「クラックス・ドゥガチ」の版間の差分

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[[木星帝国]]の総統。
 
[[木星帝国]]の総統。
  
[[バイオ脳]]を搭載した10体の人形を操って指示を出している。人形9体は長髪の老人であるが、本体のドゥガチは禿頭で、頭部の至る箇所に太いパイプや管が接続されており、口部には酸素を供給するマスクを付けている。
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普段は[[バイオ脳]]を搭載した10体の人形を影武者として操り、指示を出している。人形9体は長髪の老人であるが、本物のドゥガチは禿頭で、頭部の至る箇所に太いパイプや管が接続されており、口部には酸素を供給するマスクを付けている。
  
[[ベルナデット・ブリエット|ベルナデット]]の母親と結婚したときに「齢80に手が届く老人」だったらしいので、本編では90代半ばには達していると思われる。
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[[ベルナデット・ブリエット|ベルナデット]]の母親と結婚した時に「齢80に手が届く老人」だったらしいので、本編では90代半ばには達していると思われる。
  
元は[[木星]][[スペースコロニー|コロニー]]の発展に生涯を尽くしてきた、ある種の偉大な人物であったが、[[地球連邦政府]]と外交関係が持てるところまでに発展させてきたという強烈なプライドを、政略結婚という地球連邦の懐柔と妻になった女性の優しさに抱いた[[地球]]への劣等感によって打ち砕かれ、地球の滅亡を企てるようになる。
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[[木星]][[スペースコロニー|コロニー]]の発展に生涯を尽くしてきた人物であったが、[[地球連邦政府]]と外交関係が持てるところまでに発展させてきたという強烈な自負を、政略結婚という連邦からの仕打ちと、妻になった女性の「豊かな土地で育った者にしかない自然な心の余裕」に抱いた劣等感によって打ち砕かれ、妻の死後は[[地球]]の死滅を企てるようになった。
  
親善訪問を装って地球圏に侵攻し、多数の[[核ミサイル|核兵器]]を搭載した[[ジュピトリス9]]をもって地球そのものを焼き尽くそうとするが、宇宙海賊[[クロスボーン・バンガード]]によって阻まれる。
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最終作戦として親善訪問を装って地球圏に侵攻し、多数の[[核ミサイル]]を搭載した[[ジュピトリス9]]で地球そのものを焼き尽くそうとするが、[[宇宙海賊]][[クロスボーン・バンガード]]によって阻まれる。
  
小型核弾頭によってジュピトリス9を轟沈させられたドゥガチは、巨大[[モビルアーマー|MA]]・[[ディビニダド]]に搭乗して自ら出撃。7体のコピーの搭乗する7機がMSの大部隊と交戦している隙に、本体はヘリウム積載タンクに偽装した降下カプセルでディビニダドごと地球へ降りるが、それに気づいた[[トビア・アロナクス]]と海上で死闘を演じる。ドゥガチ自身は優れたMSパイロットではなかったために戦闘ではトビアに押され気味であったが、狂気と憎しみを力に変え戦い続けた。最後は腕部Iフィールドを全開にした[[クロスボーン・ガンダムX3]]の捨て身の突撃によって、機体は巨大メガ粒子砲からの砲撃を抑え込まれ爆発、破壊された。
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小型核弾頭でジュピトリス9を轟沈させられたドゥガチは、巨大[[モビルアーマー]]・[[ディビニダド]]に搭乗して自ら出撃。7体の影武者が搭乗する7機が連邦のMS部隊と交戦している隙に、本体はヘリウム積載タンクに偽装した降下カプセルでディビニダドごと地球へ降りるが、生々しい「悪意」でそれを察した[[トビア・アロナクス]]に肉薄され、海上で死闘を演じる。ドゥガチ自身は優れた[[パイロット]]ではなかったために戦闘ではトビアに押され気味であったが、狂気と憎しみを力に変え戦い続けた。
  
炎に包まれ死に行くドゥガチは地球が灼かれる幻想に取り憑かれながら笑い声を上げたが、それを察した[[キンケドゥ・ナウ]]の[[クロスボーン・ガンダムX1改]]によるスクリューウェッブの攻撃で止めを刺され、憎しみに取り憑かれたその生涯に幕を閉じた。
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最後は腕部Iフィールドを全開にした[[クロスボーン・ガンダムX3]]の捨て身の突撃によってディビニダドのメガ粒子砲の砲撃を抑え込まれ、暴発に巻き込まれる。炎の中で死にゆくドゥガチは地球が灼かれる幻想に取り憑かれながら笑い声を上げたが、それを哀れんだ[[キンケドゥ・ナウ]]の[[クロスボーン・ガンダムX1改]]によるスクリュー・ウェッブの一撃でとどめを刺され、憎しみに取り憑かれたその生涯に幕を閉じた。
  
 
なお、作中でそれらしい描写はないが、ディビニダドに[[ファンネル]]が搭載されていたからか、ゲーム媒体では[[ニュータイプ]]として設定されている場合がある。
 
なお、作中でそれらしい描写はないが、ディビニダドに[[ファンネル]]が搭載されていたからか、ゲーム媒体では[[ニュータイプ]]として設定されている場合がある。
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== 登場作品と役柄 ==
 
== 登場作品と役柄 ==
 
=== [[αシリーズ]] ===
 
=== [[αシリーズ]] ===
;[[第2次スーパーロボット大戦α]]
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;{{参戦作品 (人物)|第2次スーパーロボット大戦α}}
:初登場作品。声は『GジェネF』の永井一郎氏。原作同様に[[木星帝国]]の総統として登場し、[[シャア・アズナブル|シャア]]の[[ネオ・ジオン]]と組んで[[地球]]の破滅を企てることになる。αシリーズでは『第2次α』以前に[[木星]]の敵勢力として[[ジュピトリアン]]が登場していたが、『[[スーパーロボット大戦α|α]]』の[[バルマー戦役]]時はジュピトリアンとは一歩離れた立ち位置であったらしい。敵パイロットとしては[[エレゴレラ]]を経て[[ディビニダド]]に搭乗し、最終的には他の人形と共に登場する。
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:初登場作品。声は『GジェネF』で声優を担当した永井一郎氏。
:なお、[[バグ (ゲーム)|設定ミス]]かどうかは定かではないが人形と本物の顔グラフィックが逆になっている<ref>厳密にはアイビスルート第6話「滅びを告げる物」のイベントで対面した人形の正体が、原作での本物のドゥガチの顔グラフィックになっている。その為『第2次α』で本物のドゥガチが見られるのはこの場面だけという奇妙な事になる(本作では偽物なのだが)。</ref>。
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:原作同様に[[木星帝国]]の総統として登場し、[[シャア・アズナブル|シャア]]の[[ネオ・ジオン]]と組んで[[地球]]の破滅を企てる。[[αシリーズ]]では『第2次α』以前に敵勢力として[[ジュピトリアン]]が登場していたが、『[[スーパーロボット大戦α|α]]』での[[バルマー戦役]]時はジュピトリアンとは一歩離れた立ち位置にあったらしい。
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:敵パイロットとしては[[エレゴレラ]]を経て[[ディビニダド]]に搭乗し、最後は他の影武者と共に登場する。
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:なお、[[バグ (ゲーム)|設定ミス]]かどうかは定かではないが、影武者と本物の顔グラフィックが逆になっている<ref>厳密にはアイビスルート第6話「滅びを告げる者」のイベントで対面した影武者の正体が、原作における本物のドゥガチの顔グラフィックになっている。そのため、'''影武者なのに、『第2次α』で本物のドゥガチが見られるのはこの場面だけ'''という奇妙な事態になる。</ref>。
  
 
=== VXT三部作 ===
 
=== VXT三部作 ===
;[[スーパーロボット大戦V]]
+
;{{参戦作品 (人物)|スーパーロボット大戦V}}
:声がGジェネの現行シリーズで担当している麦人氏に変更された。何故か顔グラフィックが『第2次α』同様にバイオ脳の物になっている。
+
:声が『Gジェネ』の現行シリーズで担当している麦人氏に変更された。
:原作終了後のため本人は既に死亡しているものの、[[大ガミラス帝星|ガミラス]]に木星戦役に投入されなかったバイオ脳ユニットとディビニダドが3機預けられており、[[グレムト・ゲール|ゲール]]が通常ルート50話、困難ルート最終話で最後の切り札として放ってくる。
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:原作終了後のため本物のドゥガチはすでに死亡しているものの、[[大ガミラス帝星|ガミラス軍]]に木星戦役に投入されなかったバイオ脳ユニットとディビニダドが3機預けられており、[[グレムト・ゲール|ゲール]]が通常ルート50話、困難ルート最終話で最後の切り札として放ってくる。本人は死亡済みなので、顔グラフィックは影武者のものしかない。
:バイオ脳とはいえオリジナルがキンケドゥにトドメを刺された際の記憶も有しており、実質本人が生き延びていたのと変わりない。その憎悪と狂気はより膨れ上がっており、通常ルートにおいては[[ベルナデット・ブリエット|娘]]の存在すらも忘れ去ってしまい、[[トビア・アロナクス|トビア]]からは「人間以下の存在になっちまった」と断じられた。
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:バイオ脳とはいえオリジナルがキンケドゥにとどめを刺された際の記憶も有しており、実質本人が生き延びていたのと変わりない。その憎悪と狂気はより膨れ上がっており、通常ルートにおいては自分の娘の存在すらも忘れてしまい、[[トビア・アロナクス|トビア]]からは「人間以下の存在になっちまった」と断じられた。
 
:最期は地球が滅びる様を幻視しつつ散っていくが、困難ルートでは[[アベルト・デスラー|デスラー]]を撃墜するまで放置していると[[ネバンリンナ]]に葬り去られる。通常ルートで撃墜せずにクリアした場合、真の[[アルゼナル]]消滅に伴う空間の歪みに巻き込まれ、機体が爆発し死亡する。
 
