「太極」の版間の差分

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(太極とその関連ワード)
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:太極を語る上で外せないファクター。「不死であり、そうであることを望み、己を神と自覚する、永遠を得た存在」。現在のところ該当するのは[[ハーデス神]]、[[ゼウス神]]、[[ワイズマン]]、[[アーカーシャの剣]]の集合無意識(「神の存在」)、[[宇宙魔王]]など。候補は[[不動ZEN]]、[[渚カヲル]]。何らかの方法で正誤を問わずシンカを遂げた存在が該当するが、正しくシンカしていない場合は人の姿を保っていない(人の「形」をしていても怪物じみている)。
 
:太極を語る上で外せないファクター。「不死であり、そうであることを望み、己を神と自覚する、永遠を得た存在」。現在のところ該当するのは[[ハーデス神]]、[[ゼウス神]]、[[ワイズマン]]、[[アーカーシャの剣]]の集合無意識(「神の存在」)、[[宇宙魔王]]など。候補は[[不動ZEN]]、[[渚カヲル]]。何らかの方法で正誤を問わずシンカを遂げた存在が該当するが、正しくシンカしていない場合は人の姿を保っていない(人の「形」をしていても怪物じみている)。
 
:なお、[[ルルーシュ・ランペルージ]]は再世戦争で突入した[[アーカーシャの剣]]において「神」と形容された集合無意識にギアスを使用しており、そのせいか「神の存在の継承者」と呼ばれている。
 
:なお、[[ルルーシュ・ランペルージ]]は再世戦争で突入した[[アーカーシャの剣]]において「神」と形容された集合無意識にギアスを使用しており、そのせいか「神の存在の継承者」と呼ばれている。
;「御使い」/「彼ら」
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;「御使い」/「彼ら」/「奴ら」
 
:太極の使徒と目されるナニモノカ。全ての宇宙の終焉たる[[スパイラルネメシス]]と共にやって来るという存在。聖戦の裏で「ソルの記憶=スフィア」を集め、全ての宇宙に何らかの干渉を行おうとしているらしい。この存在に関する記憶あるいは記録を[[ガンレオン]]が封印している。
 
:太極の使徒と目されるナニモノカ。全ての宇宙の終焉たる[[スパイラルネメシス]]と共にやって来るという存在。聖戦の裏で「ソルの記憶=スフィア」を集め、全ての宇宙に何らかの干渉を行おうとしているらしい。この存在に関する記憶あるいは記録を[[ガンレオン]]が封印している。
 
:初代Zにおいて、[[両翅]]がガンレオン・バルゴラを指して「御使い」と呼称しているため、スフィア・リアクター=太極に至り得る者を指しているとも考えられる。
 
:初代Zにおいて、[[両翅]]がガンレオン・バルゴラを指して「御使い」と呼称しているため、スフィア・リアクター=太極に至り得る者を指しているとも考えられる。

2015年3月22日 (日) 20:19時点における版

太極(たいきょく / Taikyoku)

『周易』における概念であり、万物の根源とされる存在である。中国語読みでは「タイチー」。日本語読みでは「たいきょく」。太極に至るためには「十二の鍵」が必要とされている。

現在展開されているZシリーズでは「易経(えいきょう)」との関連は薄く、「タロット」「星座」「黙示録」「神曲」との関連性までに留まっている。

太極図と俗に言われる図は「陰陽魚」という、白と黒二色の勾玉が合わさった真円で表される。黒は陰を表し、下降する気を意味し、白は陽を表し、上昇する気を意味する。領域が広がっていくのは、それぞれの気が生まれ、徐々に盛んになっていく様子を表し、やがて陰は陽を飲み込もうとし、陽は陰を飲み込もうとする。陰が極まれば陽に変じ、陽が極まれば陰に変じる。

また、それぞれの「魚」の目の部分にある対称色の点は、「陰の中の陽」「陽の中の陰」を表している。どんなに陰が強まっても、その中には必ず陽があり、やがて陰が極まればそれは陽へと転じる。逆に陽が強まっても、その中には陰があり、陽が極まればそれは陰に変じる。陰陽魚の太極図は、これをどこまでも繰り返すことを示している。

