みの世界観となっているが、この4作品がどのような形で関わり合って完結したのかは殆ど明かされていない。<br/>その上、EDでは本作未参戦の『機神飛翔デモンベイン』の事件が発生する事が語られており、UX世界ではこの後も新たな戦いが起きる事が示唆されている。<br/>そのため、'''前日談と後日談をやりたいスパロボ'''と言われる事もある。
+
しかしこのことは同時に批判点にも繋がっている。本作は「プレイヤーが原作のキャラクターや世界観に良く親しんでいるうえで、ifの展開を想像させる」ことをすべての前提としており、原作未見者でもシナリオを楽しめるようにする工夫が従来作品よりも弱い。特に今回の主人公が、版権キャラ勢と密接な友好関係を結ぶ[[Zシリーズ]]や『W』・『L』に比べて、そういった絡みが薄く一歩引いた立ち位置となっていることが問題点の一つとしてよく指摘されている。このことは物足りなさを感じるだけでなく、オリジナル主人公の視点で原作未見者が参戦キャラを理解していくという要素を弱くしてしまった主要因とされている。[[キャラクター事典]]・[[ロボット大図鑑]]がないこともあいまって、本作は「原作未見者に厳しい作品」というイメージがもたれがちなところはある。またライバルキャラである[[ジン・スペンサー]]の扱いについては明らかな迷走を見せており、しばしば槍玉に挙げられるポイントとなっている。
  
このため、初見では原作を見たユーザーであっても先の展開を読むことがほぼ不可能であり、「ラインバレル」が参戦していることにかけて'''加藤機関の要求するそれよりも遙かに上の想像力が必要な作品'''と言われる。
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=== システム面 ===
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シナリオが好評であった一方、操作面や一部インターフェイス面の不備などシステム周りの不便さが指摘されており、特に[[精神コマンド]]の対象選択の仕様変更については多くのプレイヤーが煩わしさを訴えている(一応味方対象のものに関しては、使用者側でなく対象側の支援精神リストから使用するようにすればある程度手間を省ける)。
  
シナリオが好評であった一方、声付きでありながらロボット図鑑・キャラクター辞典が未実装であったり、一部インターフェイス面の不備などシステム周りの不便さが指摘されており、特に[[精神コマンド]]の対象選択の仕様変更(従来の対象をカーソルで直接選択から、専用ユニットリストに移って選択)については多くのプレイヤーが煩わしさを訴えている(一応味方対象のものに関しては、使用者側でなく対象側の支援精神リストから使用するようにすればある程度手間を省ける)。
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本作の隠し条件解禁における撃墜数フラグは、「通常の撃墜数カウントとフラグ判定用のカウントが別に用意され、フラグ用カウントは周回の度にリセットされる」という従来作と異なる方式となっており、上限は相変わらず999なのに周回により初期撃墜数が大幅に増える仕様(パーティ内の最大撃墜数などに比例する模様)もあって周回を重ねるほど撃墜数フラグの管理が面倒となっている。なお、内部撃墜数とは「プレイヤーが操作して戦闘マップで実際に撃墜した数」であり、加入時の初期撃墜数はもちろんのこと'''分岐で自動的に増えた撃墜数もカウントされない'''。逆に、全滅すると表示上の撃墜数はリセットされるが内部撃墜数はリセットされない(助かるのだが、ステータス画面での把握がより困難になる)。結果、'''隠し要素の取得にはほぼ間違いなくメモが必須'''という状態に。ルート選択などの兼ね合いもありすべての隠し要素解禁には最低3周をこなす必要があるため、この撃墜数仕様は本作の不満点としてよく挙げられる部分となっている。ただしこの仕様のため、『L』の[[ミハエル・ブラン]]のように撃墜数のカンストにより入手できなくなるということはない。
  
また本作の隠し条件解禁における撃墜数フラグは「通常の撃墜数カウントとフラグ判定用のカウントが別に用意され、フラグ用カウントは周回の度にリセットされる」という従来作と異なる方式となっており、上限は相変わらず999なのに周回により初期撃墜数が異常に増える仕様もあって周回を重ねるほど撃墜数フラグの管理が面倒となっている(パーティ内の最大撃墜数などに比例する模様)。なお、内部撃墜数とは「プレイヤーが操作して戦闘マップで実際に撃墜した数」であり、加入時の初期撃墜数はもちろんのこと'''分岐で勝手に増えた撃墜数もカウントしない'''。逆に、全滅すると表示上の撃墜数はリセットされるが内部撃墜数はリセットされない(助かるのだが、ステータス画面での把握がより困難になる)。結果、'''隠し要素の取得にはほぼ間違いなくメモが必須'''。ルート選択などの兼ね合いもありすべての隠し要素解禁には最低3周をこなす必要があるため、この撃墜数仕様は本作の不満点としてよく挙げられる部分となっている。Lの時にあったミシェルバグに対応してのことかもしれないが、せめて内部撃墜数を見れるようにして欲しかった。<br/>なお、せめてもの救い、というわけではないがニンテンドー3DSには「ゲームメモ」という、ゲームをプレイ中でも中断することなく起動・終了が可能なタッチペンを用いた手書きのメモ機能が備わっているため、この機能を使えばわざわざメモ用紙や筆記用具を用意する手間も省け、内部撃墜数の記録も少しは楽になるかもしれない。
+
本作で初めて実現したダウンロードコンテンツであるが、ツメスパはともかくキャンペーンマップは「面倒くさい」との評価も多い。これはキャンペーンマップがツメスパと同じ'''途中セーブ不可'''な仕様であるため、本体スリープ機能以外の中断方法がなく、特殊な勝利条件を満たす際に保険としてのセーブも出来ない事に起因する(よって操作ミス等が原因でゲームオーバーになると最初からやり直し)。操作ミスだけならともかく、ツメスパロボと違い確率判定があるため'''運次第で詰む'''可能性がある。登場ユニットの種類や性能は固定であるため、改造をしてごり押しなどもできない。結果として10ターン以上かかるようなマップではかなりきつく、ストーリー性もほとんど無いため再プレイするモチベーションを保ちづらい。ただし「味方同士の戦い」など特殊なシチュエーションもあり、キャンペーンマップでしか聞けない特殊戦闘台詞もある。余談だが、公式サイトでは「ダウンロードコンテンツで手に入るスキルパーツによって得られる特殊スキルは、本編中でも条件を揃えれば習得することが可能です」と記載されている。間違った事は書いていないのだが、「経験値+Lv1」「撃墜数+5」のスキルパーツはキャンペーンマップをクリアしなければ入手できない。これらは「特殊スキル」として習得するのでは無く、使用するとシステム上の計算式が変化する。
  