:最期は地球が滅びる様を幻視しつつ散っていくが、困難ルートでは[[アベルト・デスラー|デスラー]]を撃墜するまで放置していると[[ネバンリンナ]]に葬り去られる。通常ルートで撃墜せずにクリアした場合、真の[[アルゼナル]]消滅に伴う空間の歪みに巻き込まれ、機体が爆発し死亡する。
;[[スーパーロボット大戦T]]
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;{{参戦作品 (人物)|スーパーロボット大戦T}}
:『V』同様、原作終了後で本人も死亡済だが、[[コロニーレーザー]]での決戦においてバイオ脳ユニットとディビニダドが7機出現し「鋼鉄の7人」との決戦になる。
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:『V』同様原作終了後で本人は死亡済み。[[コロニーレーザー]]での決戦においてバイオ脳ユニットとディビニダドが7機出現し「鋼鉄の7人」との決戦になる。
:今作では[[T3|自軍]]に[[テンカワ・アキト]]や[[ヴァン]]など復讐者がいることもあってか、彼の心境は[[サイゾウ・トキトウ|主人]][[サギリ・サクライ|公]]から少なからず理解を示されている。
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:今作では[[T3|自軍]]に[[テンカワ・アキト]]や[[ヴァン]]など復讐者がいることもあってか、彼の心境は[[サイゾウ・トキトウ|主人]][[サギリ・サクライ|公]]に少なからず理解を示されている。
  
 
== パイロットステータス ==
 
== パイロットステータス ==
原作では「優れたMSパイロットではない」と評されたドゥガチであるが、『[[第2次スーパーロボット大戦α|第2次α]]』では[[地形適応]]が海を除いて軒並みSであり、[[ディビニダド]]のポテンシャルを存分に引き出して襲い掛かって来る。これも彼の狂気と執念が成せる業であろう。
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原作では「戦いのプロではない」と評されたドゥガチであるが、『[[第2次スーパーロボット大戦α|第2次α]]』では[[地形適応]]が[[海]]を除いて軒並みSであり、[[ディビニダド]]のポテンシャルを存分に引き出して襲い掛かってくる。これも彼の狂気と執念が成せる業であろう。
  
 
=== [[精神コマンド]] ===
 
=== [[精神コマンド]] ===
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:'''[[不屈]]、[[ド根性]]、[[必中]]、[[気合]]、[[かく乱]]、[[魂]]'''
 
:'''[[不屈]]、[[ド根性]]、[[必中]]、[[気合]]、[[かく乱]]、[[魂]]'''
 
:オリジナル、コピー共に全く同じラインナップ。
 
:オリジナル、コピー共に全く同じラインナップ。
:[[不屈]]、[[ド根性]]は木星圏を繁栄させてきた忍耐強さを、[[かく乱]]はコピー達を囮に使ったことを反映しているのだろうか?
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:[[不屈]]、[[ド根性]]、[[気合]]、[[魂]]は生涯を賭けて木星圏を繁栄させてきた忍耐強さを、[[かく乱]]は影武者を囮に使ったことを反映しているのだろうか?
 
;[[スーパーロボット大戦V|V]]、[[スーパーロボット大戦T|T]]
 
;[[スーパーロボット大戦V|V]]、[[スーパーロボット大戦T|T]]
 
:'''[[根性]]、[[努力]]、[[不屈]]、[[先見]]、[[気迫]]、[[魂]]'''
 
:'''[[根性]]、[[努力]]、[[不屈]]、[[先見]]、[[気迫]]、[[魂]]'''
:どれを取っても木星圏を開拓・繁栄させてきた意地に満ち溢れている。ある意味ドゥガチの人となりを表したかのようなラインナップとなっている。
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:どれを取っても木星圏を開拓・繁栄させてきた意地に満ち溢れている。ある意味ドゥガチの人と成りを表したかのようなラインナップとなっている。
  
 
=== [[特殊技能]](特殊スキル) ===
 
=== [[特殊技能]](特殊スキル) ===
 
;[[第2次スーパーロボット大戦α|第2次α]]
 
;[[第2次スーパーロボット大戦α|第2次α]]
 
:'''[[ニュータイプ]]L3、[[指揮官]]L4、[[Eセーブ]]、[[気力+系技能|気力+ダメージ]]、[[底力]]L7、[[援護攻撃]]L3
 
:'''[[ニュータイプ]]L3、[[指揮官]]L4、[[Eセーブ]]、[[気力+系技能|気力+ダメージ]]、[[底力]]L7、[[援護攻撃]]L3
:精神コマンド同様、オリジナル、コピー共に全く同じラインナップ。高レベルの[[指揮官]]に底力、そして低レベルとは言え[[ニュータイプ]]技能をも備えている。
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:精神コマンド同様、オリジナル、コピー共に全く同じラインナップ。高レベルの[[指揮官]]に底力、そして低レベルとはいえ[[ニュータイプ]]技能をも備えている。
 
;[[スーパーロボット大戦V|V]]
 
;[[スーパーロボット大戦V|V]]
 
:'''[[プレッシャー]]L3、[[底力]]L3、[[気力+系技能|気力+(DEF)]]、[[気力限界突破]]L3、[[援護攻撃]]L1
 
:'''[[プレッシャー]]L3、[[底力]]L3、[[気力+系技能|気力+(DEF)]]、[[気力限界突破]]L3、[[援護攻撃]]L1
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:『V』から所持技能の変化は無いが、微妙に底力レベルが上がった。
 
:『V』から所持技能の変化は無いが、微妙に底力レベルが上がった。
  
=== [[小隊長能力]](隊長効果) ===
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=== [[小隊長能力]] ===
 
;MAP兵器無効
 
;MAP兵器無効
:『[[第2次スーパーロボット大戦α|第2次α]]』でコピー達が所持する能力。これのおかげで彼らを一網打尽にすることが出来ず、原作同様個別に撃墜せざるを得ない。
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:『[[第2次スーパーロボット大戦α|第2次α]]』で影武者が所持する能力。これのおかげで彼らを一網打尽にすることができず、原作同様個別に撃墜せざるを得ない。
 
;反撃時の攻撃力+20%
 
;反撃時の攻撃力+20%
 
:オリジナルのドゥガチが所持しているのはこちら。
 
:オリジナルのドゥガチが所持しているのはこちら。
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== 人間関係 ==
 
== 人間関係 ==
;
+
;ダナエ・ブリエット
:地球の良家出身。元々がドゥガチ死後の木星圏を支配する為の見え透いた政略結婚であった<ref>ドゥガチの立場になってみれば地球生まれの若い女との結婚など、老い先短い自分の死後、「元総統の妻」という体裁を盾に連邦が木星を体よく支配する口実にすることは明白であっただろう。</ref>事に加え、当人がまるで地球の豊かさを体現したような心優しい女性だったために、ドゥガチは恵まれた土地への嫉妬や木星の不毛さ、引いては自分の無価値さを刺激させられ、地球を滅ぼすという凶行に走った。
+
:地球の良家出身でありドゥガチの妻。本編では既に故人となっているが死因は不明。名称が判明したのは『機動戦士ガンダムF90 ファステストフォーミュラ』より。
:一方で彼女に対してはむしろ優しい人柄を認めてすらいたこと、そしてその優しい人柄から恨み節や憎しみをぶつけられなかったこともあり、ドゥガチの妻に対する複雑な想いが見て取れる。<ref>『第2次α』ではそんな彼の心境をベラは「愛ゆえの憎しみ」と表現している。</ref>
+
:元々がドゥガチ死後の木星圏を支配するための見え透いた政略結婚であった<ref>ドゥガチの立場になってみれば地球生まれの若い女との結婚など、老い先短い自分の死後、「元総統の妻」という体裁を盾に連邦が木星を体よく支配する口実にすることは明白であっただろう。</ref>ことに加え、当人がまるで地球の豊かさを体現したような心優しい女性だったために、ドゥガチは恵まれた出生への嫉妬や木星開拓に費やした人生に対する虚しさ、引いては自分自身の卑しさを刺激させられ、地球の死滅を企むという狂行に走った。
 +
:一方で政略結婚を断らなかったことに始まり、結婚後も別居することなく傍に置き続け子供まで儲けていたこと、彼女自身に対してもその優しい人柄を認めてすらいたこと、そしてそれゆえに恨みや憎しみをぶつけられなかったこともあり<ref>更に言えば本格的に狂行に走り出したのは彼女の死後である事も踏まえると妻が居なくなって抑えが効かなくなった節もあるため、'''彼女自身という個人については純粋に愛していた可能性が高い。'''</ref>、ドゥガチの妻に対する複雑な想いが見て取れる。『第2次α』で[[ベラ・ロナ]]は、そんな彼の心境を「愛ゆえの憎しみ」と表現した。
 
;[[ベルナデット・ブリエット]](テテニス・ドゥガチ)
 
;[[ベルナデット・ブリエット]](テテニス・ドゥガチ)
:実の娘。「医者はそう言っていた」程度の認識しか無く、政略結婚の妻と同じく温厚な性格であることからそれと重ねて憎悪していた一方で、彼女に教えていた地球人の知識がデタラメだったことを責められた際には言葉を詰まらせており、[[エレゴレラ]]に乗せた際に「生身だったら情に流されていたかもしれない」と考えているなど娘への愛情も抱いていたように見える。木星の重役を含め帝国国民からは人気が高かったことからそれは利用しており、『鋼鉄の七人』では帝国残党がトビアに奪還された後、海賊に殺されたことにして国民の海賊に対する敵意を煽っていた模様。
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:実の娘。最終決戦時には「医者は(実子だと)保証しておった」程度の思い入れしかなく、妻と同じく優しい性格であることからそれと重ねて憎悪していた。だがその一方で、彼女に教えていた地球人の知識がデタラメだったことを責められた際には言葉を詰まらせる、[[エレゴレラ]]に乗せた際に「自分は嫁の事を引きずりすぎている」「生身だったら情に流されていたかもしれない」と考えるなど、娘への愛情も残っていたように見える。少なくとも凶行に走る以前のドゥガチは娘に対して妻同様に愛情を持っていた可能性が高く、ベルナデットも父を憎んだりはしていなかった。それを汲み取ってかベルナデット側も最終的にトビアの元へ渡った際のやり取りを「私を逃がすためにわざとやった」と信じていた。
 +
:木星の重役を含め帝国民からの人気が高かったことからそこは利用しており、『鋼鉄の7人』によると、トビアに奪還された後、クロスボーン・バンガードに殺されたことにして国民の敵意を煽っていた模様。
 
;[[トビア・アロナクス]]
 