スパロボシリーズにおいて

Zシリーズに登場した単語で、アサキム・ドーウィン曰く「宇宙全ての源理、全ての事象の始まりと終わりを司る意志」とのこと。 OG外伝ダークブレインが言及した「至高天」、第2次OG孫光龍が述べた「大羅天」と同一の存在の可能性が高い。その詳細は現在のところ不明。第2次OGにおいては、泰北が本来の意味で使用している。

シリーズの開始時点では何らかの理由によって失われ、破界篇ではスフィアを指すと思われる「12の鍵」と「幾多の英知」に分かれ、砕け散ったとされている。ガイオウが言う「ソルの記憶」や、アイム・ライアードが口走る御使いが集めるという「ソルの心」は、12の鍵か幾多の英知を指していると思われる。

Zでのアサキムの言動からすると、時空制御技術を持つと言う事は即ち太極への扉を開くに等しいことらしい。

Zにおいては新たな世界のひな形として、パラダイムシティを創造している。さらにゴードン・ローズウォーターにエグゼクターシステムの顛末までを含む黒歴史の全てを描いた小説「メトロポリス」の執筆を命じ、シティの住人達をさまざまな世界から集めてメモリーを奪うなど、『THE ビッグオー』と大きく関わっている。
また、この一連の流れにおいて、ゴードンはシティに来る以前の、メモリーを失う前のロジャー・スミスに対し、「この世界が大きなステージなら、人間は役割を演じる役者に過ぎないが、それを変えられる者がいてもいいはず。だから、この世界を演出する存在(つまりは太極と、その意志を現す者)と交渉してもらいたい」と依頼している。「メモリーズ」においてロジャーはその契約を全うすることになるが、それがやがて思わぬ事態を招くことに……

太極の意志に反して次元力の行使を行うと、その者は「大罪人」と看做され、太極の呪いを受けて並行世界を放浪する身となる。そうでない場合は歴史から存在が消されるが、「存在した」という事実は太極の力を以ってしても消すことが出来ないため、代わりに存在した証である記憶を消す。そうして記憶=メモリーを奪われた者は、「Z」においてはパラダイムシティの住人となり、自身の役割のメモリーを残したまま生きていくことになる。

パラダイムシティは、「根源的な災厄」により世界が滅却された後、新たな世界を作るためのシミュレーターとも言うべき存在であり、ゴードンの言によれば宇宙の死と新生とすら、全く無関係に存在し続けているという。詳しくは後述。

また、呪われし放浪者に課せられた、不老不滅の「生き続ける呪縛」は、太極の使者にして、Zシリーズの誕生と共にあったという「御使い」なる存在が元凶らしい。さらにこの「御使い」はガンレオンの中にその記憶を宿しているという。

なお、この「太極」は前述の通り、スフィア12個を手にすることで成り代わることが可能とされるが、これは裏を返すと、人が成り代われる存在=元々人に近しい、あるいはそのものということになる。この事から、性質的にはケイサル・エフェスと似たようなプロセスで存在しているものと思われる。

前述の通り失われたとされているが、その一方でパラダイムシティへの干渉や特異点のリセットを行っているなど、実は現状からして矛盾と謎が多い。

時獄篇の情報からすると、太極そのものは力の塊であり、問題なのはそれを扱う者であるらしい。

太極とソルの記憶、黒の英知と12のスフィア

太極がいつ、どのようにして、なぜ失われたのかはわかっていないが失われた太極は12の鍵と幾多の叡智に分かれたらしい。

12の鍵はスフィア、幾多の叡智は黒の英知と見て間違いないだろうが、彼らが口にする言葉の中にはもう一つ「ソルの記憶」「ソルの心」と呼称される存在が介在している。「御使い」なる存在がこれを集めているらしいが、関連情報がまるで存在しないため推測は不可能。この「御使い」の記憶がガンレオンに宿っているらしいが、それが「御使い」自身の記憶なのか、それともそれに関する記録なのかは全くわかっていない。