本作で初めて実現したダウンロードコンテンツだが、ツメスパはともかく、キャンペーンマップは「面倒くさい」との評価も多い。これはキャンペーンマップは'''途中セーブ不可'''であるため、本体のスリープを除いて中断する方法がなく、特殊な勝利条件を満たす際に保険としてのセーブも出来ないのである(よって操作ミス等が原因でゲームオーバーになると最初からやり直し)。操作ミスだけならともかく、ツメスパロボと違って確率判定があるため'''運が悪くても詰む'''可能性がある。この難点を把握してのことか、キャンペーンマップは貴重なスキルパーツは報酬になっておらず、メインは資金である。スキルパーツ報酬もあるが、資金集めなら撃墜数稼ぎついでに全滅プレイをしたほうがいいだろう(尤も、後半配信のキャンペーンマップは貴重なスキルパーツが報酬の入っていたのだが…)。
+
戦闘アニメーションに関しては立体視機能を利用した擬似3D演出こそ評価されているが、一部アニメやカットインでドットジャギーが目立つ、以前の携帯機シリーズに出演したユニットと比べアニメーションパターンが少ない等、粗も目立つ結果となった。ただこれには過去作からの使い回しが可能だった『L』以前と異なり、解像度の違いから全てのユニットのドットを新規に作る必要があったという事情もあり、開発サイドの苦労が偲ばれる。
  
 
== 注意 ==
 
== 注意 ==
前述の通り、本作は一度加入フラグを立てるとほぼ全て以降の周回に引き継がれる。これ自体はいいことなのだが、隠しキャラの有無で様々なイベントが変化する作りであるため、逆に'''加入フラグが立つと二度と見られなくなる会話が多数存在する'''。そのため、本作をより楽しむ場合は'''1周目は全員見殺しにしたほうがいい'''とされる(特に『ラインバレル』関係においては「死亡時限定な上に本作が初の音声化であるDVE」も存在する)。幸いと言うべきか、条件が総じて複雑な傾向にあるため、事前情報なしでプレイした場合は自然とそうなりやすい。特に、上記の撃墜数は多くの隠し要素の条件である上に全滅プレイや贔屓をしなければまず達成不可能な値に設定されているため、万遍なく撃墜させていけば条件を把握していなくてもうっかりフラグを立ててしまうことは少ない。なお、上位の隠しパーツは特定のキャラの加入に成功した場合に入手できる(初回のみ)。
+
前述の通り、本作は一度加入フラグを立てるとほぼ全て以降の周回に引き継がれるが、隠しキャラの有無で様々なイベントが変化する作りであるため、逆に'''加入フラグが立つと非加入時の専用テキストが二度と見られなくなる'''という弊害が発生している。そのため、本作をより楽しむ場合は'''1周目は全員見殺しにしたほうがいい'''とされる(特に『ラインバレル』関係においては「死亡時限定な上に本作が初の音声化であるDVE」も存在する)。条件は総じて複雑な傾向にあるため、事前情報なしでプレイした場合は自然とそうなりやすい。特に、上記の撃墜数は多くの隠し要素の条件である上に全滅プレイや贔屓をしなければまず達成不可能な値に設定されているため、万遍なく撃墜させていけば条件を把握していなくてもうっかりフラグを立ててしまうことは少ない。なお、上位の隠しパーツは初回限定で特定のキャラの加入に成功した場合に入手できる。
 +
 
 +
フラグの引継ぎに関しては賛否両論がけっこう多い。加入しないイベントを見たければ専用のデータを作っておくことをお勧めする
  
 
== 参戦作品 ==
 
== 参戦作品 ==
★は新規参戦。☆は声付きでの初参戦作品。○は任天堂携帯機初参戦作品。◎は機体のみの参戦。
+
★は新規参戦。
  
 
*[[聖戦士ダンバイン]]
 
*[[聖戦士ダンバイン]]
 
*★[[リーンの翼 (OVA)|リーンの翼]]
 
*★[[リーンの翼 (OVA)|リーンの翼]]
*[[蒼穹のファフナー]]
+
*[[蒼穹のファフナー]]
 
*★[[蒼穹のファフナー HEAVEN AND EARTH]]
 
*★[[蒼穹のファフナー HEAVEN AND EARTH]]
*★◎[[電脳戦機バーチャロンシリーズ]]([[フェイ・イェンHD]]
+
*[[フェイ・イェンHD|「電脳戦機バーチャロン」シリーズ フェイ・イェンHD]]
 
*[[機動戦士ガンダムSEED DESTINY]]
 
*[[機動戦士ガンダムSEED DESTINY]]
 
*★[[劇場版 機動戦士ガンダム00 -A wakening of the Trailblazer-]]
 
*★[[劇場版 機動戦士ガンダム00 -A wakening of the Trailblazer-]]
 
*★[[SDガンダム三国伝 BraveBattleWarriors]]
 
*★[[SDガンダム三国伝 BraveBattleWarriors]]
*[[忍者戦士飛影]]
+
*[[忍者戦士飛影]]
 
*★[[HEROMAN]]
 
*★[[HEROMAN]]
 
*[[獣装機攻ダンクーガノヴァ]]
 
*[[獣装機攻ダンクーガノヴァ]]
 
*★[[機神咆吼デモンベイン]]
 
*★[[機神咆吼デモンベイン]]
*[[鉄のラインバレル|鉄のラインバレル(原作漫画版)]]
+
*[[鉄のラインバレル (原作漫画版)]]
*[[劇場版 マクロスF 虚空歌姫〜イツワリノウタヒメ〜]]
+
*[[劇場版 マクロスF 虚空歌姫〜イツワリノウタヒメ〜]]
*[[劇場版 マクロスF 恋離飛翼〜サヨナラノツバサ〜]]
+
*[[劇場版 マクロスF 恋離飛翼〜サヨナラノツバサ〜]]
 
*★[[マジンカイザーSKL (OVA)|マジンカイザーSKL]]
 
*★[[マジンカイザーSKL (OVA)|マジンカイザーSKL]]
  
 
[[SDガンダムシリーズ]]やアダルトゲーム原作のアニメ作品といった、参戦が難しいと言われていた枠組からの参戦が果たされた。新規参戦数も全体の半数と、『[[NEO]]』ほどではないがかなり多い。
 
[[SDガンダムシリーズ]]やアダルトゲーム原作のアニメ作品といった、参戦が難しいと言われていた枠組からの参戦が果たされた。新規参戦数も全体の半数と、『[[NEO]]』ほどではないがかなり多い。
  