;[[トビア・アロナクス]]
:彼によって[[エレゴレラ]]諸共バイオ脳の1機を破壊され、オリジナルのドゥガチも彼によって引導を渡される。
+
:事実上、娘の彼氏にあたる。彼によって[[エレゴレラ]]もろともバイオ脳の一つを破壊され、オリジナルのドゥガチも彼によって引導を渡された。
;[[キンケドゥ・ナウ]]([[シーブック・アノー]])
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;[[キンケドゥ・ナウ]]
:最終的に彼の手で止めを刺される。『[[スーパーロボット大戦V|V]]』ではその時の記憶を有しており、彼に対して憎悪を燃やす。
+
:自分の悲願を阻む仇敵。最終的に彼の手でとどめを刺される。
 +
:『[[スーパーロボット大戦V|V]]』ではその時の記憶を有しており、彼に対して憎悪を燃やす。
 
;[[ザビーネ・シャル]]
 
;[[ザビーネ・シャル]]
:寝返った新参者。彼に対し「地球をくれてやっても良い」と発言するが、本当の目的は地球を焼くことだったので、実際のところは地球などどうでもいい、というのが本音だろう。
+
:寝返った新参者。「地球亡き後の世界はお前にくれてやってもいい」と言ったが、ドゥガチ自身は地球が滅べばその後の事など考えてもいなかったので、もし本当に野望が成就した時にどうするつもりだったのかは不明。結局のところ、体よく利用できる捨て駒としか見ていなかったのだろう。
 
;[[カラス]]
 
;[[カラス]]
:部下。理念の共有などはしていないが、木星圏を広げた功績ゆえかカラスはドゥガチを「強者」と見ており忠実で、側近として重用していた模様。
+
:部下。理念の共有などはしておらずカラス側からも「木星帝国の思想などどうでもいい」とまで断じていたが、弱肉強食を前提とする思想を持つカラスからしてみれば木星圏を広げた功績ゆえかカラスはドゥガチを「強者」と見ており忠実で、ドゥガチも側近として重用していた模様。
;エウロペ
+
;エウロペ・ドゥガチ
:SRW未登場。『鋼鉄の七人』に登場したドゥガチの後妻。ドゥガチが彼女をどう思っていたのかは描写されていない。
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:SRW未登場。『鋼鉄の7人』に登場したドゥガチの後妻。ドゥガチが彼女をどう思っていたのかは描写されていない。
 
;[[フォンセ・カガチ]]
 
;[[フォンセ・カガチ]]
 
:『ゴースト』では、木星船団に所属していた頃の彼の恩人とされ、キゾを預かる。
 
:『ゴースト』では、木星船団に所属していた頃の彼の恩人とされ、キゾを預かる。
 
;キゾ
 
;キゾ
:SRW未登場。『ゴースト』で登場した内縁の妻と間に生まれた息子で、テテニスの異母兄。生まれた直後に政略結婚となったためにカガチに預けられる。
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:SRW未登場。『ゴースト』で登場した内縁の妻との間に生まれた息子で、テテニス(ベルナデット)の異母兄。生まれた直後に政略結婚の件が起こり、カガチに預けられる。
:その後も息子を思う形でカラスたち工作員も時折送って様子を見ていたが、キゾからはいざとなれば地球圏侵攻の足掛かりにしようとしている事を見抜かれており、生まれた時に受けた仕打ちもあって、嫌悪から己の出生を隠すほどに憎まれていた。
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:その後も息子を思う形でカラスたち工作員を時折送って様子を見ていたが、キゾからはいざとなれば地球圏侵攻の足掛かりにしようとしていることを見抜かれており、生まれた時に受けた仕打ちもあって、己の出生を隠すほどに憎まれていた。
  
 
== 他作品との人間関係 ==
 
== 他作品との人間関係 ==
 
;[[シャア・アズナブル]]
 
;[[シャア・アズナブル]]
 
:『[[第2次スーパーロボット大戦α|第2次α]]』では彼と同盟を結び、[[地球]]の滅亡を企てる。
 
:『[[第2次スーパーロボット大戦α|第2次α]]』では彼と同盟を結び、[[地球]]の滅亡を企てる。
:一方の『[[スーパーロボット大戦T|T]]』では彼や後述のハマーンのやり方を手ぬるいと批判するが、それは人類を団結させるためにあえて悪役を演じた彼の真意を何一つ理解していない発言であり、当然シャア本人からも「ニュータイプと対極にいる者」・「私怨にかられた輩」と断じられた。
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:一方の『[[スーパーロボット大戦T|T]]』では彼やハマーンのやり方を手ぬるいと批判するが、それは人類を団結させるためにあえて悪役を演じた彼の真意を一切理解していない発言であり、当然シャア本人からも「ニュータイプと対極にいる者」「私怨に駆られた輩」と断じられた。
 
;[[破嵐創造]]
 
;[[破嵐創造]]
 
:『第2次α』ではメガノイドの存在を知っており、彼の名前を出して[[破嵐万丈|万丈]]を挑発する場面も。
 
:『第2次α』ではメガノイドの存在を知っており、彼の名前を出して[[破嵐万丈|万丈]]を挑発する場面も。
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== 名台詞 ==
 