「ソル」とは太陽を意味する言葉であり、スフィアのネーミングを考えると黄道十二星座を統べる太陽=ソル⇒12のスフィアを統べる存在=太極と読め、「ソルの記憶=太極の記憶」と読み替えられる。であれば、スフィアに深く同調することによって黒の英知を垣間見る、という現象を加味して推量すれば、「幾多の叡智=黒の英知、太極の記憶=ソルの記憶」とも取れる。

スフィアは属性と性質の差こそあれ、基本的には次元力を引き出すエンジンであることを考えると、黒の英知とは乱暴な言い方をすれば、次元力とそれに関わる要素の取扱説明書のようなものだと考えられる。

スフィアは完全覚醒することで「スフィア・アクト」を発現し、己の属性に応じた事象の制御を可能とするが、宇宙全体から見るとその規模はきわめて小さいものとなっている。また、スフィアそれぞれに固有の因果があり、それらが互いに打ち消す、あるいは高めあう間柄であることを考えると、全てのスフィアの集合体=太極が全ての事象を全ての規模で自在に制御できる存在あるいは力であることは容易に推測できる。

アサキムはスフィアを集めることでこの太極に成り代わろうとしているが、ガイオウはスフィアとソルの記憶が集まることを危惧している節がある。さらに、アイムの台詞の中には「御使いはソルの記憶を集めて、全ての宇宙を!」というものがある。これらの要素に時獄篇で示唆された要素を合わせて考えるとZシリーズ全体の裏で進んでいる次の状況が見えてくる。