[[フェイ・イェンHD]]はスパロボ初となるキャラクター単位での参戦。同機体のキャラ設定やシナリオ監修はSEGAの亙重郎氏が担当。
+
フェイ・イェンHDはスパロボ初となるキャラクター単位での参戦。同機体のキャラ設定やシナリオ監修はSEGAの亙重郎氏が担当。
 
 
『劇場版マクロスF』は初参戦の『[[第2次Z]]』では機体のみの参戦だったため、本作が事実上の初参戦とも言える。一方で、『TV版[[マクロスF]]』は未参戦となっている。
 
  
『ラインバレル』はアニメ版が参戦した『[[L]]』とは異なり、原作漫画版名義の参戦となる。『[[機動戦士クロスボーン・ガンダム]]』のように漫画のみしかない作品が参戦したケースはあったが、「映像作品化されている作品が楽曲のBGMや声優のみを借りて原作メディア名義で参戦する」のはシリーズ初(スパロボシリーズでは『[[真ゲッターロボ (原作漫画版)]]』という名義の参戦は多いが、実際は『真ゲッターロボ』は漫画のみしかない作品。真ゲッターが出てくる各種OVAの原作というわけではない。また、『[[K]]』や『[[NEO]]』の『[[マジンガーZ (TV)|マジンガーZ]]』は放送時期が漫画連載時期となっていたため、原作漫画版の参戦かと疑われた事がある)。
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『劇場版マクロスF』は初参戦の『[[第2次Z]]』では機体のみの参戦だったため、本作が事実上の初参戦とも言える。
  
[[OGシリーズ]]以外では皆勤賞だった[[マジンガーZ]][[兜甲児]]が今作で初めて欠席となった。ゲッターロボシリーズおよび声優の石丸博也氏と飛田展男氏も声付き版権作品としてはこれまで連続参加であったが今回で初欠席であるため、皆勤賞声優は矢尾一樹氏のみとなった。
+
『ラインバレル』は[[鉄のラインバレル|アニメ版]]が参戦した『[[L]]』とは異なり、原作漫画版名義の参戦となる。『[[機動戦士クロスボーン・ガンダム]]』のように漫画のみの作品が参戦したケースはあったが、映像化されている作品が楽曲のBGMや声優のみを借りて原作メディア名義で参戦するのはシリーズ初<ref>スパロボシリーズでは『[[真ゲッターロボ (原作漫画版)]]』という名義の参戦は多いが、実際は『真ゲッターロボ』は漫画のみの作品。真ゲッターが出てくる各種OVAの原作というわけではない。</ref>。
  
参戦作品は80年代の『ダンバイン』と『飛影』以外全て2000年以降の作品で、70年代の作品が参戦していないのは版権スパロボシリーズ史上今作が初めてとなる。また、90年代の作品が参戦していないのは『K』以来である([[電脳戦機バーチャロンシリーズ]]は90年代に含まれる作品群だが、[[フェイ・イェンHD]]の初出が2010年なので該当するとは言い難い)。
+
参戦作品は1980年代の『ダンバイン』と『飛影』以外全て2000年以降の作品で、1970年代の作品が参戦していないのは版権スパロボシリーズ史上今作が初めてとなる。また、1990年代の作品が参戦していないのは『K』以来である([[電脳戦機バーチャロンシリーズ]]は1990年代に含まれる作品群だが、フェイ・イェンHDの初出は2010年)。
  
なお、UX参戦作品で(連載中の『原作版ラインバレル』を除き)最も遅く完結した作品は『マジンカイザーSKL』(開始時期については1巻発売後に『劇場版 マクロスF 恋離飛翼〜サヨナラノツバサ〜』が公開されている)となっており、[[マジンガーシリーズ]]が最新の参戦作品という異例の事態が発生した(すなわち、現状のスパロボにおいての最新の参戦作品も『マジンカイザーSKL』となる)。
+
なお、『UX』参戦作品で(連載中の『原作版ラインバレル』を除き)最も遅く完結した作品は『マジンカイザーSKL』(開始時期については1巻発売後に『劇場版 マクロスF 恋離飛翼〜サヨナラノツバサ〜』が公開されている)となっており、『[[第3次Z時獄篇]]』で『[[機動戦士ガンダムUC]]』が参戦するまでの間、[[マジンガーシリーズ]]が最新の参戦作品という異例の事態が発生した。また、マジンガーシリーズが『SKL』のみの参戦となった都合、本作は[[兜甲児]]と[[マジンガーZ]]が欠席した唯一の版権スパロボでもある。
  
 
== 世界観 ==
 
== 世界観 ==
『[[劇場版 機動戦士ガンダム00 -A wakening of the Trailblazer-]]』が参戦している関係から、「ついこの前まで人類間の国家戦争があったが、今は平和がなんとか保たれている」というのが基本的な世界観。この関係から『[[機動戦士ガンダムSEED DESTINY]]』は作品終了後参戦となっている。ただし、本編ストーリーにおいて『[[スーパーロボット大戦NEO]]』のように人類間の戦いが描かれないというわけではない。
+
『[[劇場版 機動戦士ガンダム00 -A wakening of the Trailblazer-]]』が参戦している関係から、「ついこの前まで人類間の国家戦争があったが、今は平和がなんとか保たれている」というのが基本的な世界観。この関係から『[[機動戦士ガンダムSEED DESTINY]]』は作品終了後参戦となっている。ただし、人類間の戦いが描かれないというわけではない。
  
→主な詳細は[[世界観/UX]]へ。
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詳細は[[世界観/UX]]を参照。
  
== オリジナルのメカ&キャラクター ==
+
== バンプレストオリジナル ==
→主な詳細は[[オリジナル要素/UX]]へ。
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=== 登場人物 ===
 +
オリジナルキャラクターデザインは『L』に引き続きChiyoko氏が担当。
  
=== オリジナルキャラクター ===
 
オリジナルキャラクターデザインは『L』に引き続きchiyoko氏が担当。
 
 
==== 主人公とその周辺人物 ====
 
==== 主人公とその周辺人物 ====
 
;[[アニエス・ベルジュ]]
 
;[[アニエス・ベルジュ]]
:本作の[[主人公]]で愛称はアーニー。地球連邦軍北米方面軍・機動審査大隊所属の少尉。CVは鈴木千尋氏。
+
:本作の[[主人公]]で愛称はアーニー。地球連邦軍北米方面軍・機動審査大隊所属の少尉。
 
;[[リチャード・クルーガー]]
 