== 名台詞 ==
 
真のドゥガチ当人は最終局面にしか出てこないため、バイオ脳による影武者の台詞も含んでいる。
 
真のドゥガチ当人は最終局面にしか出てこないため、バイオ脳による影武者の台詞も含んでいる。
;「――それが?」
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;「──それが?」
:衛星イオの第8採掘基地に総攻撃を仕掛けてきた[[クロスボーン・バンガード]]をまとめて始末する為、基地を爆破するという狂気の沙汰に、「この基地に住む数千人は下らない自国民をも道連れにする気か!?」と狼狽する[[ウモン・サモン|ウモン]]への、さも愉快そうに笑いながらの返答。
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:第9話より。衛星イオの第8採掘基地に総攻撃を仕掛けてきた[[クロスボーン・バンガード]]をまとめて始末するため、基地を爆破するという狂気の沙汰に、「この基地にいる数千人の自国民を道連れにする気か?」と狼狽する[[ウモン・サモン|ウモン]]への、さも愉快そうに笑いながらの返答。
;「このわしが生身であったなら、情に流されて止めさせることもできたのかもしれぬが…」<br/>「わしは純粋なドゥガチの思考体であり…ドゥガチが心の奥深くでそう望んでいたのも確かなのだ!」<br/>「―――おまえは…母ににすぎている…」<br/>「わしは討ち滅ぼさねばならぬにおいをひきずりすぎているのだ!」
+
;「このわしが生身であったなら 情に流されて止めさせることもできたのかもしれぬが…」
:テテニスをエレゴレラに乗せた際のモノローグ。地味に'''「生身だったらテテニスの説得に折れていたかもしれない」'''と考えており、(少なくともかつては)娘への情はあった模様。ついでに妻へのこだわりが強すぎるのもこの時点で認めている。
+
;「わしは純粋なドゥガチの思考体であり…ドゥガチが心の奥深くでそれを望んでいたのも確かなのだ!」
;「貴様の…ものでも…あるまい…!」
+
;「おまえは…母に似すぎている…」
:トビアから「ベルナデットは返してもらう」と啖呵を切られて。全然惜しむ気など無い癖にいけしゃあしゃあと吐いてのける。もっとも「家族でもない赤の他人から『返してもらう』と言われるのはおかしい」と言われればそれまでだが。
+
;「わしは討ち滅ぼさねばならぬ においをひきずりすぎているのだ!」
:ちなみに、ベルナデット自身はこの行為を「わざと自分を逃すためにやったことなのではないか」と解釈していた。<ref>一応前述の通りかつては娘への愛情があったこともあり、ベルナデットの意見もあながち的外れな考察でもないのだが、この時のドゥガチがそこまで娘を思いやれるだけの感情があったかはわからない。ただし、トビアはベルナデットを気遣ってか「(ドゥガチがどんな人かは分からないが)最も近くにいた人間である君の信じることが一番近いことだと思う」と述べている。</ref>
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:第17話より、ベルナデットをエレゴレラに乗せた際のモノローグ。'''「生身だったらテテニスの説得に折れていたかもしれない」'''と考えており、少なくともかつては娘への情を抱いていた模様。最終話のクライマックスで叫ぶ「妻への愛憎」に対する伏線にもなっている。
;「貴様!貴様ごときに何がわかる!わしは……わしはたったひとりで木星圏を大きくしてきたのだぞ!たった……ひとりでだ!何もない世界を!吸う空気でさえ作り出さねばならぬ世界を!70猶予年をかけて人の住処に変えてきたのだぞ!それを……地球連邦は地球の周りでぬくぬくとしていた連中は何をしてくれた!?水を切りつめ、喰い物を切りつめ、欲しいときには何もよこさなかったくせに!ようやくどうにか木星圏が自立できるようになって『国』と言えるほどの力を持てるようになると奴らはわしに政略結婚を申し出おった!」<br/>「齡80歳に手の届く老人に地球の良家の娘をくれてやるからと、これで地球とは親類だから仲良くしましょうと言いおった……。尻尾を振れと言われたのだぞ!わかるか!?この屈辱が!?」
+
;「ははははは 笑わせるな 戦いに汚ないきれいはない」
:最終決戦時にトビアから地球を狙う理由を問われて。早い話が「'''開拓時は散々こちらからの支援要請を蹴り続けた癖に、いざ発展したら、連邦が成果を横取りしようとしてきた'''」という事である。<ref>ただし、思惑はどうあれ地球連邦の視点からすれば、[[一年戦争]]から多くの戦争や事件で疲弊していた地球圏に'''木星圏を支援をする余裕などそもそもなかった'''可能性も高い。</ref>
+
;「戦国の世となれば子が親を殺す 親が子を殺すなどというのは珍しくもない! 事実 過去の支配権の争いなどはおおよそそんなものだ!」
:木星圏開拓に生涯を捧げてきた実績は最早ドゥガチの生きる糧であり、人生を賭けた事業だったと言って間違いなかった<ref>事実若い頃のドゥガチは発展途上の木星圏を目に満足気な笑みをたたえている。</ref>。それを今更感丸出しで、しかも逆撫でするような形で肯定する対応をされれば地球連邦を恨むのも無理はないだろう。
+
;「それが人間の本性だ! 血のつながりなど世迷いごとにすぎん! これは──戦争なのだよ」
:しかしそれだけなら「地球を滅ぼす」などと短絡的な行動に走らず、連邦の姿勢云々や木星圏への環境・待遇改善等を主張すればよかったはずだが……彼が凶行に走った理由は連邦への憎悪だけではなかった。
+
;「人質に出した妻や娘を切りすてるのもうんざりするほど普通の手段だ ははは もっともこの場合少し違うのは」
;「さあ?医者はそうだと保証しておったがな。あるいはあやつが卑しい女であれば、あやつだけ憎んでおればそれで済んだのかも知れん」<br/>「だがあれは優しい女だったのだ。優しさを!豊かな土地で育った者にしか無い自然な心の余裕を見せ付けられるたびに、わしがわし自身をどれほどみじめに思ったか!それはわしの造って来た世界を!わしの全てを否定されるに等しかったのだ。きさまにわかるか?」
+
;「おまえが一度も抱いたことのないわしの娘のために勝手に攻撃をためらっている ということだがな!」
:上記台詞の後、トビアに「だけどベルナデットはその人との間の子なんだろう?」と問われて。
+
:第18話より、エレゴレラに乗せたベルナデットをトビアの前に晒し、実の娘を利用する自分に激高したトビアを挑発する。
:ここに来て地球滅亡を目論む真意が「地球から政略結婚で来た妻がなまじできた存在なだけに直接彼女を迫害して憂さ晴らしすることもできず、鬱屈した感情を地球へ向けた」というあまりにも自己本位かつ八つ当たりに等しい理由であり、トビアを愕然とさせた。
+
;トビア「ベルナデットは…返してもらう…いや…」<br>「きさまの…もの…では あるまいっ!!」
;「だから…わしは滅ぼすのだよ。わしを否定しようとする全てを!そして…世界の全てを木星と同じにしてやるのだよ!」<br/>「そうだとも!真の人類の未来?地球不要論!?そんなものは言葉の飾りだっ!わしが真に願ってやまぬものは唯ひとつ!紅蓮の炎に焼かれて消える地球そのものだーっ!」
+
:第19話より、トビアから追い詰められ娘を奪取された際のやり取り。全然惜しむ気などないくせに、いけしゃあしゃあと吐いてのける。もっとも「家族でもない赤の他人から'''『返してもらう』'''と言われるのはおかしい」と言われればそれまでの理屈であるほか、トビア自身も自分の言い回しがおかしい事を自認しているような素振りであった。それを察したトビアは最終的に「ならば海賊らしく'''頂いていく'''」と返すこととなる。
:上記に続きトビアとの戦いの最中ディビニダドに搭載された10基の[[核ミサイル]]を斉射しようとした際の台詞。
+
:ちなみに、ベルナデット自身はエレゴレラに乗せたことを「わざと自分を逃がすためにやったことなのではないか」と解釈していた<ref>一応、前述の通りごくわずかながら娘への愛情が残っていたこともあり、ベルナデットの意見もあながち的外れなわけではないのだが、この時のドゥガチにそこまでベルナデットを思いやる心があったかはわからない。ただし、トビアはベルナデットを気遣ってか「(ドゥガチがどんな人か自分には分からないが)ドゥガチを一番よく知っている君の信じることが、一番真実に近いことだと思う」と述べている。</ref>
:ドゥガチの狂気を象徴するシーンであると同時に、「世界滅ぼして木星と同じにする」=「自分が開拓した木星は滅んだ世界と同じ」と断言してしまう自己嫌悪感や、自分の行為が正気の沙汰でないと分かっていても暴走を止められない心の弱さを発露したシーンである。
+
;「聞け! 国民よ!」
:そんな彼の心の底に触れたトビアは断言した。ドゥガチは、木星人は怪物などではなく「心の歪んだだけのただの人間」であると。
+
;「われらは連邦という 地球に巣食う寄生虫どもを根絶せねばならないっ!」
;「若造の言うことかああっ!」
+
;「この作戦によって地表の60%は死滅するであろう! われらは自らの手で母なる大地をけがす! そのことで深い悲しみに沈む者もいるであろう! だが!」
:トビアに「心の歪んだだけのただの人間」と言われた際に放った台詞。長谷川氏曰く富野監督の指示で追加された台詞だそうで、「(監督の)本音かなぁ?」との事。'''『若造が言わないようなことを若造が言わざるを得ないほどの事態』'''を引き起こした老害が言っていい言葉ではない。
+
;「地球を無傷のまま連邦を駆逐するすべはすでにない! そして彼らが存在する以上われら宇宙の民がその自然の恩恵をうけることはない! 無なのだ!」
 +
;「ならば新しい世界に残された40%こそが いかに至宝であるかを考えてみよ! それがいかにわれらに豊かさをもたらすかを思うがよい!」
 +
;「怒れ! 国民 この大破壊を招いたものがすべて 連邦の無能であると知れ! 怒りを力に変えよ! そして」
 +
;「この宇宙に 新しい秩序をもたらすのだっ!」
 +
:第20話より、クロスボーン・バンガードを壊滅させ、ついに地球圏攻撃計画を発動した際の大弁舌。
 +
;「きさま! きさまごときに何がわかるっ! わしは…わしはたったひとりで木星圏を大きくしてきたのだぞ! たった…ひとりでだ!」
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;「何もない世界を! 吸う空気ですら作り出さねばならぬ世界を! 70ゆうよ年をかけて 人の住み家に変えてきたのだぞ!」
 +
;「それを…地球連邦は 地球の周りでぬくぬくとしていた連中は何をしてくれたっ」
 +
;「水を切りつめ 喰い物を切りつめ 欲しいときには何もよこさなかったくせにっ! ようやくどうにか木星圏が自立できるようになって “国”と言えるほどの力を持てるようになると 奴らはわしに政略結婚を申し出おった!」
 +
;「くくく よわい80歳に手の届く老人に 地球の良家の娘をくれてやるからと これで地球とは親類だから仲良くしましょうと言いおった…」
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;「しっぽをふれと言われたのだぞ! わかるか? この屈辱が?」
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:最終話より。最終決戦時、トビアから地球を狙う理由を問われて。早い話が'''「こちらが苦しい時は何もしてくれなかったのに、上手くいった途端、連邦が成果を横取りしようとしてきた」'''ということである<ref>ただし、思惑はどうあれ連邦の視点からすれば、[[一年戦争]]から多くの戦争や事件、更にそれらの残党との戦いで疲弊していた地球圏に'''木星圏に支援を送る余裕などそもそもなかった'''可能性も高い。尤も、[[グリプス戦役|その戦争の一つ]]に大きく関与した一人が'''木星の苦しい状況を知っていた可能性が高い[[パプテマス・シロッコ]]だった'''のでドゥガチの言い分も全てが一方的なものとも言えないが。</ref>
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:木星圏開拓に生涯を捧げてきた実績は最早ドゥガチの生きる糧であり、誇りだと言って間違いなかった<ref>事実、若き日のドゥガチは発展途上の木星圏を目に満足気な笑みを浮かべている。</ref>。それを成し遂げた後になって、しかも逆撫でするような形で肯定する対応をされれば連邦を恨むのも無理はないだろう。<ref>尤も、少なくとも[[カロッゾ・ロナ|ドゥガチに嫁がせる女性を選んだ人物]]はこれまで木星への支援が出来なかった事実を省みた上で嫁がせる女性の選定には(当人の辛い過去もあって)非常に気を遣っていた。</ref>
 +
:しかしそれだけなら「地球を滅ぼす」などと短絡的な行動に走らず、政略結婚を断ったり、木星圏への待遇改善、それこそ木星への充分な支援などを主張すればよかったはずだが…….。
 +
:『第2次α』では最後の行の台詞がアレンジされ大ダメージ時の台詞に採用されている。
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;トビア「だけどベルナデットはその人との間の子なんだろう? あんたの子…だろう???」
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;「さあ? 医者はそうだと保証しておったがなっ」
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;「あるいはあやつが卑しい女であれば あやつだけ憎んでおればそれですんだのかもしれん」
 +
;「だが あれは優しい女だったのだ」
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;「優しさを! 豊かな土地で育った者にしかない自然な心の余裕を見せつけられるたびに わしがわし自身をどれほどみじめに思ったか!」
 +
;「それはわしの造ってきた世界を! わしのすべてを否定されるに等しかったのだ きさまにわかるか?」
 +
;「だから…わしは滅ぼすのだよ わしを否定しようとするすべてを! そして…」
 +
;「世界のすべてを木星と同じにしてやるのだよ」
 +
:彼が凶行に走った真の理由は、連邦への憎悪などではなかった。あまりにも自己本位、かつ八つ当たりに等しいその本音は、トビアを愕然とさせる。
 +
:皮肉にも、妻が自分本位だったせいで最終的に凶行へと至った[[機動戦士ガンダムF91|前作]]の[[カロッゾ・ロナ|カロッゾ]]とは真逆の経緯である。
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;トビア「それじゃ…それが? そ それが? たったそれだけのことで こんな戦争を起こしたのか!?」
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;「そうだとも! 真の人類の未来? 地球不要論!? そんなものは言葉の飾りだっ! わしが真に願ってやまぬものは唯ひとつ!」
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;「紅蓮の炎に焼かれて消える 地球そのものだ──っ」
 +
:上記の吐露を締めくくる、ディビニダドに搭載された10基の[[核ミサイル]]を斉射しようとした際の絶叫。
 +
:ドゥガチの狂気を象徴するシーンであると同時に、「地球を滅ぼし木星と同じにする」=「(自身が人生を費やして開拓したはずの)木星は滅んだ世界と同じ」と断言してしまう自己嫌悪感や、己のしていることが正気の沙汰でないと分かっていても止まれなくなってしまっていた心の弱さを露わにしたシーンでもある。
 +
:そんな彼の心の底に触れたトビアは断言した。ドゥガチは──木星人は[[ニュータイプ]]でも新しい人類でも、異星から来た侵略者でもない。心の歪んだだけの、ただの人間であると。
 +
;「若造のいうことかああっ」
 +
:トビアに「心の歪んだだけのただの人間」と言われた際に返した台詞。'''「若造が言わないようなこと」を若造が言わざるを得ない、あるいは若造でなくても気づけば誰だって言いたくなるほどの事態'''を引き起こした元凶が言っていい言葉ではない。
 +
:長谷川氏曰く富野監督が追加した台詞で、「(監督の)本音かな?」とのこと<ref>第6巻そでのコメントより。</ref>。
 