  • かつて、太極と言う存在があった。そしてそれは何らかの理由により、12のスフィアと無数の叡智に分かれ、砕け散った。
  • 12のスフィアは並行世界に散らばり、目覚めるための器となるスフィア・リアクターを待つようになった。
  • いくつかの並行世界が時間の環に囚われ、多元世界としてループし始める。この途中で文明のリセットシステムであるエグゼクターが確立される。
    • この中で太極にもっとも近しい「神」という存在を殺すべく、ヴァイオレイション・システムとその統括者である四人の「次元将」が生み出された。彼らはゲッター線の使徒であるどこかの世界の流竜馬アポロニアスバジュラと共にバアルと戦っていたが、その内の一人が敗北を喫した。
    • スフィアを得た者達の間で、太極の後釜争いである「聖鍵戦争」が始まる。アサキムはこれに参加しようとスフィアを狙い始める。
      • 未確定情報だが、この戦争にギリアム・イェーガーが参戦を試みた節がある。事実であったとすると、彼にはスフィアを奪い取ることは出来なかったらしい。また、その一方でダークブレインがスフィアの統合を狙っていたと推測される。
  • その中のとあるループで、堕天翅族とアポロニアスの戦いが起きる。これは時獄篇の時系列では24000年前とされているが、1億と2000万年まえから延々と繰り返されてきた現象である。
    • スフィアに同調した者達はこれを通じて黒の英知を垣間見る。
      • 太極の意思により、ゴードン・ローズウォーター黒歴史エグゼクターによる、世界の破壊と再生の顛末を記した「メトロポリス」を執筆する。さらにゴードンは、当時まだメモリーを持っていたロジャー・スミスと接触し、「世界がひとつの舞台であるならば、人間は役柄を演じる役者に過ぎないが、それを変えられる者がいてもいい。だから、この世界を演出する存在と交渉してもらいたい」と、太極の意思とのネゴシエイトを依頼している。ロジャーはこの依頼を承諾したが、後に自らの意思でメモリーを捨て去り、依頼についても忘れていた。
        • パラダイムシティは太極が作り上げた世界のひな形とでもいうべき存在であり、その意志に反して次元力を行使した者達が、メモリーを奪われて放り込まれる牢獄に近い存在である。Z終盤、太極は世界のリセットを決定するが、その実行者となったエンジェルに対し、ゴードンから改めて交渉依頼の内容を説明されたロジャーはその依頼を実行。結果、リセットの阻止に成功する。
      • 次元境界線安定後、エグゼクターが起動。しかし、マスターコアとなっていたオーバーマン・XAN-斬-の意思とZEUTHの奮闘によりシステムは停止、XAN-斬-も何処かへ消えた。
    • この後、もう一つの多元世界においてカラミティ・バースが発生。これにより、呪われし放浪者の候補となっていたZEUTHの主だった面々が各地に転移、「烙印」を受けたことにより元の世界との因果を失うこととなった。
  • 太極にかかわる、あるいは「神」の使徒である「御使い」という存在がいる。アサキムを呪縛したと思しき彼らは、聖鍵戦争を横目にソルの記憶を集めようとしている。これについての記憶がガンレオンの中に宿されている。
  • 時間の環の切断により、聖鍵戦争の状況が一気に動く。これによって「傷だらけの獅子」「悲しみの乙女」「偽りの黒羊」「揺れる天秤」「尽きぬ水瓶」「知りたがる山羊」他一つと、12個中実に7つものスフィアが一堂に会する状況となった。
  • 「御使い」はこの裏でソルの記憶の収集を進めている。その目的は、「全ての宇宙を」終焉に導く「根源的な災厄」あるいは「大いなる終焉」を導くことであると思われる。
  • 再世戦争後、三つの多元世界が時空振動で融合。
    • この後に「アクエリオンEVOL」の世界が融合したことで状況がさらに変転する。なお、これもサイデリアルによるものであった。
      • 新生時空震動により「EVOL」の1万2000年前の世界は「時獄」に囚われ、あらゆる世界の地球の命が吸い尽くされようとした。この時は神話型アクエリオンによって食い止められたが、引き換えにアポロと頭翅が落命。彼らは後に転生することになるが、アポロの魂は頭翅の闇の転生であるミカゲによって分断され、片方がアマタとなる。また、これによって「EVOL」の地球が真っ二つに分裂。片方がアルテア界となり、もう片方のヴェーガは12000年の時を経、時空崩壊で時間軸を飛び越えて新生時空震動直後の多元世界と融合した。
        • この顛末を語ったクレア・ドロセラの言を信じるならば、「EVOL」の世界は初代Zの歴史(メンバー全員が帰還、エグゼクターと戦った「完全安定エンド」)ではなく、その並行世界に当たる「安定エンド」の世界だと考えられる。
      • 旧ZEUTH・旧ZEXISのメンバー達からディーバのエレメントたちやザンボットチーム、ブルーフィクサー、スコート・ラボなどに関する記憶が消失。後にこれはガドライト・メオンサムによるものだったことが判明。
    • 新たな多元世界が「エタニティ・フラット」と呼ばれる状況に陥る。これは、世界の絶対時間の経過が停止するという現象であり、隔絶された次元における限定的法則操作による。これが「時獄」であり、完全に完成するとその宇宙は緩やかな滅びに向かって転がり落ちていくことになる。なお、片割れである「天獄」については不明。
