「Wii」の版間の差分
(→概要) |
|||
(3人の利用者による、間の4版が非表示) | |||
2行目: | 2行目: | ||
== 概要 == | == 概要 == | ||
− | + | [[ニンテンドーゲームキューブ]](以下、GC)の次世代機種として開発された、第7世代据え置き型ゲーム機。公式にGCの直系次世代機種としてアナウンスされたわけではないが、GCとの後方互換性を持つ(CPUには「GC2」の文字刻印が有る)<ref>ただし、GC用ソフトをプレイするには、GC用コントローラーとGC用メモリーカードが別途必要となる。</ref>。発表当初は「レボリューション」のコードネームで呼ばれ、専用のロゴも用意されていた。 | |
− | + | 最大の特徴は「Wiiリモコン」と呼ばれる片手で操作できるゲームコントローラーを採用した点にある。公式アナウンスでは「家族の誰もが楽しめる」コンセプトで開発、その結果Wiiリモコンが誕生した。また、複雑化しつつあるゲームの有り方に疑問を呈し、一般層が分かりにくい部分を極力廃し画面コンソールを強化した。家庭内のインターネット普及に伴い、無線LAN機能を搭載してインターネット接続に対応していた<ref>有線接続には別売りの専用アダプタが必要であった。</ref>。それにより、「Wiiチャンネル」と呼ばれるアプリケーションによって、通信機能による対戦ゲームや、「バーチャルコンソール」といった旧作ゲームのアーカイブサービスが利用可能となった。また、同じ任天堂製のゲーム機である[[ニンテンドーDS]]との相互機能も有する。 | |
− | + | ハードの性能としては前世代のXBOXを上回る程度で、同世代機のPS3・XBOX 360に劣る。HDDも搭載しておらず<ref>ゲームのセーブデータ、バーチャルコンソール、Wiiチャンネル用に、本体ストレージとして512MBのフラッシュメモリが搭載されている。</ref>、HDでの映像出力にも対応していないが、そのお陰で消費電力は最大でも17W程度であり堅牢性も優れている。グラフィック性能では同世代機ではソフトウェアシェーダーが主流であったが、本機ではハードウェアシェーダー機能を搭載し、前世代機とは差別化が計られている。低価格化と、任天堂が掲げる「万人受け(全ての人が受け入れられる)」する[[コンピュータゲーム|ゲーム]]や『Wii Fit』等の周辺機器、それに対するCM効果により全世界1億台以上の爆発的な売り上げを記録。1億5000万台を売り上げたニンテンドーDSと併せて、トップシェアゲーム機として君臨することとなった。 | |
− | + | 一方で上述のプラットフォームコンセプトを打ち出した結果、コアユーザー向けタイトルが不足(スパロボシリーズにおいても同様で、本プラットフォームでリリースされたのは『[[スーパーロボット大戦NEO]]』1作のみ)、[[NINTENDO64]]より続くサードパーティ不振も解消できたとは言い難く、2010年を境にリリースタイトルを大幅に減少させて行く事となった。 | |
− | |||
− | |||
2013年10月22日に生産終了。後継機である'''Wii U'''(ウィー ユー)へと移行された。 | 2013年10月22日に生産終了。後継機である'''Wii U'''(ウィー ユー)へと移行された。 | ||
17行目: | 15行目: | ||
;Wiiリモコン | ;Wiiリモコン | ||
:3軸の加速度センサーが内蔵された小型リモコン型のコントローラーであり、十字キーと複数のボタンで構成されている。Wiiの象徴とも言える特徴的なコントロールデバイスであり、リモコンを直接動かすことによる直感的な操作を可能とした。基本的な画面操作はマウス操作にほぼ近い。 | :3軸の加速度センサーが内蔵された小型リモコン型のコントローラーであり、十字キーと複数のボタンで構成されている。Wiiの象徴とも言える特徴的なコントロールデバイスであり、リモコンを直接動かすことによる直感的な操作を可能とした。基本的な画面操作はマウス操作にほぼ近い。 | ||
− | : | + | :コントロールスティックと2つのボタン、3軸加速度センサーが付いた拡張コントローラー「ヌンチャク」と組み合わせる事でより操作性が拡張される。 |
:なお、後述のバーチャルコンソールなどのプレイ用に従来のコントローラーと同じボタン操作が出来る「クラシックコントローラ」も用意されているが、Wiiリモコンを横持ちすると従来の様なコントローラ操作ができるタイトルもある。 | :なお、後述のバーチャルコンソールなどのプレイ用に従来のコントローラーと同じボタン操作が出来る「クラシックコントローラ」も用意されているが、Wiiリモコンを横持ちすると従来の様なコントローラ操作ができるタイトルもある。 | ||