:『第2次α』ではハマーンと休戦したルートでのみ[[DVE]]。
 
:『第2次α』ではハマーンと休戦したルートでのみ[[DVE]]。
;「ふはははは……見ろ!ち…地球が燃えるぞ…すべてが消えてゆく。ふ、ふはは…あはははは…」
+
;「ふはははは……見ろ! ち…地球が燃えるぞ…すべてが消えてゆく ふ ふはは…あはははは…」
:X3の自爆に巻き込まれ、コックピット内で炎に包まれながら言った台詞。この後キンケドゥに「たとえ幻でもあなたにそれを見せるわけにはいかない」と言われ、止めを刺された。長谷川氏の作風の都合でグロテスクさは無いものの、止めを刺されるシーンその物は明確に描かれた。
+
:X3の自爆に巻き込まれ、コクピット内で炎に包まれながら言った台詞。この後キンケドゥに「たとえ幻でもあなたにそれを見せるわけにはいかない」と言われ、とどめを刺された。長谷川氏の絵柄でグロテスクさはないものの、死にゆくドゥガチそのものは明確に描かれている。
 
:こちらも『第2次α』ではハマーンと休戦したルートでのみDVE。
 
:こちらも『第2次α』ではハマーンと休戦したルートでのみDVE。
  
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:『[[第2次スーパーロボット大戦α|第2次α]]』[[アイビス・ダグラス|アイビス]]編第6話「滅びを告げる者」シナリオエンドデモより。意識を[[バイオ脳]]ユニットに移し替えたことで、[[破嵐万丈|万丈]]から「人間であることを捨てたのか」と問われて。
 
:『[[第2次スーパーロボット大戦α|第2次α]]』[[アイビス・ダグラス|アイビス]]編第6話「滅びを告げる者」シナリオエンドデモより。意識を[[バイオ脳]]ユニットに移し替えたことで、[[破嵐万丈|万丈]]から「人間であることを捨てたのか」と問われて。
 
:何気に本作で初めてメガノイドに言及している。後述の台詞と併せ、[[破嵐創造]]と何らかの繋がりがあったのかも知れない。
 
:何気に本作で初めてメガノイドに言及している。後述の台詞と併せ、[[破嵐創造]]と何らかの繋がりがあったのかも知れない。
;「ならば、どうすると言うのだ? 破嵐創造の息子よ!」
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;「ならば、どうすると言うのだ?破嵐創造の息子よ!」
:『第2次α』第33話「少年の向かう未来」に於ける万丈との[[戦闘前会話]]。自分の[[ベルナデット・ブリエット|娘]]すら犠牲にするエゴを糾弾する万丈に対し、彼が憎む父親の名前を挙げて挑発する。
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:『第2次α』第33話「少年の向かう未来」における万丈との[[戦闘前会話]]。自分の娘すら犠牲にするエゴを糾弾する万丈に対し、彼が憎む父親の名前を挙げて挑発する。
 
;「あの時の戦いで破壊したバイオユニットがクラックス・ドゥガチの全てだと思ったら、大間違いだ。そう…。つまりワシは、このワシだけではない!」
 
;「あの時の戦いで破壊したバイオユニットがクラックス・ドゥガチの全てだと思ったら、大間違いだ。そう…。つまりワシは、このワシだけではない!」
:『[[スーパーロボット大戦V|V]]』通常ルート第50話/困難ルート最終話より、[[ディビニダド]]に乗って現れた事に驚愕する[[トビア・アロナクス|トビア]]達に対して。この台詞の直後、更に二機のディビニダドが出現する。
+
:『[[スーパーロボット大戦V|V]]』通常ルート第50話/困難ルート最終話より、[[ディビニダド]]に乗って現れたことに驚愕する[[トビア・アロナクス|トビア]]たちに対して。この台詞の直後、さらに2機のディビニダドが出現する。
 
;「このワシに指図するな」<br />「だが、絶好の機会に巡り合わせた貴様の[[強運]]には感謝しているぞ」<br />「まさか、この目で地球の最期を見られるとはな」
 
;「このワシに指図するな」<br />「だが、絶好の機会に巡り合わせた貴様の[[強運]]には感謝しているぞ」<br />「まさか、この目で地球の最期を見られるとはな」
:同上。[[グレムト・ゲール|ゲール]]から命令されるが、彼が従う筈もなかった。とは言えゲールの悪運無くしては到底ここまで辿り着けなかったのも事実であり、一応その点には感謝している模様。
+
:同上。[[グレムト・ゲール|ゲール]]からの命令を一蹴。とは言えゲールの悪運なくしては到底ここまで辿り着けなかったのも事実であり、一応その点には感謝している模様。
 
;「ククク…[[大ガミラス帝星|ガミラス]]の攻撃で滅びる地球などに未練はないと銀河系を飛び出してはみたが…」<br />「やはり、その場に出くわせば、心躍るというものだ」<br />「さあ、海賊とその仲間達よ。絶望するがいい」<br />「ここで最後の希望であるお前達は倒され、地球は滅びの時を迎えるのだ!」
 
;「ククク…[[大ガミラス帝星|ガミラス]]の攻撃で滅びる地球などに未練はないと銀河系を飛び出してはみたが…」<br />「やはり、その場に出くわせば、心躍るというものだ」<br />「さあ、海賊とその仲間達よ。絶望するがいい」<br />「ここで最後の希望であるお前達は倒され、地球は滅びの時を迎えるのだ!」
:同上。あくまで自分自身の手で地球を滅ぼそうとしたオリジナルのドゥガチとは違い、『V』のバイオ脳達は然程手段に拘ってはいない様に見受けられるが、それでも地球に対する怨念と執着は変わらない。
+
:同上。あくまで自分自身の手で地球を滅ぼそうとしたオリジナルのドゥガチとは違い、『V』のバイオ脳たちはさほど手段にこだわってはいない様子が見受けられるが、それでも地球に対する怨念と執着は変わらない。
 
;「お前の事は知っているぞ、海賊小僧。地球に降りたドゥガチの最後の記憶はワシにも転送されている」<br />「あの時の借りを返す…!そして今度こそ、この手で地球を…!」
 
;「お前の事は知っているぞ、海賊小僧。地球に降りたドゥガチの最後の記憶はワシにも転送されている」<br />「あの時の借りを返す…!そして今度こそ、この手で地球を…!」
:『V』でのトビアとの戦闘前会話より。かつての敗北の恨みを晴らさんと彼に襲い掛かる。この発言からすると、ドゥガチのオリジナルとバイオ脳達は記憶がリンクしていた様である。
+
:『V』でのトビアとの戦闘前会話より。かつての敗北の恨みを晴らさんと彼に襲い掛かる。この発言からすると、ドゥガチのオリジナルとバイオ脳は記憶がリンクしていたようである。
 
;「娘…?そう言えば、いたな…」
 
;「娘…?そう言えば、いたな…」
:上記の台詞の後、通常ルート第50話ではトビアから「目の前でベルナデットがさらわれても何とも思わないのか」と詰られるも、平然とこう言い放った。
+
:上記の台詞の後、通常ルート第50話ではトビアから「目の前でベルナデットがさらわれても何とも思わないのか」となじられるも、平然とこう言い返した。
:元より娘への愛情は皆無であったとは言え、地球への憎しみの余り、遂にその存在すら忘れ去ってしまったのだろうか。
+
:元より娘への愛情は皆無であったとは言え、地球への憎しみのあまり、ついにその存在すら忘れ去ってしまったのだろうか。
:なお、困難ルート最終話ではベルナデットがさらわれる展開が無い為会話の内容が異なるが、どちらにしても「人間以下」と断じられるのは変わらない。
+
:なお、困難ルート最終話ではベルナデットがさらわれる展開がないので会話の内容が異なるが、どちらにしても「人間以下」と断じられることは変わらない。
 
;「海賊め!地球に降りたドゥガチが最後に見たものはお前の攻撃だった!」<br />「あの時の借りは、ここで返すぞ!」
 
;「海賊め!地球に降りたドゥガチが最後に見たものはお前の攻撃だった!」<br />「あの時の借りは、ここで返すぞ!」
 
:『V』での[[キンケドゥ・ナウ|キンケドゥ]]との戦闘前会話より。トビアと同様にかつての戦いでの恨みを晴らそうとするが、キンケドゥはその執念深さに呆れ返っていた。
 
:『V』での[[キンケドゥ・ナウ|キンケドゥ]]との戦闘前会話より。トビアと同様にかつての戦いでの恨みを晴らそうとするが、キンケドゥはその執念深さに呆れ返っていた。
 
;「フハハ!ハハハハハ!」<br />「33万6000光年の旅も全ては無駄になる!」<br />「ワシには見える!三つの地球が滅ぶ様が!」
 
;「フハハ!ハハハハハ!」<br />「33万6000光年の旅も全ては無駄になる!」<br />「ワシには見える!三つの地球が滅ぶ様が!」
:最後のドゥガチを撃墜した際の台詞。かつてのオリジナルと同じく、地球の滅びを幻視して狂喜するが…。
+
:最後のドゥガチを撃墜した際の台詞。かつてのオリジナルと同じく、地球の滅びを幻視して狂喜するが……。
 
;「若造の言う事かっ!」<br />トビア「若造だから言うんだ! もうあんたの時代じゃないんだよ!!」<br />キンケドゥ「消えろ、ドゥガチ!お前の見た光景は幻だ!」<br />「ぬ、ぬおおおおおおっ!!」
 
;「若造の言う事かっ!」<br />トビア「若造だから言うんだ! もうあんたの時代じゃないんだよ!!」<br />キンケドゥ「消えろ、ドゥガチ!お前の見た光景は幻だ!」<br />「ぬ、ぬおおおおおおっ!!」
 