;[[リチャード・クルーガー]]
:非合法傭兵組織「アンノウン・エクストライカーズ」の指揮官。CVは小杉十郎太氏。
+
:非合法傭兵組織「アンノウン・エクストライカーズ」の指揮官。
 
;[[サヤ・クルーガー]]
 
;[[サヤ・クルーガー]]
:本作のヒロイン。リチャードの娘でアンノウン・エクストライカーズに所属する傭兵。CVは小林愛氏。
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:本作のヒロイン。リチャードの娘でアンノウン・エクストライカーズに所属する傭兵。
  
 
==== ライバル ====
 
==== ライバル ====
 
;[[ジン・スペンサー]]
 
;[[ジン・スペンサー]]
:アーニーの親友。アーニーと同じ施設の出で士官学校の同期生。上昇志向の強い性格。CVは松風雅也氏。
+
:アーニーの親友。アーニーと同じ施設の出で士官学校の同期生。上昇志向の強い性格。
  
 
==== その他 ====
 
==== その他 ====
 
;[[ノーヴル・ディラン]]
 
;[[ノーヴル・ディラン]]
:
+
:地球連邦軍の技術者であり、ライオットシリーズの開発者。
 
;[[アユル・ディラン]]
 
;[[アユル・ディラン]]
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:ノーヴルの娘。
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;[[兵士 (スパロボUX)]]
 
:
 
:
  
==== ??? ====
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=== 登場メカ ===
;[[カリ・ユガ]]
 
:
 
 
 
=== オリジナルメカ ===
 
 
==== レプトン・ベクトラー装備機 ====
 
==== レプトン・ベクトラー装備機 ====
 
;[[オルフェス]]
 
;[[オルフェス]]
:アンノウン・エクストライカーズのフラグシップにもなっている、リチャードが乗る出自不明の機動兵器。「レプトン・ベクトラー」と呼ばれる、ライオットの陽子ジェネレーターと同系統の動力機関を搭載。メカニックデザインは寺島慎也氏。
+
:アンノウン・エクストライカーズのフラグシップにもなっている、リチャードが乗る出自不明の機動兵器。「レプトン・ベクトラー」と呼ばれる動力機関を搭載。
 
;[[ライラス]]
 
;[[ライラス]]
:サヤが乗る支援戦闘機で、オルフェスとの連携運用を念頭に置いて開発されたワンオフモデル。オルフェス同様レプトン・ベクトラーを搭載しており単独でも高い戦闘力を有する。メカニックデザインは寺島慎也氏。
+
:サヤが乗る支援戦闘機で、オルフェスとの連携運用を念頭に置いて開発されたワンオフモデル。オルフェス同様レプトン・ベクトラーを搭載しており単独でも高い戦闘力を有する。
 
;[[オデュッセア]]
 
;[[オデュッセア]]
:
+
:オルフェスとライラスが[[合体]]した形態。
  
 
==== 陽子ジェネレーター装備機 ====
 
==== 陽子ジェネレーター装備機 ====
 
;[[ライオットB]]
 
;[[ライオットB]]
:本作の主人公機。地球軍の次期主力兵器「ライオット」に近接戦用オプションを装備した形態で、Bは「バトラー」の意。「陽子ジェネレーター」と呼ばれる新型動力機関を搭載。メカニックデザインは露木篤史氏。
+
:地球軍の次期主力兵器「ライオット」に近接戦用オプションを装備した形態で、Bは「バトラー」の意。「陽子ジェネレーター」と呼ばれる新型動力機関を搭載。
 
;[[ライオットA]]
 
;[[ライオットA]]
:
+
:「ライオット」に砲撃戦用オプションを装備した形態で、Aは「アーチャー」の意。
 
;[[ライオットC]]
 
;[[ライオットC]]
:
+
:ライオットの制式採用量産機。Cは「コンポジット」の意。
  
 
==== その他 ====
 
==== その他 ====
 
;[[ヴィジャーヤ]]
 
;[[ヴィジャーヤ]]
:
+
:ノーヴルが新たに開発した「ニュートリノ・ジェネレータ」を搭載した機体。
 
;[[ドラウパ]]
 
;[[ドラウパ]]
:
+
:「ニュートリノ・ジェネレータ」を搭載した全翼機。
 
;[[アヴァターラ]]
 
;[[アヴァターラ]]
:
+
:ノーヴルが開発し、彼女自身が操縦する機体。
 
;[[ライオットX]]
 
;[[ライオットX]]
:
+
:ライオットシリーズの一種と思われるが詳細不明。
  
 
==== ??? ====
 
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== 用語 ==
 
== 用語 ==
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;[[アルティメット・クロス|アンノウン・エクストライカーズ→アルティメット・クロス]]
 +
:本作の[[プレイヤー部隊]]。
 +
;[[オデュサイト]]
 +
:人の意志の力を増幅する鉱石。
 +
;[[第2次連合・プラント大戦]]
 +
:『[[機動戦士ガンダムSEED DESTINY]]』本編の戦いのこと。
 +
:本作では単なる過去の出来事の一つであり特筆するほどではないが、'''この呼称は「それまで原作サイドで使われたことがない『UX』独自のもの」だった疑惑'''があるため、便宜上ここに記載。
  
 
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== 話題 ==
 
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*発売以前、ライターを務めた岸本氏がツイッターで「想像しろ」という呟きを残し、UXのライターを務めることを示唆していた。想像しろ、はUXのある意味の合言葉みたいなものだが、想像を遥かに超えた展開を、想像しろというには無理がありすぎた。
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*発売以前、チーフライターを務めた岸本氏がツイッターで「[https://twitter.com/miyukivirgo/status/280558861818159104 想像しろ]」という呟きを残し、『UX』のライターを務めることを示唆していた。想像しろ、はUXのある意味の合言葉みたいなものだが、想像を遥かに超えた展開を、想像しろというには無理がありすぎた。
 
**キャッチコピーである「全ての可能性が、ここに集う。」に関しても、蓋を開けてみれば「'''可能性集い過ぎ'''」であった。
 
**キャッチコピーである「全ての可能性が、ここに集う。」に関しても、蓋を開けてみれば「'''可能性集い過ぎ'''」であった。
 
*意思を持ったキャラクターであるSDガンダムの参戦により、『[[スーパーロボット大戦COMPACT2]]』以来久々に「瞳」の入ったガンダム系ユニットがスパロボに登場することとなった。
 