:ジャイロセンサーを内蔵した周辺機器「Wiiモーションプラス」を装着すれば、より精密なリモコン操作が可能。 | :ジャイロセンサーを内蔵した周辺機器「Wiiモーションプラス」を装着すれば、より精密なリモコン操作が可能。 | ||
25行目: | 23行目: | ||
:フラッシュメモリ(512MB)が内蔵されている。外部記憶媒体としてSDカード(SDHCまで)が対応しており、DLしたゲームソフトなどを最大32GBまで保存もできるが、起動時はソフトの容量に対応できる空きメモリの確保が必要となる。このため、ソフトを購入する際は常に本体の空きメモリを計算して購入する必要がある。なお、GCソフトのセーブデータ記録にはGC用メモリーカードが別途必要。 | :フラッシュメモリ(512MB)が内蔵されている。外部記憶媒体としてSDカード(SDHCまで)が対応しており、DLしたゲームソフトなどを最大32GBまで保存もできるが、起動時はソフトの容量に対応できる空きメモリの確保が必要となる。このため、ソフトを購入する際は常に本体の空きメモリを計算して購入する必要がある。なお、GCソフトのセーブデータ記録にはGC用メモリーカードが別途必要。 | ||
;バーチャルコンソール(VC) | ;バーチャルコンソール(VC) | ||
− | : | + | :過去に発売されたゲーム作品を有料ダウンロードすることでプレイすることが可能なサービス。任天堂ハードが多いが、セガ・NECのPCエンジン等の他社ハードのものもある。国内34社、国外2社がこれに参加している。1台のハードで複数の異なるゲーム機が遊べるのは、家庭用ゲームでもWiiが初。いわゆるコンシューマ機においては精度の高いエミュレータが使われているとみられる。なおダウンロードに際しては、Wiiポイントと呼ばれる専用の電子マネーを事前購入して、そこから支払うという形を取っていた。 |
+ | :Wii向けVCはWiiショッピングチャンネルのサービス終了日となる2019年1月31日、Wii Uおよびニンテンドー3DS向けVCは各ニンテンドーeショップのサービス終了日となる2023年3月28日をもって、それぞれ全てのソフトの配信を終了している。 | ||
;Wiiウェア | ;Wiiウェア | ||
:ダウンロード専売のWii用新作ソフトを扱うサービス。体験版が無料でダウンロードできることもある。1本あたりの容量は40MBまでに制限されており、小規模の作品を対象としている。 | :ダウンロード専売のWii用新作ソフトを扱うサービス。体験版が無料でダウンロードできることもある。1本あたりの容量は40MBまでに制限されており、小規模の作品を対象としている。 | ||
37行目: | 36行目: | ||
==次世代機種== | ==次世代機種== | ||
;Wii U | ;Wii U | ||
− | : | + | :2012年12月8日発売。液晶ディスプレイを搭載したワイヤレスコントローラを採用し、テレビとの2画面で、あるいはコントローラの画面のみのプレイが可能であるのが最大の特徴。かねてより任天堂が目指していた「テレビを必要としない据置機」というコンセプトを実現した形となり、この思想は後続のNintendo Switchにも引き継がれる。第8世代の据え置き型ゲーム機。 |
:また、任天堂のゲーム機としては初めてHD映像出力に対応している。単純な処理性能は他社の同世代機と前世代機の間(PS3とPS4、Xbox360とXbox ONEの間)程度のスペックだが、ゲーム用に必要とされるグラフィック処理面では同世代機と遜色ないレベルでのAPI等に対応している(特にマイクロソフト社のDirectX)。Wiiとの後方互換を持っているが、プレイにはWiiリモコンおよびセンサーバーが別途必要。また、ゲームキューブとの互換が廃止された。 | :また、任天堂のゲーム機としては初めてHD映像出力に対応している。単純な処理性能は他社の同世代機と前世代機の間(PS3とPS4、Xbox360とXbox ONEの間)程度のスペックだが、ゲーム用に必要とされるグラフィック処理面では同世代機と遜色ないレベルでのAPI等に対応している(特にマイクロソフト社のDirectX)。Wiiとの後方互換を持っているが、プレイにはWiiリモコンおよびセンサーバーが別途必要。また、ゲームキューブとの互換が廃止された。 | ||