:『V』での最期。再び海賊達に引導を渡され、その妄執と共に消え去った。どこか[[アマンダラ・カマンダラ|この人]]の最期を彷彿とさせる散り際である。
 
:『V』での最期。再び海賊達に引導を渡され、その妄執と共に消え去った。どこか[[アマンダラ・カマンダラ|この人]]の最期を彷彿とさせる散り際である。
 
;「地球が…三つの地球が歪んでいく!」<br />「それさえ見られれば、ワシは…!」
 
;「地球が…三つの地球が歪んでいく!」<br />「それさえ見られれば、ワシは…!」
 
:困難ルート最終話より、ドゥガチを残して[[アベルト・デスラー|デスラー]]を撃墜した際のイベントでの断末魔。
 
:困難ルート最終話より、ドゥガチを残して[[アベルト・デスラー|デスラー]]を撃墜した際のイベントでの断末魔。
:[[バースカル]]を掌握した[[ネバンリンナ]]の攻撃により、三つの地球の滅びを目前にして散っていった。
+
:[[バースカル]]を掌握した[[ネバンリンナ]]の攻撃により、3つの地球の滅びを目前にして散っていった。
 
:なお通常ルート第50話で撃墜せずにクリアした場合も、この台詞と共に死亡する。
 
:なお通常ルート第50話で撃墜せずにクリアした場合も、この台詞と共に死亡する。
  
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;[[エレゴレラ]]
 
;[[エレゴレラ]]
 
:木星帝国の試作型可変[[モビルアーマー]]。
 
:木星帝国の試作型可変[[モビルアーマー]]。
:戦意向上の為に娘の[[ベルナデット・ブリエット|テテニス]]が搭乗しているが、実態はドゥガチのバイオ脳が制御する自動操縦の機体。
+
:戦意高揚のために娘の[[ベルナデット・ブリエット|テテニス]]が搭乗しているが、実際の制御はドゥガチのバイオ脳が行う自動操縦機。
 
;[[ディビニダド]]
 
;[[ディビニダド]]
 
:木星帝国の切り札である超巨大モビルアーマー。
 
:木星帝国の切り札である超巨大モビルアーマー。
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== 余談 ==
 
== 余談 ==
* ドゥガチに初めて声がついた『GGENERATION-F』(2000年)では永井一郎氏が声を担当しており、『第2次α』でもそれに準じている。その後発売された『GGENERATION SPIRITS』(2007年)では何名かのキャラクターがそれまでのシリーズからキャスティングが変更されており、ドゥガチも麦人氏に変更された。以降のゲーム作品では麦人氏で統一されており、『V』ではそれに合わせる形で麦人氏にキャスティング変更されている(永井氏が故人であったことや『V』では麦人氏が他の役でも出演していることも影響していると思われる)。
+
* ドゥガチに初めて声がついた『SDガンダム GジェネレーションF』(2000年)では永井一郎氏が声を担当しており、『第2次α』でもそれに準じている。その後発売された『GジェネレーションSPIRITS』(2007年)では何名かのキャラクターがそれまでのシリーズからキャスティングが変更されており、ドゥガチも麦人氏に変更された。以降のゲーム作品では麦人氏で統一されており、『V』ではそれに合わせる形で麦人氏にキャスティング変更されている(永井氏が故人であったことや『V』では麦人氏が他の役でも出演していることも影響していると思われる)。
  
 
== 脚注 ==
 
== 脚注 ==
 
<references />
 
<references />
  
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== 資料リンク ==
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*[[GUNDAM:クラックス・ドゥガチ]]
 
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2024年7月5日 (金) 12:27時点における最新版

クラックス・ドゥガチ
登場作品

ガンダムシリーズ

声優 永井一郎(初代)
麦人(二代目)
デザイン 長谷川裕一
初登場SRW 第2次スーパーロボット大戦α
SRWでの分類 パイロット
テンプレートを表示
プロフィール
種族 地球人
性別
所属 木星帝国
役職 総統
テンプレートを表示

クラックス・ドゥガチは『機動戦士クロスボーン・ガンダム』の登場人物。

概要[編集 | ソースを編集]

木星帝国の総統。

普段はバイオ脳を搭載した10体の人形を影武者として操り、指示を出している。人形9体は長髪の老人であるが、本物のドゥガチは禿頭で、頭部の至る箇所に太いパイプや管が接続されており、口部には酸素を供給するマスクを付けている。

ベルナデットの母親と結婚した時に「齢80に手が届く老人」だったらしいので、本編では90代半ばには達していると思われる。

木星コロニーの発展に生涯を尽くしてきた人物であったが、地球連邦政府と外交関係が持てるところまでに発展させてきたという強烈な自負を、政略結婚という連邦からの仕打ちと、妻になった女性の「豊かな土地で育った者にしかない自然な心の余裕」に抱いた劣等感によって打ち砕かれ、妻の死後は地球の死滅を企てるようになった。

最終作戦として親善訪問を装って地球圏に侵攻し、多数の核ミサイルを搭載したジュピトリス9で地球そのものを焼き尽くそうとするが、宇宙海賊クロスボーン・バンガードによって阻まれる。

小型核弾頭でジュピトリス9を轟沈させられたドゥガチは、巨大モビルアーマーディビニダドに搭乗して自ら出撃。7体の影武者が搭乗する7機が連邦のMS部隊と交戦している隙に、本体はヘリウム積載タンクに偽装した降下カプセルでディビニダドごと地球へ降りるが、生々しい「悪意」でそれを察したトビア・アロナクスに肉薄され、海上で死闘を演じる。ドゥガチ自身は優れたパイロットではなかったために戦闘ではトビアに押され気味であったが、狂気と憎しみを力に変え戦い続けた。

最後は腕部Iフィールドを全開にしたクロスボーン・ガンダムX3の捨て身の突撃によってディビニダドのメガ粒子砲の砲撃を抑え込まれ、暴発に巻き込まれる。炎の中で死にゆくドゥガチは地球が灼かれる幻想に取り憑かれながら笑い声を上げたが、それを哀れんだキンケドゥ・ナウクロスボーン・ガンダムX1改によるスクリュー・ウェッブの一撃でとどめを刺され、憎しみに取り憑かれたその生涯に幕を閉じた。

なお、作中でそれらしい描写はないが、ディビニダドにファンネルが搭載されていたからか、ゲーム媒体ではニュータイプとして設定されている場合がある。

登場作品と役柄[編集 | ソースを編集]

αシリーズ[編集 | ソースを編集]

第2次スーパーロボット大戦α
初登場作品。声は『GジェネF』で声優を担当した永井一郎氏。
原作同様に木星帝国の総統として登場し、シャアネオ・ジオンと組んで地球の破滅を企てる。αシリーズでは『第2次α』以前に敵勢力としてジュピトリアンが登場していたが、『α』でのバルマー戦役時はジュピトリアンとは一歩離れた立ち位置にあったらしい。
敵パイロットとしてはエレゴレラを経てディビニダドに搭乗し、最後は他の影武者と共に登場する。
なお、設定ミスかどうかは定かではないが、影武者と本物の顔グラフィックが逆になっている[1]

VXT三部作[編集 | ソースを編集]

スーパーロボット大戦V
声が『Gジェネ』の現行シリーズで担当している麦人氏に変更された。
原作終了後のため本物のドゥガチはすでに死亡しているものの、ガミラス軍に木星戦役に投入されなかったバイオ脳ユニットとディビニダドが3機預けられており、ゲールが通常ルート50話、困難ルート最終話で最後の切り札として放ってくる。本人は死亡済みなので、顔グラフィックは影武者のものしかない。
バイオ脳とはいえオリジナルがキンケドゥにとどめを刺された際の記憶も有しており、実質本人が生き延びていたのと変わりない。その憎悪と狂気はより膨れ上がっており、通常ルートにおいては自分の娘の存在すらも忘れてしまい、トビアからは「人間以下の存在になっちまった」と断じられた。
最期は地球が滅びる様を幻視しつつ散っていくが、困難ルートではデスラーを撃墜するまで放置しているとネバンリンナに葬り去られる。通常ルートで撃墜せずにクリアした場合、真のアルゼナル消滅に伴う空間の歪みに巻き込まれ、機体が爆発し死亡する。
スーパーロボット大戦T
『V』同様原作終了後で本人は死亡済み。コロニーレーザーでの決戦においてバイオ脳ユニットとディビニダドが7機出現し「鋼鉄の7人」との決戦になる。
今作では自軍テンカワ・アキトヴァンなど復讐者がいることもあってか、彼の心境は主人に少なからず理解を示されている。

パイロットステータス[編集 | ソースを編集]

原作では「戦いのプロではない」と評されたドゥガチであるが、『第2次α』では地形適応を除いて軒並みSであり、ディビニダドのポテンシャルを存分に引き出して襲い掛かってくる。これも彼の狂気と執念が成せる業であろう。

精神コマンド[編集 | ソースを編集]

第2次α
不屈ド根性必中気合かく乱
オリジナル、コピー共に全く同じラインナップ。
不屈ド根性気合は生涯を賭けて木星圏を繁栄させてきた忍耐強さを、かく乱は影武者を囮に使ったことを反映しているのだろうか?
VT
根性努力不屈先見気迫
どれを取っても木星圏を開拓・繁栄させてきた意地に満ち溢れている。ある意味ドゥガチの人と成りを表したかのようなラインナップとなっている。

特殊技能(特殊スキル)[編集 | ソースを編集]

第2次α
ニュータイプL3、指揮官L4、Eセーブ気力+ダメージ底力L7、援護攻撃L3
精神コマンド同様、オリジナル、コピー共に全く同じラインナップ。高レベルの指揮官に底力、そして低レベルとはいえニュータイプ技能をも備えている。
V
プレッシャーL3、底力L3、気力+(DEF)気力限界突破L3、援護攻撃L1
そこそこ強力なラインナップだが、『第2次α』とは違い指揮官とニュータイプ技能を所持していない。
トビアに糾弾された通り、最早「ただの人間以下」の存在に成り下がってしまったが故であろうか。
T
プレッシャーL3、底力L5、気力+(DEF)気力限界突破L3、援護攻撃L1
『V』から所持技能の変化は無いが、微妙に底力レベルが上がった。

小隊長能力[編集 | ソースを編集]

MAP兵器無効
第2次α』で影武者が所持する能力。これのおかげで彼らを一網打尽にすることができず、原作同様個別に撃墜せざるを得ない。
反撃時の攻撃力+20%
オリジナルのドゥガチが所持しているのはこちら。

エースボーナス[編集 | ソースを編集]