*意思を持ったキャラクターであるSDガンダムの参戦により、『[[スーパーロボット大戦COMPACT2]]』以来久々に「瞳」の入ったガンダム系ユニットがスパロボに登場することとなった。
*[[機神咆吼デモンベイン]]の原作ゲーム版を製作したニトロプラスは、2013年のエイプリルフールネタとして『混沌大殲』を発表した。キャッチコピーは「すべての千の貌が、ここに集う。」で、サイトの構成を含めて本作のパロディとなっている。そんなにデモンベインのスパロボ参戦が嬉しかったのだろうか。
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*[[機神咆吼デモンベイン]]』の原作ゲーム版を製作したニトロプラスは、2013年のエイプリルフールネタとして『渾沌大殲』を発表した。キャッチコピーは「すべての千の貌が、ここに集う。」で、サイトの構成を含めて本作のパロディとなっている。そんなにデモンベインのスパロボ参戦が嬉しかったのだろうか。
:「千の貌」とはクゥトルー神話に登場する邪神ナイアルラトホテップの異名。『混沌大殲』では様々な版権作品に登場するナイアルラトホテップがイラスト付きで登場しており、本当にスパロボ並の熱意で許可を貰ってきたらしいことが窺える。
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**「千の貌」とは[[クトゥルフ神話|クトゥルー神話]]に登場する邪神ナイアルラトホテップの異名。『渾沌大殲』では様々な版権作品に登場するナイアルラトホテップがイラスト付きで登場しており、本当にスパロボ並の熱意で許可を貰ってきたらしいことが窺える。
 
*『週刊ファミ通』とのDLCタイアップがされた関係か、本作の公式攻略本リリースはエンターブレイン社からのみとなった。任天堂携帯機シリーズにおいて攻略本のリリース出版社が一社のみとなったのはこれが初めてである。
 
*『週刊ファミ通』とのDLCタイアップがされた関係か、本作の公式攻略本リリースはエンターブレイン社からのみとなった。任天堂携帯機シリーズにおいて攻略本のリリース出版社が一社のみとなったのはこれが初めてである。
 +
* 本作のタイトルである『UX』のUは宇田プロデューサーの頭文字から取ったものである事を寺田貴信氏が明かしている。一方で、なんでXが付いたのかは「多分それだと弱いからXを付けたのでは」と語っている。<ref>[[スパロボOGネットラジオ うますぎWAVE]]第784回より。</ref>
  
== 話題まとめ ==
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== 脚注 ==
 
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<references />
=== blog記事 ===
 
  
 
== 資料リンク ==
 
== 資料リンク ==
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*{{検索|スーパーロボット大戦UX}}
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*{{検索|UX}}
 
*[http://srw-ux.suparobo.jp/ スーパーロボット大戦UX 公式サイト]
 
*[http://srw-ux.suparobo.jp/ スーパーロボット大戦UX 公式サイト]
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[[Category:スーパーロボット大戦UX|*すうはあろほつとたいせんUX]]

2024年7月13日 (土) 15:46時点における最新版

スーパーロボット大戦UX
読み スーパーロボットたいせんユーエックス
シリーズ 携帯機シリーズ
開発元 エーアイ
発売元 バンダイナムコゲームス
対応機種 ニンテンドー3DS
プロデューサー 宇田歩
渡部隆
寺田貴信
じっぱひとからげ
國政修
ディレクター 赤羽仁
シナリオ 岸本みゆき(ストーリープロット、チーフシナリオライター)
中川直人
小林徹也
永井真吾
MAFTY
尾上一等
市原剛
キャラクターデザイン Chiyoko
メカニックデザイン 寺島慎也
Mがんぢー
露木篤史
音楽 Dahna
bAsHEE
鶴田勇気
花田雅樹
発売日 2013年3月14日
価格 7,140円(税込)
CERO区分 B(12歳以上対象)
テンプレートを表示

スーパーロボット大戦UX』は「スーパーロボット大戦シリーズ」のゲーム作品。「携帯機シリーズ」の1つ。

概要[編集 | ソースを編集]

スーパーロボット大戦シリーズ初のニンテンドー3DS専用タイトル。移植・リメイクを除けばいわゆる「携帯機シリーズ」では初となる、戦闘シーンのフルボイス採用作品でもある。また、同シリーズでは初となるゲーム機本体(ニンテンドー3DS LL)を同梱した限定版も発売されている。

シリーズ初の有料ダウンロードコンテンツ対応タイトルでもあり、発売日以降ツメスパロボなどの各追加マップが順次配信された。配信コンテンツはすべてアンロック方式。またニンテンドーeショップにてソフト本体のダウンロード版も販売されていたが、2022年10月31日10:00を持って終了となり、同時にダウンロードコンテンツも購入不能となった。

キャッチコピーは「全ての可能性が、ここに集う。

主な既存システムと変更点[編集 | ソースを編集]

変更点[編集 | ソースを編集]

パートナーバトルシステム
機体ボーナスやマップ上でのPU(パートナーユニット)再編成など基本仕様は『L』のものを踏襲しているが、SU(シングルユニット)時限定の新システムとして、敵PU内機体を纏めて攻撃できる「全体攻撃」と特定条件下で敵ユニット撃墜時にもう一度行動可能になる「連続行動」が追加。代わってアタックコンボが廃止された。
パートナー能力システム
『L』に引き続き採用されているが機体の改造だけでなくパイロットの撃墜数によってもボーナス効果が上昇するようになった。ボーナス効果は改造段階+撃墜数の組み合わせにより最高4段階まで上昇する。また、全ての機体が最終的には4つのボーナス効果を得るようになった。
スキルパーツ
仕様は『W』から『L』までのものと同じだが、各登場作品由来ネーミングのパーツが追加され、種類も非常に豊富になった。また、パラメータ強化もスキルパーツで行う(ちなみに各パラメータ上限は999)。新たにパーツで習得できるスキルには上述した「全体攻撃」「連続行動」のほか「連続ターゲット補正無効」「気力+攻撃」「補給スキル」などがある。また「修理装置搭載」など、機体に能力を追加するパーツも初めて登場した。なお『L』に続き強化パーツは不採用。本作ではスキルごとに習得枠が用意されているため全スキルを一人に集約させることも可能となっている。基本的に有料DLCを使わなければ、上位スキルは1つのデータで1つしか手に入らないようになっている(DLCのほうは周回ごとに習得可能)。なお、周回するごとに使用したスキルパーツは任意に全リセットすることができる。
精神コマンドの仕様変更
祝福などの他対象にかけるタイプのコマンドの使用方法が変更され、従来の対象をカーソルでの直接選択する方式から、「専用ユニットリストに移って選択する」方式に変更されている。ただし後述されているように、この仕様変更に対するプレイヤーの評価は芳しくない。
新規登場コマンドには「順応」「正義」「理想」がある。正義は初代『スーパーロボット大戦』以来の登場であるが、その効果はまったく異なるものとなっている。
その他変更点
  • 隠し要素習得の多くが周回引き継ぎ式になった。そのため、ルート分岐次第で死亡確定だったキャラがルートを問わず生存可能になり、最終的には全員そろえることも可能。反面各キャラのフラグは多くなっているが、フラグは一度立ててしまえば周回してもフラグは立ったままとなる。例外は「あるルートを選ぶ」のみが条件となっている場合で、この場合はそのルートを選ばないと発生しない。
  • ただし、キャラを死亡させる(フラグを立てずにいる)ことで発生するイベント(特にDVE)も消えてしまうため、全てのイベントを見たいのであれば、計画的にフラグを管理する必要がある(詳細は後述)。
  • 『L』ではオミットされていた周回プレイ時の15段階改造及び精神コマンドエディットを再び採用。15段階改造は4周目より解禁。
  • 戦闘のフルボイス化に伴い主人公機の武器名変更が廃止された。機体名に関しては、中盤に変更イベントがある。