:2017年1月に国内における生産終了を発表。任天堂のコンシューマゲーム事業は次世代機である[[Nintendo Switch]]へと移行され、バーチャルボーイ以来となるスパロボシリーズタイトルがリリースされない任天堂製ゲーム機となった<ref>先述の通り、Wiiとの後方互換により『[[スーパーロボット大戦NEO|NEO]]』をプレイすることは可能。</ref>。 | :2017年1月に国内における生産終了を発表。任天堂のコンシューマゲーム事業は次世代機である[[Nintendo Switch]]へと移行され、バーチャルボーイ以来となるスパロボシリーズタイトルがリリースされない任天堂製ゲーム機となった<ref>先述の通り、Wiiとの後方互換により『[[スーパーロボット大戦NEO|NEO]]』をプレイすることは可能。</ref>。 | ||
45行目: | 44行目: | ||
== 補足 == | == 補足 == | ||
− | [[ゲームキューブ|GC]]と互換性を持つ為、『[[スーパーロボット大戦GC]]』もプレイ可能。ただし、ゲームボーイプレーヤーは接続不可能な為、[[ | + | [[ゲームキューブ|GC]]と互換性を持つ為、『[[スーパーロボット大戦GC]]』もプレイ可能。ただし、ゲームボーイプレーヤーは接続不可能な為、[[ゲームボーイ]]シリーズのスパロボシリーズはWiiではプレイできない。 |
== 商品情報 == | == 商品情報 == | ||
+ | === スーパーロボット大戦シリーズ === | ||
*[[スーパーロボット大戦NEO]] | *[[スーパーロボット大戦NEO]] | ||
+ | |||
+ | === 参戦作品 === | ||
+ | ;[[ロックマン (ゲーム)|ロックマン]] | ||
+ | :『9』『10』が発売(ダウンロード専売、[[プレイステーション3|PS3]]および[[Xbox360]]とのマルチプラットフォーム)。 | ||
== 脚注 == | == 脚注 == |
2023年8月4日 (金) 22:40時点における最新版
Wii(ウィー)は、2006年12月2日に任天堂が発売した家庭用ゲーム機。
概要[編集 | ソースを編集]
ニンテンドーゲームキューブ(以下、GC)の次世代機種として開発された、第7世代据え置き型ゲーム機。公式にGCの直系次世代機種としてアナウンスされたわけではないが、GCとの後方互換性を持つ(CPUには「GC2」の文字刻印が有る)[1]。発表当初は「レボリューション」のコードネームで呼ばれ、専用のロゴも用意されていた。
最大の特徴は「Wiiリモコン」と呼ばれる片手で操作できるゲームコントローラーを採用した点にある。公式アナウンスでは「家族の誰もが楽しめる」コンセプトで開発、その結果Wiiリモコンが誕生した。また、複雑化しつつあるゲームの有り方に疑問を呈し、一般層が分かりにくい部分を極力廃し画面コンソールを強化した。家庭内のインターネット普及に伴い、無線LAN機能を搭載してインターネット接続に対応していた[2]。それにより、「Wiiチャンネル」と呼ばれるアプリケーションによって、通信機能による対戦ゲームや、「バーチャルコンソール」といった旧作ゲームのアーカイブサービスが利用可能となった。また、同じ任天堂製のゲーム機であるニンテンドーDSとの相互機能も有する。
ハードの性能としては前世代のXBOXを上回る程度で、同世代機のPS3・XBOX 360に劣る。HDDも搭載しておらず[3]、HDでの映像出力にも対応していないが、そのお陰で消費電力は最大でも17W程度であり堅牢性も優れている。グラフィック性能では同世代機ではソフトウェアシェーダーが主流であったが、本機ではハードウェアシェーダー機能を搭載し、前世代機とは差別化が計られている。低価格化と、任天堂が掲げる「万人受け(全ての人が受け入れられる)」するゲームや『Wii Fit』等の周辺機器、それに対するCM効果により全世界1億台以上の爆発的な売り上げを記録。1億5000万台を売り上げたニンテンドーDSと併せて、トップシェアゲーム機として君臨することとなった。
一方で上述のプラットフォームコンセプトを打ち出した結果、コアユーザー向けタイトルが不足(スパロボシリーズにおいても同様で、本プラットフォームでリリースされたのは『スーパーロボット大戦NEO』1作のみ)、NINTENDO64より続くサードパーティ不振も解消できたとは言い難く、2010年を境にリリースタイトルを大幅に減少させて行く事となった。
2013年10月22日に生産終了。後継機であるWii U(ウィー ユー)へと移行された。
機能[編集 | ソースを編集]
- Wiiリモコン
- 3軸の加速度センサーが内蔵された小型リモコン型のコントローラーであり、十字キーと複数のボタンで構成されている。Wiiの象徴とも言える特徴的なコントロールデバイスであり、リモコンを直接動かすことによる直感的な操作を可能とした。基本的な画面操作はマウス操作にほぼ近い。