気力130以上で与ダメージ1.2倍
V』で採用。
気力130以上で与ダメージ1.2倍。自軍フェイズの開始時、精神コマンド「必中」がかかる。
T』で採用。

人間関係[編集 | ソースを編集]

ダナエ・ブリエット
地球の良家出身でありドゥガチの妻。本編では既に故人となっているが死因は不明。名称が判明したのは『機動戦士ガンダムF90 ファステストフォーミュラ』より。
元々がドゥガチ死後の木星圏を支配するための見え透いた政略結婚であった[2]ことに加え、当人がまるで地球の豊かさを体現したような心優しい女性だったために、ドゥガチは恵まれた出生への嫉妬や木星開拓に費やした人生に対する虚しさ、引いては自分自身の卑しさを刺激させられ、地球の死滅を企むという狂行に走った。
一方で政略結婚を断らなかったことに始まり、結婚後も別居することなく傍に置き続け子供まで儲けていたこと、彼女自身に対してもその優しい人柄を認めてすらいたこと、そしてそれゆえに恨みや憎しみをぶつけられなかったこともあり[3]、ドゥガチの妻に対する複雑な想いが見て取れる。『第2次α』でベラ・ロナは、そんな彼の心境を「愛ゆえの憎しみ」と表現した。
ベルナデット・ブリエット(テテニス・ドゥガチ)
実の娘。最終決戦時には「医者は(実子だと)保証しておった」程度の思い入れしかなく、妻と同じく優しい性格であることからそれと重ねて憎悪していた。だがその一方で、彼女に教えていた地球人の知識がデタラメだったことを責められた際には言葉を詰まらせる、エレゴレラに乗せた際に「自分は嫁の事を引きずりすぎている」「生身だったら情に流されていたかもしれない」と考えるなど、娘への愛情も残っていたように見える。少なくとも凶行に走る以前のドゥガチは娘に対して妻同様に愛情を持っていた可能性が高く、ベルナデットも父を憎んだりはしていなかった。それを汲み取ってかベルナデット側も最終的にトビアの元へ渡った際のやり取りを「私を逃がすためにわざとやった」と信じていた。
木星の重役を含め帝国民からの人気が高かったことからそこは利用しており、『鋼鉄の7人』によると、トビアに奪還された後、クロスボーン・バンガードに殺されたことにして国民の敵意を煽っていた模様。
トビア・アロナクス
事実上、娘の彼氏にあたる。彼によってエレゴレラもろともバイオ脳の一つを破壊され、オリジナルのドゥガチも彼によって引導を渡された。
キンケドゥ・ナウ
自分の悲願を阻む仇敵。最終的に彼の手でとどめを刺される。
V』ではその時の記憶を有しており、彼に対して憎悪を燃やす。
ザビーネ・シャル
寝返った新参者。「地球亡き後の世界はお前にくれてやってもいい」と言ったが、ドゥガチ自身は地球が滅べばその後の事など考えてもいなかったので、もし本当に野望が成就した時にどうするつもりだったのかは不明。結局のところ、体よく利用できる捨て駒としか見ていなかったのだろう。
カラス
部下。理念の共有などはしておらずカラス側からも「木星帝国の思想などどうでもいい」とまで断じていたが、弱肉強食を前提とする思想を持つカラスからしてみれば木星圏を広げた功績ゆえかカラスはドゥガチを「強者」と見ており忠実で、ドゥガチも側近として重用していた模様。
エウロペ・ドゥガチ
SRW未登場。『鋼鉄の7人』に登場したドゥガチの後妻。ドゥガチが彼女をどう思っていたのかは描写されていない。
フォンセ・カガチ
『ゴースト』では、木星船団に所属していた頃の彼の恩人とされ、キゾを預かる。
キゾ
SRW未登場。『ゴースト』で登場した内縁の妻との間に生まれた息子で、テテニス(ベルナデット)の異母兄。生まれた直後に政略結婚の件が起こり、カガチに預けられる。
その後も息子を思う形でカラスたち工作員を時折送って様子を見ていたが、キゾからはいざとなれば地球圏侵攻の足掛かりにしようとしていることを見抜かれており、生まれた時に受けた仕打ちもあって、己の出生を隠すほどに憎まれていた。

他作品との人間関係[編集 | ソースを編集]

シャア・アズナブル
第2次α』では彼と同盟を結び、地球の滅亡を企てる。
一方の『T』では彼やハマーンのやり方を手ぬるいと批判するが、それは人類を団結させるためにあえて悪役を演じた彼の真意を一切理解していない発言であり、当然シャア本人からも「ニュータイプと対極にいる者」「私怨に駆られた輩」と断じられた。
破嵐創造
『第2次α』ではメガノイドの存在を知っており、彼の名前を出して万丈を挑発する場面も。
イオ基地の戦いでは自身を「(人を捨てた自分は)メガノイドと同じ」と語っており、後に万丈も「その醜いエゴは既に人間のものではない」と断じた。
グレムト・ゲール
V』では彼の切り札としてディビニダドと共に温存されていた。
ハマーン・カーン
『T』では彼女から「肥大したエゴの行き先」と断じられる。

名台詞[編集 | ソースを編集]

真のドゥガチ当人は最終局面にしか出てこないため、バイオ脳による影武者の台詞も含んでいる。

「──それが?」
第9話より。衛星イオの第8採掘基地に総攻撃を仕掛けてきたクロスボーン・バンガードをまとめて始末するため、基地を爆破するという狂気の沙汰に、「この基地にいる数千人の自国民を道連れにする気か?」と狼狽するウモンへの、さも愉快そうに笑いながらの返答。
「このわしが生身であったなら 情に流されて止めさせることもできたのかもしれぬが…」
「わしは純粋なドゥガチの思考体であり…ドゥガチが心の奥深くでそれを望んでいたのも確かなのだ!」
「おまえは…母に似すぎている…」
「わしは討ち滅ぼさねばならぬ においをひきずりすぎているのだ!」
第17話より、ベルナデットをエレゴレラに乗せた際のモノローグ。「生身だったらテテニスの説得に折れていたかもしれない」と考えており、少なくともかつては娘への情を抱いていた模様。最終話のクライマックスで叫ぶ「妻への愛憎」に対する伏線にもなっている。
「ははははは 笑わせるな 戦いに汚ないきれいはない」
「戦国の世となれば子が親を殺す 親が子を殺すなどというのは珍しくもない! 事実 過去の支配権の争いなどはおおよそそんなものだ!」
「それが人間の本性だ! 血のつながりなど世迷いごとにすぎん! これは──戦争なのだよ」
「人質に出した妻や娘を切りすてるのもうんざりするほど普通の手段だ ははは もっともこの場合少し違うのは」
「おまえが一度も抱いたことのないわしの娘のために勝手に攻撃をためらっている ということだがな!」
第18話より、エレゴレラに乗せたベルナデットをトビアの前に晒し、実の娘を利用する自分に激高したトビアを挑発する。
トビア「ベルナデットは…返してもらう…いや…」
「きさまの…もの…では あるまいっ!!」
第19話より、トビアから追い詰められ娘を奪取された際のやり取り。全然惜しむ気などないくせに、いけしゃあしゃあと吐いてのける。もっとも「家族でもない赤の他人から『返してもらう』と言われるのはおかしい」と言われればそれまでの理屈であるほか、トビア自身も自分の言い回しがおかしい事を自認しているような素振りであった。それを察したトビアは最終的に「ならば海賊らしく頂いていく」と返すこととなる。
ちなみに、ベルナデット自身はエレゴレラに乗せたことを「わざと自分を逃がすためにやったことなのではないか」と解釈していた[4]
「聞け! 国民よ!」
「われらは連邦という 地球に巣食う寄生虫どもを根絶せねばならないっ!」
「この作戦によって地表の60%は死滅するであろう! われらは自らの手で母なる大地をけがす! そのことで深い悲しみに沈む者もいるであろう! だが!」
「地球を無傷のまま連邦を駆逐するすべはすでにない! そして彼らが存在する以上われら宇宙の民がその自然の恩恵をうけることはない! 無なのだ!」
「ならば新しい世界に残された40%こそが いかに至宝であるかを考えてみよ! それがいかにわれらに豊かさをもたらすかを思うがよい!」
「怒れ! 国民 この大破壊を招いたものがすべて 連邦の無能であると知れ! 怒りを力に変えよ! そして」
「この宇宙に 新しい秩序をもたらすのだっ!」
第20話より、クロスボーン・バンガードを壊滅させ、ついに地球圏攻撃計画を発動した際の大弁舌。
「きさま! きさまごときに何がわかるっ! わしは…わしはたったひとりで木星圏を大きくしてきたのだぞ! たった…ひとりでだ!」
「何もない世界を! 吸う空気ですら作り出さねばならぬ世界を! 70ゆうよ年をかけて 人の住み家に変えてきたのだぞ!」
「それを…地球連邦は 地球の周りでぬくぬくとしていた連中は何をしてくれたっ」
「水を切りつめ 喰い物を切りつめ 欲しいときには何もよこさなかったくせにっ! ようやくどうにか木星圏が自立できるようになって “国”と言えるほどの力を持てるようになると 奴らはわしに政略結婚を申し出おった!」
「くくく よわい80歳に手の届く老人に 地球の良家の娘をくれてやるからと これで地球とは親類だから仲良くしましょうと言いおった…」
「しっぽをふれと言われたのだぞ! わかるか? この屈辱が?」
最終話より。最終決戦時、トビアから地球を狙う理由を問われて。早い話が「こちらが苦しい時は何もしてくれなかったのに、上手くいった途端、連邦が成果を横取りしようとしてきた」ということである[5]
木星圏開拓に生涯を捧げてきた実績は最早ドゥガチの生きる糧であり、誇りだと言って間違いなかった[6]。それを成し遂げた後になって、しかも逆撫でするような形で肯定する対応をされれば連邦を恨むのも無理はないだろう。[7]
しかしそれだけなら「地球を滅ぼす」などと短絡的な行動に走らず、政略結婚を断ったり、木星圏への待遇改善、それこそ木星への充分な支援などを主張すればよかったはずだが…….。
『第2次α』では最後の行の台詞がアレンジされ大ダメージ時の台詞に採用されている。
トビア「だけどベルナデットはその人との間の子なんだろう? あんたの子…だろう???」
「さあ? 医者はそうだと保証しておったがなっ」
「あるいはあやつが卑しい女であれば あやつだけ憎んでおればそれですんだのかもしれん」
「だが あれは優しい女だったのだ」
「優しさを! 豊かな土地で育った者にしかない自然な心の余裕を見せつけられるたびに わしがわし自身をどれほどみじめに思ったか!」
「それはわしの造ってきた世界を! わしのすべてを否定されるに等しかったのだ きさまにわかるか?」
「だから…わしは滅ぼすのだよ わしを否定しようとするすべてを! そして…」
「世界のすべてを木星と同じにしてやるのだよ」
彼が凶行に走った真の理由は、連邦への憎悪などではなかった。あまりにも自己本位、かつ八つ当たりに等しいその本音は、トビアを愕然とさせる。
皮肉にも、妻が自分本位だったせいで最終的に凶行へと至った前作カロッゾとは真逆の経緯である。
トビア「それじゃ…それが? そ それが? たったそれだけのことで こんな戦争を起こしたのか!?」
「そうだとも! 真の人類の未来? 地球不要論!? そんなものは言葉の飾りだっ! わしが真に願ってやまぬものは唯ひとつ!」
「紅蓮の炎に焼かれて消える 地球そのものだ──っ」
上記の吐露を締めくくる、ディビニダドに搭載された10基の核ミサイルを斉射しようとした際の絶叫。
ドゥガチの狂気を象徴するシーンであると同時に、「地球を滅ぼし木星と同じにする」=「(自身が人生を費やして開拓したはずの)木星は滅んだ世界と同じ」と断言してしまう自己嫌悪感や、己のしていることが正気の沙汰でないと分かっていても止まれなくなってしまっていた心の弱さを露わにしたシーンでもある。
そんな彼の心の底に触れたトビアは断言した。ドゥガチは──木星人はニュータイプでも新しい人類でも、異星から来た侵略者でもない。心の歪んだだけの、ただの人間であると。
「若造のいうことかああっ」
トビアに「心の歪んだだけのただの人間」と言われた際に返した台詞。「若造が言わないようなこと」を若造が言わざるを得ない、あるいは若造でなくても気づけば誰だって言いたくなるほどの事態を引き起こした元凶が言っていい言葉ではない。
長谷川氏曰く富野監督が追加した台詞で、「(監督の)本音かな?」とのこと[8]
『第2次α』ではハマーンと休戦したルートでのみDVE
「ふはははは……見ろ! ち…地球が燃えるぞ…すべてが消えてゆく ふ ふはは…あはははは…」
X3の自爆に巻き込まれ、コクピット内で炎に包まれながら言った台詞。この後キンケドゥに「たとえ幻でもあなたにそれを見せるわけにはいかない」と言われ、とどめを刺された。長谷川氏の絵柄でグロテスクさはないものの、死にゆくドゥガチそのものは明確に描かれている。
こちらも『第2次α』ではハマーンと休戦したルートでのみDVE。