新規システム[編集 | ソースを編集]

戦術指揮
本作では一部のキャラクターに「戦術指揮効果」が設定されており、インターミッションで戦術指揮キャラクターを1人選ぶことで出撃ユニットすべてにその効果を与えられる。効果内容はシナリオの進行に伴い追加・強化される。
特殊行動コマンド
マップ兵器の亜種で、範囲内のユニットに様々な効果を与える。ユニット個別コマンドで発動。

演出面[編集 | ソースを編集]

キャラクターボイス導入に伴い、任天堂携帯機作品では初めて中断メッセージが設けられた。

ステージマップや戦闘シーンは3DSの裸眼立体視機能に対応。戦闘アニメーションもそれを意識してか「奥行きを感じさせる構図」が従来よりも多数盛り込まれた。

演出面の新たな試みとして、シナリオデモの要所要所でホワイトバックに台詞などのテキストが大きく表示される演出を採用している。

またキャラクターの顔グラフィックも数種類準備されており、据え置き同様に会話中にコロコロ顔グラが変化する(但し戦闘アニメ中は一部を除いて固定)。また、『鉄のラインバレル(原作漫画版)』の一部キャラクターは、歴代でも初の「台詞の最中に顔グラフィックが変わる」という演出がある。

本作では生身ユニットが撃破された際、『L』以前の作品のように爆発する、発光画面で消えるといった演出ではなく、力尽きてその場で膝をつくという独自の演出に変更されている。また、今作では『L』での反省を生かしてか、システムメニューでシナリオ中に撤退したりイベントで復帰・撃墜する敵ユニットが戦闘デモでHPが0になった際に爆発するか否かを選択できるようになった。

評価[編集 | ソースを編集]

シナリオ面[編集 | ソースを編集]

シナリオは『スーパーロボット大戦L』から岸本みゆき、中川直人、小林徹也の各氏が続投し、岸本氏がチーフを務めた。システム面においても『L』をほぼ踏襲しているため、全体的には『L』の進化系のような印象が強い。シナリオは全52話中第22話までが1部、第23話~第40話が2部、第41話以降が3部の全3部構成となっているが、あくまで一区切り程度の分け方であり、『スーパーロボット大戦IMPACT』のように第1部と第2部で部隊が一新等ということはなく、どちらかと言えば『スーパーロボット大戦W』の2部構成に近い分け方である。

『L』にて好評だったシナリオ面の積極的なクロスオーバーはさらに密度と濃度を増している。原作再現がほとんどない作品であっても別の作品の設定に絡む事でシナリオ上で強い印象が与えられるような構成が徹底されており、参戦作品数がさほど多くない事もあって本当の意味でのいるだけ参戦は存在しない。逆にただ原作のイベントを再現するだけというステージは少なく、クロスオーバーによるなんらかの改変がほぼ入っているが、それでも原作の持ち味を保ちつつクロスする作品を加えることでシナリオにより深みを持たせている。また、本作の都合上やむを得ない『HEROMAN』を除いて、ほとんどの作品が基本設定レベルで他の作品に絡んでいるという力の入れようで(通称「マークデスティニー」がいい例)、原作でも謎だった部分を本作のオリジナル設定で埋めたりもしている。このように、プレイヤーの想像を絶するほど丁寧にクロスオーバーを張り巡らせたシナリオは非常に高い評価を得た。キャラクターの生存フラグを立てるとシナリオの内容が大きく変わるものも存在するため、従来作以上に周回プレイを前提とした作りとなっている(そのため、後述のように隠し要素解禁の達成条件は非常に面倒な仕様となった)。

なお、本作は一部が語られるだけで回収されない伏線が非常に多い。『K』や『J』のように単なる説明不足かと思いきや、版権作品の本作での裏設定も同様なので意図的なものであることを匂わせている(これらは大概人智を超えた話なので、むしろ謎が全て解ける方がリアルに考えると不自然だが)。また、『機動戦士ガンダムSEED』、『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』、『機動戦士ガンダム00』、『獣装機攻ダンクーガノヴァ』のストーリーが終了済みの世界観となっているが、この4作品(或いは、『蒼穹のファフナー』の前日譚である『蒼穹のファフナー RIGHT OF LEFT』を含めた5作品)がどのような形で関わり合って完結したのかは殆ど明かされていない(どころか、『SEED DESTINY』は原作をなぞっていないのではと思わせる台詞まである)。その上、EDでは本作に参戦していない『機神飛翔デモンベイン』の事件が発生する事が語られており、『UX』世界ではこの後も新たな戦いが起きる事が示唆されている。

このため、初見では原作を余すところなく見たユーザーであっても先の展開を読むことがほぼ不可能であり、『ラインバレル』が参戦していることにかけて、加藤機関の要求するそれよりも遙かに上の想像力が必要な作品と言われる。

しかしこのことは同時に批判点にも繋がっている。本作は「プレイヤーが原作のキャラクターや世界観に良く親しんでいるうえで、ifの展開を想像させる」ことをすべての前提としており、原作未見者でもシナリオを楽しめるようにする工夫が従来作品よりも弱い。特に今回の主人公が、版権キャラ勢と密接な友好関係を結ぶZシリーズや『W』・『L』に比べて、そういった絡みが薄く一歩引いた立ち位置となっていることが問題点の一つとしてよく指摘されている。このことは物足りなさを感じるだけでなく、オリジナル主人公の視点で原作未見者が参戦キャラを理解していくという要素を弱くしてしまった主要因とされている。キャラクター事典ロボット大図鑑がないこともあいまって、本作は「原作未見者に厳しい作品」というイメージがもたれがちなところはある。またライバルキャラであるジン・スペンサーの扱いについては明らかな迷走を見せており、しばしば槍玉に挙げられるポイントとなっている。