- コントロールスティックと2つのボタン、3軸加速度センサーが付いた拡張コントローラー「ヌンチャク」と組み合わせる事でより操作性が拡張される。
- なお、後述のバーチャルコンソールなどのプレイ用に従来のコントローラーと同じボタン操作が出来る「クラシックコントローラ」も用意されているが、Wiiリモコンを横持ちすると従来の様なコントローラ操作ができるタイトルもある。
- ジャイロセンサーを内蔵した周辺機器「Wiiモーションプラス」を装着すれば、より精密なリモコン操作が可能。
- Wiiリモコンプラス
- 前述のWiiリモコンにWiiモーションプラスの機能を内蔵したもので、2010年11月11日以降に発売されたWii本体のパッケージには、これが標準装備されている。
- 記憶媒体
- フラッシュメモリ(512MB)が内蔵されている。外部記憶媒体としてSDカード(SDHCまで)が対応しており、DLしたゲームソフトなどを最大32GBまで保存もできるが、起動時はソフトの容量に対応できる空きメモリの確保が必要となる。このため、ソフトを購入する際は常に本体の空きメモリを計算して購入する必要がある。なお、GCソフトのセーブデータ記録にはGC用メモリーカードが別途必要。
- バーチャルコンソール(VC)
- 過去に発売されたゲーム作品を有料ダウンロードすることでプレイすることが可能なサービス。任天堂ハードが多いが、セガ・NECのPCエンジン等の他社ハードのものもある。国内34社、国外2社がこれに参加している。1台のハードで複数の異なるゲーム機が遊べるのは、家庭用ゲームでもWiiが初。いわゆるコンシューマ機においては精度の高いエミュレータが使われているとみられる。なおダウンロードに際しては、Wiiポイントと呼ばれる専用の電子マネーを事前購入して、そこから支払うという形を取っていた。
- Wii向けVCはWiiショッピングチャンネルのサービス終了日となる2019年1月31日、Wii Uおよびニンテンドー3DS向けVCは各ニンテンドーeショップのサービス終了日となる2023年3月28日をもって、それぞれ全てのソフトの配信を終了している。
- Wiiウェア
- ダウンロード専売のWii用新作ソフトを扱うサービス。体験版が無料でダウンロードできることもある。1本あたりの容量は40MBまでに制限されており、小規模の作品を対象としている。
- 2018年3月27日をもって、Wiiポイントの登録が終了したため現在は(上記のVCも含めて)実質購入は不可能となっている。
バリエーション[編集 | ソースを編集]
- Wii Family Edition
- 2011年11月18日より発売された廉価版。米国、欧州、豪州で展開したが、日本では未発売。ゲームキューブ互換機能が廃止され、その分本体が薄くなっている。
- Wii Mini
- 2012年12月27日より発売された廉価版。カナダや欧州で展開したが、上と同じく日本では未発売。ゲームキューブ互換と共にWIFI通信機能も廃止されている。
次世代機種[編集 | ソースを編集]
- Wii U
- 2012年12月8日発売。液晶ディスプレイを搭載したワイヤレスコントローラを採用し、テレビとの2画面で、あるいはコントローラの画面のみのプレイが可能であるのが最大の特徴。かねてより任天堂が目指していた「テレビを必要としない据置機」というコンセプトを実現した形となり、この思想は後続のNintendo Switchにも引き継がれる。第8世代の据え置き型ゲーム機。
- また、任天堂のゲーム機としては初めてHD映像出力に対応している。単純な処理性能は他社の同世代機と前世代機の間(PS3とPS4、Xbox360とXbox ONEの間)程度のスペックだが、ゲーム用に必要とされるグラフィック処理面では同世代機と遜色ないレベルでのAPI等に対応している(特にマイクロソフト社のDirectX)。Wiiとの後方互換を持っているが、プレイにはWiiリモコンおよびセンサーバーが別途必要。また、ゲームキューブとの互換が廃止された。
- 2017年1月に国内における生産終了を発表。任天堂のコンシューマゲーム事業は次世代機であるNintendo Switchへと移行され、バーチャルボーイ以来となるスパロボシリーズタイトルがリリースされない任天堂製ゲーム機となった[4]。
- Nintendo Switch
- 2017年3月3日発売。
- Wii Uの次世代機となるゲーム機。概要についてはリンク先を参照。
補足[編集 | ソースを編集]
GCと互換性を持つ為、『スーパーロボット大戦GC』もプレイ可能。ただし、ゲームボーイプレーヤーは接続不可能な為、ゲームボーイシリーズのスパロボシリーズはWiiではプレイできない。