スパロボシリーズの名台詞[編集 | ソースを編集]

「そうだ。かつてのメガノイドと同じようにな…」
第2次αアイビス編第6話「滅びを告げる者」シナリオエンドデモより。意識をバイオ脳ユニットに移し替えたことで、万丈から「人間であることを捨てたのか」と問われて。
何気に本作で初めてメガノイドに言及している。後述の台詞と併せ、破嵐創造と何らかの繋がりがあったのかも知れない。
「ならば、どうすると言うのだ?破嵐創造の息子よ!」
『第2次α』第33話「少年の向かう未来」における万丈との戦闘前会話。自分の娘すら犠牲にするエゴを糾弾する万丈に対し、彼が憎む父親の名前を挙げて挑発する。
「あの時の戦いで破壊したバイオユニットがクラックス・ドゥガチの全てだと思ったら、大間違いだ。そう…。つまりワシは、このワシだけではない!」
V』通常ルート第50話/困難ルート最終話より、ディビニダドに乗って現れたことに驚愕するトビアたちに対して。この台詞の直後、さらに2機のディビニダドが出現する。
「このワシに指図するな」
「だが、絶好の機会に巡り合わせた貴様の強運には感謝しているぞ」
「まさか、この目で地球の最期を見られるとはな」
同上。ゲールからの命令を一蹴。とは言えゲールの悪運なくしては到底ここまで辿り着けなかったのも事実であり、一応その点には感謝している模様。
「ククク…ガミラスの攻撃で滅びる地球などに未練はないと銀河系を飛び出してはみたが…」
「やはり、その場に出くわせば、心躍るというものだ」
「さあ、海賊とその仲間達よ。絶望するがいい」
「ここで最後の希望であるお前達は倒され、地球は滅びの時を迎えるのだ!」
同上。あくまで自分自身の手で地球を滅ぼそうとしたオリジナルのドゥガチとは違い、『V』のバイオ脳たちはさほど手段にこだわってはいない様子が見受けられるが、それでも地球に対する怨念と執着は変わらない。
「お前の事は知っているぞ、海賊小僧。地球に降りたドゥガチの最後の記憶はワシにも転送されている」
「あの時の借りを返す…!そして今度こそ、この手で地球を…!」
『V』でのトビアとの戦闘前会話より。かつての敗北の恨みを晴らさんと彼に襲い掛かる。この発言からすると、ドゥガチのオリジナルとバイオ脳は記憶がリンクしていたようである。
「娘…?そう言えば、いたな…」
上記の台詞の後、通常ルート第50話ではトビアから「目の前でベルナデットがさらわれても何とも思わないのか」となじられるも、平然とこう言い返した。
元より娘への愛情は皆無であったとは言え、地球への憎しみのあまり、ついにその存在すら忘れ去ってしまったのだろうか。
なお、困難ルート最終話ではベルナデットがさらわれる展開がないので会話の内容が異なるが、どちらにしても「人間以下」と断じられることは変わらない。
「海賊め!地球に降りたドゥガチが最後に見たものはお前の攻撃だった!」
「あの時の借りは、ここで返すぞ!」
『V』でのキンケドゥとの戦闘前会話より。トビアと同様にかつての戦いでの恨みを晴らそうとするが、キンケドゥはその執念深さに呆れ返っていた。
「フハハ!ハハハハハ!」
「33万6000光年の旅も全ては無駄になる!」
「ワシには見える!三つの地球が滅ぶ様が!」
最後のドゥガチを撃墜した際の台詞。かつてのオリジナルと同じく、地球の滅びを幻視して狂喜するが……。
「若造の言う事かっ!」
トビア「若造だから言うんだ! もうあんたの時代じゃないんだよ!!」
キンケドゥ「消えろ、ドゥガチ!お前の見た光景は幻だ!」
「ぬ、ぬおおおおおおっ!!」
『V』での最期。再び海賊達に引導を渡され、その妄執と共に消え去った。どこかこの人の最期を彷彿とさせる散り際である。
「地球が…三つの地球が歪んでいく!」
「それさえ見られれば、ワシは…!」
困難ルート最終話より、ドゥガチを残してデスラーを撃墜した際のイベントでの断末魔。
バースカルを掌握したネバンリンナの攻撃により、3つの地球の滅びを目前にして散っていった。
なお通常ルート第50話で撃墜せずにクリアした場合も、この台詞と共に死亡する。

搭乗機体[編集 | ソースを編集]

エレゴレラ
木星帝国の試作型可変モビルアーマー
戦意高揚のために娘のテテニスが搭乗しているが、実際の制御はドゥガチのバイオ脳が行う自動操縦機。
ディビニダド
木星帝国の切り札である超巨大モビルアーマー。
劇中では8機登場し、内7機はエレゴレラ同様ドゥガチのバイオ脳が制御している。「動く核爆弾」とでも言うべき狂気の機体。

余談[編集 | ソースを編集]

  • ドゥガチに初めて声がついた『SDガンダム GジェネレーションF』(2000年)では永井一郎氏が声を担当しており、『第2次α』でもそれに準じている。その後発売された『GジェネレーションSPIRITS』(2007年)では何名かのキャラクターがそれまでのシリーズからキャスティングが変更されており、ドゥガチも麦人氏に変更された。以降のゲーム作品では麦人氏で統一されており、『V』ではそれに合わせる形で麦人氏にキャスティング変更されている(永井氏が故人であったことや『V』では麦人氏が他の役でも出演していることも影響していると思われる)。

脚注[編集 | ソースを編集]

  1. 厳密にはアイビスルート第6話「滅びを告げる者」のイベントで対面した影武者の正体が、原作における本物のドゥガチの顔グラフィックになっている。そのため、影武者なのに、『第2次α』で本物のドゥガチが見られるのはこの場面だけという奇妙な事態になる。
  2. ドゥガチの立場になってみれば地球生まれの若い女との結婚など、老い先短い自分の死後、「元総統の妻」という体裁を盾に連邦が木星を体よく支配する口実にすることは明白であっただろう。
  3. 更に言えば本格的に狂行に走り出したのは彼女の死後である事も踏まえると妻が居なくなって抑えが効かなくなった節もあるため、彼女自身という個人については純粋に愛していた可能性が高い。
  4. 一応、前述の通りごくわずかながら娘への愛情が残っていたこともあり、ベルナデットの意見もあながち的外れなわけではないのだが、この時のドゥガチにそこまでベルナデットを思いやる心があったかはわからない。ただし、トビアはベルナデットを気遣ってか「(ドゥガチがどんな人か自分には分からないが)ドゥガチを一番よく知っている君の信じることが、一番真実に近いことだと思う」と述べている。
  5. ただし、思惑はどうあれ連邦の視点からすれば、一年戦争から多くの戦争や事件、更にそれらの残党との戦いで疲弊していた地球圏に木星圏に支援を送る余裕などそもそもなかった可能性も高い。尤も、その戦争の一つに大きく関与した一人が木星の苦しい状況を知っていた可能性が高いパプテマス・シロッコだったのでドゥガチの言い分も全てが一方的なものとも言えないが。
  6. 事実、若き日のドゥガチは発展途上の木星圏を目に満足気な笑みを浮かべている。
  7. 尤も、少なくともドゥガチに嫁がせる女性を選んだ人物はこれまで木星への支援が出来なかった事実を省みた上で嫁がせる女性の選定には(当人の辛い過去もあって)非常に気を遣っていた。
  8. 第6巻そでのコメントより。

資料リンク[編集 | ソースを編集]