システム面[編集 | ソースを編集]

シナリオが好評であった一方、操作面や一部インターフェイス面の不備などシステム周りの不便さが指摘されており、特に精神コマンドの対象選択の仕様変更については多くのプレイヤーが煩わしさを訴えている(一応味方対象のものに関しては、使用者側でなく対象側の支援精神リストから使用するようにすればある程度手間を省ける)。

本作の隠し条件解禁における撃墜数フラグは、「通常の撃墜数カウントとフラグ判定用のカウントが別に用意され、フラグ用カウントは周回の度にリセットされる」という従来作と異なる方式となっており、上限は相変わらず999なのに周回により初期撃墜数が大幅に増える仕様(パーティ内の最大撃墜数などに比例する模様)もあって周回を重ねるほど撃墜数フラグの管理が面倒となっている。なお、内部撃墜数とは「プレイヤーが操作して戦闘マップで実際に撃墜した数」であり、加入時の初期撃墜数はもちろんのこと分岐で自動的に増えた撃墜数もカウントされない。逆に、全滅すると表示上の撃墜数はリセットされるが内部撃墜数はリセットされない(助かるのだが、ステータス画面での把握がより困難になる)。結果、隠し要素の取得にはほぼ間違いなくメモが必須という状態に。ルート選択などの兼ね合いもありすべての隠し要素解禁には最低3周をこなす必要があるため、この撃墜数仕様は本作の不満点としてよく挙げられる部分となっている。ただしこの仕様のため、『L』のミハエル・ブランのように撃墜数のカンストにより入手できなくなるということはない。

本作で初めて実現したダウンロードコンテンツであるが、ツメスパはともかくキャンペーンマップは「面倒くさい」との評価も多い。これはキャンペーンマップがツメスパと同じ途中セーブ不可な仕様であるため、本体スリープ機能以外の中断方法がなく、特殊な勝利条件を満たす際に保険としてのセーブも出来ない事に起因する(よって操作ミス等が原因でゲームオーバーになると最初からやり直し)。操作ミスだけならともかく、ツメスパロボと違い確率判定があるため運次第で詰む可能性がある。登場ユニットの種類や性能は固定であるため、改造をしてごり押しなどもできない。結果として10ターン以上かかるようなマップではかなりきつく、ストーリー性もほとんど無いため再プレイするモチベーションを保ちづらい。ただし「味方同士の戦い」など特殊なシチュエーションもあり、キャンペーンマップでしか聞けない特殊戦闘台詞もある。余談だが、公式サイトでは「ダウンロードコンテンツで手に入るスキルパーツによって得られる特殊スキルは、本編中でも条件を揃えれば習得することが可能です」と記載されている。間違った事は書いていないのだが、「経験値+Lv1」「撃墜数+5」のスキルパーツはキャンペーンマップをクリアしなければ入手できない。これらは「特殊スキル」として習得するのでは無く、使用するとシステム上の計算式が変化する。

戦闘アニメーションに関しては立体視機能を利用した擬似3D演出こそ評価されているが、一部アニメやカットインでドットジャギーが目立つ、以前の携帯機シリーズに出演したユニットと比べアニメーションパターンが少ない等、粗も目立つ結果となった。ただこれには過去作からの使い回しが可能だった『L』以前と異なり、解像度の違いから全てのユニットのドットを新規に作る必要があったという事情もあり、開発サイドの苦労が偲ばれる。

注意[編集 | ソースを編集]

前述の通り、本作は一度加入フラグを立てるとほぼ全て以降の周回に引き継がれるが、隠しキャラの有無で様々なイベントが変化する作りであるため、逆に加入フラグが立つと非加入時の専用テキストが二度と見られなくなるという弊害が発生している。そのため、本作をより楽しむ場合は1周目は全員見殺しにしたほうがいいとされる(特に『ラインバレル』関係においては「死亡時限定な上に本作が初の音声化であるDVE」も存在する)。条件は総じて複雑な傾向にあるため、事前情報なしでプレイした場合は自然とそうなりやすい。特に、上記の撃墜数は多くの隠し要素の条件である上に全滅プレイや贔屓をしなければまず達成不可能な値に設定されているため、万遍なく撃墜させていけば条件を把握していなくてもうっかりフラグを立ててしまうことは少ない。なお、上位の隠しパーツは初回限定で特定のキャラの加入に成功した場合に入手できる。

フラグの引継ぎに関しては賛否両論がけっこう多い。加入しないイベントを見たければ専用のデータを作っておくことをお勧めする

参戦作品[編集 | ソースを編集]

★は新規参戦。

SDガンダムシリーズやアダルトゲーム原作のアニメ作品といった、参戦が難しいと言われていた枠組からの参戦が果たされた。新規参戦数も全体の半数と、『NEO』ほどではないがかなり多い。

フェイ・イェンHDはスパロボ初となるキャラクター単位での参戦。同機体のキャラ設定やシナリオ監修はSEGAの亙重郎氏が担当。

『劇場版マクロスF』は初参戦の『第2次Z』では機体のみの参戦だったため、本作が事実上の初参戦とも言える。

『ラインバレル』はアニメ版が参戦した『L』とは異なり、原作漫画版名義の参戦となる。『機動戦士クロスボーン・ガンダム』のように漫画のみの作品が参戦したケースはあったが、映像化されている作品が楽曲のBGMや声優のみを借りて原作メディア名義で参戦するのはシリーズ初[1]

参戦作品は1980年代の『ダンバイン』と『飛影』以外全て2000年以降の作品で、1970年代の作品が参戦していないのは版権スパロボシリーズ史上今作が初めてとなる。また、1990年代の作品が参戦していないのは『K』以来である(電脳戦機バーチャロンシリーズは1990年代に含まれる作品群だが、フェイ・イェンHDの初出は2010年)。

なお、『UX』参戦作品で(連載中の『原作版ラインバレル』を除き)最も遅く完結した作品は『マジンカイザーSKL』(開始時期については1巻発売後に『劇場版 マクロスF 恋離飛翼〜サヨナラノツバサ〜』が公開されている)となっており、『第3次Z時獄篇』で『機動戦士ガンダムUC』が参戦するまでの間、マジンガーシリーズが最新の参戦作品という異例の事態が発生した。また、マジンガーシリーズが『SKL』のみの参戦となった都合、本作は兜甲児マジンガーZが欠席した唯一の版権スパロボでもある。

世界観[編集 | ソースを編集]

劇場版 機動戦士ガンダム00 -A wakening of the Trailblazer-』が参戦している関係から、「ついこの前まで人類間の国家戦争があったが、今は平和がなんとか保たれている」というのが基本的な世界観。この関係から『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』は作品終了後参戦となっている。ただし、人類間の戦いが描かれないというわけではない。

詳細は世界観/UXを参照。

バンプレストオリジナル[編集 | ソースを編集]

登場人物[編集 | ソースを編集]

オリジナルキャラクターデザインは『L』に引き続きChiyoko氏が担当。

主人公とその周辺人物[編集 | ソースを編集]

アニエス・ベルジュ
本作の主人公で愛称はアーニー。地球連邦軍北米方面軍・機動審査大隊所属の少尉。
リチャード・クルーガー
非合法傭兵組織「アンノウン・エクストライカーズ」の指揮官。
サヤ・クルーガー
本作のヒロイン。リチャードの娘でアンノウン・エクストライカーズに所属する傭兵。

ライバル[編集 | ソースを編集]

ジン・スペンサー
アーニーの親友。アーニーと同じ施設の出で士官学校の同期生。上昇志向の強い性格。

その他[編集 | ソースを編集]

ノーヴル・ディラン
地球連邦軍の技術者であり、ライオットシリーズの開発者。
アユル・ディラン
ノーヴルの娘。
兵士 (スパロボUX)

登場メカ[編集 | ソースを編集]

レプトン・ベクトラー装備機[編集 | ソースを編集]

オルフェス
アンノウン・エクストライカーズのフラグシップにもなっている、リチャードが乗る出自不明の機動兵器。「レプトン・ベクトラー」と呼ばれる動力機関を搭載。
ライラス
サヤが乗る支援戦闘機で、オルフェスとの連携運用を念頭に置いて開発されたワンオフモデル。オルフェス同様レプトン・ベクトラーを搭載しており単独でも高い戦闘力を有する。
オデュッセア
オルフェスとライラスが合体した形態。

陽子ジェネレーター装備機[編集 | ソースを編集]

ライオットB
地球軍の次期主力兵器「ライオット」に近接戦用オプションを装備した形態で、Bは「バトラー」の意。「陽子ジェネレーター」と呼ばれる新型動力機関を搭載。
ライオットA
「ライオット」に砲撃戦用オプションを装備した形態で、Aは「アーチャー」の意。
ライオットC
ライオットの制式採用量産機。Cは「コンポジット」の意。

その他[編集 | ソースを編集]

ヴィジャーヤ
ノーヴルが新たに開発した「ニュートリノ・ジェネレータ」を搭載した機体。
ドラウパ
「ニュートリノ・ジェネレータ」を搭載した全翼機。
アヴァターラ
ノーヴルが開発し、彼女自身が操縦する機体。
ライオットX
ライオットシリーズの一種と思われるが詳細不明。

???[編集 | ソースを編集]

カリ・ユガ
リヴァルナ

用語[編集 | ソースを編集]

アンノウン・エクストライカーズ→アルティメット・クロス
本作のプレイヤー部隊
オデュサイト
人の意志の力を増幅する鉱石。
第2次連合・プラント大戦
機動戦士ガンダムSEED DESTINY』本編の戦いのこと。
本作では単なる過去の出来事の一つであり特筆するほどではないが、この呼称は「それまで原作サイドで使われたことがない『UX』独自のもの」だった疑惑があるため、便宜上ここに記載。

関連記事[編集 | ソースを編集]

ゲーム中データ[編集 | ソースを編集]

分類 記事
全話一覧 全話一覧/UX
隠し要素 隠し要素/UX
精神コマンド 精神コマンド/UX
スキルパーツ スキルパーツ/UX
特殊能力 特殊能力/UX
特殊技能(特殊スキル) 特殊技能/UX
メカ&キャラクターリスト メカ&キャラクターリスト/UX
合体攻撃 合体攻撃/UX
中断メッセージ 中断メッセージ/UX
その他オプション オプション/UX
ネタバレ ネタバレ/UX

商品情報[編集 | ソースを編集]

ゲーム本体[編集 | ソースを編集]

攻略本[編集 | ソースを編集]

話題[編集 | ソースを編集]

  • 発売以前、チーフライターを務めた岸本氏がツイッターで「想像しろ」という呟きを残し、『UX』のライターを務めることを示唆していた。想像しろ、はUXのある意味の合言葉みたいなものだが、想像を遥かに超えた展開を、想像しろというには無理がありすぎた。
    • キャッチコピーである「全ての可能性が、ここに集う。」に関しても、蓋を開けてみれば「可能性集い過ぎ」であった。
  • 意思を持ったキャラクターであるSDガンダムの参戦により、『スーパーロボット大戦COMPACT2』以来久々に「瞳」の入ったガンダム系ユニットがスパロボに登場することとなった。
  • 機神咆吼デモンベイン』の原作ゲーム版を製作したニトロプラスは、2013年のエイプリルフールネタとして『渾沌大殲』を発表した。キャッチコピーは「すべての千の貌が、ここに集う。」で、サイトの構成を含めて本作のパロディとなっている。そんなにデモンベインのスパロボ参戦が嬉しかったのだろうか。
    • 「千の貌」とはクトゥルー神話に登場する邪神ナイアルラトホテップの異名。『渾沌大殲』では様々な版権作品に登場するナイアルラトホテップがイラスト付きで登場しており、本当にスパロボ並の熱意で許可を貰ってきたらしいことが窺える。
  • 『週刊ファミ通』とのDLCタイアップがされた関係か、本作の公式攻略本リリースはエンターブレイン社からのみとなった。任天堂携帯機シリーズにおいて攻略本のリリース出版社が一社のみとなったのはこれが初めてである。
  • 本作のタイトルである『UX』のUは宇田プロデューサーの頭文字から取ったものである事を寺田貴信氏が明かしている。一方で、なんでXが付いたのかは「多分それだと弱いからXを付けたのでは」と語っている。[2]

脚注 [編集 | ソースを編集]

  1. スパロボシリーズでは『真ゲッターロボ (原作漫画版)』という名義の参戦は多いが、実際は『真ゲッターロボ』は漫画のみの作品。真ゲッターが出てくる各種OVAの原作というわけではない。
  2. スパロボOGネットラジオ うますぎWAVE第784回より。

資料リンク[編集 | ソースを編集]