      • これはサイデリアルのトップによる行動で、バアルと神の戦いたる真戦の影響から地球を守るためだった。そのために揃っていた獣の血(=チームD)、風の行き先(=シモン)、火の文明(=ニュータイプ)、太陽の輝き(=鉄人)、それぞれの象徴に加え、足りない水の交わり(=アクエリオン)の象徴を集めることで時獄の構成をより完全にしようとした。この時、未だ進んでいる途中の「火の文明」がバランスを崩した時に備え、1万2000年前の「火の文明」の時代から予備のシンボルとしてガンバスター&ノリコが引きずり込まれた。
        • また、聖天使学園の転移時に桂が呼び込まれる。これは、サイデリアルから彼とオルソン、そしてもう一人の特異点を隠すためだとされているが、誰が行ったのかは不明。
  • 新たな多元世界での戦いにおいて、さらに「いがみ合う双子」「沈黙の巨蟹」の二つのスフィアが聖戦に参加。これにより、12個中しし座おとめ座おひつじ座てんびん座みずがめ座やぎ座ふたごかに座、ここにアサキムのひとつを加え、9つのスフィアが確認されたことになる。
  • 初代Zの時点から続いてきた、1億2000万年の時間の環が最終ループに突入。「根源的な災厄」「神話の果ての終焉」が現実味を帯び始める。
    • 現在のZ世界は「太陽の時代」に当たる。これはマヤの終末予言にある「獣の時代、水の時代、風の時代、火の時代、太陽の時代」と同じ意味であるが、ただのカレンダーだったあちらと違いこちらはZ世界の構成を意味する。
      • 獣の時代から3つの時代を経て太陽の時代に至ると、その時代の終わりがすなわち1万2000年の環の終焉となり、バアルとの決戦たる神と悪魔の戦い「真戦」が勃発する。これを一部の人間は「太陽が沈む」と評し、太古の昔からそれに備えていくつもの計画が実行されてきた。それがラグナレクの接続であり、人類補完計画であり、イノベイターの覚醒である。
    • パラダイムシティにおいて、太極が用意していた、世界をリセットする「システム」が再起動。「メトロポリス」の最終章を読み、すべての真実を知って絶望したエンジェルがビッグ・ヴィヌスを覚醒、すべてのメモリーが抹消されかけるが、ロジャーの交渉によって阻止される。
      • この「システム」はZにおいても起動したが、この時は特異点であるZEUTHのメモリーのみをリセットするために起動していた。
        • パラダイムシティの本質は、宇宙の死と新生の後にもう一度世界を作り出すためのシミュレーター。そこに展開されている街の因果律は前の宇宙で構築されたものとなる。時獄篇で構築されていたのは「アクシズが落下して核の冬が起き、エタニティ・フラットで絶対時間が停止し、メモリーを奪われた者達が住む世界」である。このため、その記憶を持つフロンタルはアクシズ落下を目論み、サイデリアルはスフィアの力で世界中の人間の記憶=メモリーを封印し、エタニティ・フラットを構築しようとしていた。これは恐らく、真戦の影響からアオの星を守るために最適な手段をシミュレートした結果であると思われる。
  • シャア・アズナブルにより、アクシズ落としが実行される。これは、その是非が世界そのものを左右する……つまりシャアが特異点であり、アクシズが大特異点であったため、アクシズ落としによって逆に人々の意識をそこに集め、時空修復で時獄の檻を破るのが目的。片割れの特異点であるフル・フロンタルにより妨害されかけるが、最終的にはフロンタルが現れたのが決定打となって時空修復は成功した。
  • アンチスパイラルにより、「根源的な災厄」の正体が「スパイラルネメシスを恐れるナニモノカの怒り」であることが判明。この「ナニモノカ」は、太陽の時代を生きる生命体が進化から「シンカ」に差し掛かる(「グレンラガン」の原作的にいうと螺旋力が一定以上まで高まる)のを感知すると、その宇宙のすべてを滅却することでスパイラルネメシスを阻止するという。これが「根源的な災厄」であり、「宇宙の生命究極の敵」であり、「神の怒り」である。ガイオウ達次元将の敵たる「神」はこの「ナニモノカ」であり、アサキムを呪縛した「彼ら」もこの「ナニモノカ」である。
  • 時獄の檻の崩壊に先んずる形で「サイデリアルの鬼宿」を名乗る男・尸空がZ-BLUEの前に出現、交戦の後撤退。直後に檻は崩壊し、結果時空を異にする二つの地球が出会うこととなった。
    • なお、この現象はネオ・ディーバにて不動ZENが所有する「蒼星の書」に記されていた。
      • 時獄篇の舞台となった地球は「アオの星」、もうひとつの地球は「ミドリの星」と呼称されている。サイデリアルはこのうち「アオの星」の地球人を抹消しようとしているらしい。
  • サイデリアルが本格的な侵攻を開始。
    • 火星のZONEに封印されているアサキム・ドーウィンを何者かが目覚めさせようとしている。天獄へと向かうにあたり、彼にはなさねばならないことがあるらしい。

また、これらの事象に関するヒントだが、実はユーゼス・ゴッツォである。彼の目的は因果律改変によって新たな世界とそれを統べる理を造り出し、破滅の運命を逃れることだが、「聖鍵戦争」における「全てを手にした最後の勝利者」がどうなるのかがここから読み取れる。

太極とは前述の通り「宇宙全ての原理にして、あらゆる事象の始まりと終わりを司る存在」であるが、言い換えるとこれは「因果律を自在に操ることの出来る存在」となる(完全に動作するクロスゲート・パラダイム・システムのようなものと考えればいいだろう)。12のスフィア(≒ソルの記憶?)を手にした時、その人物はいわば「太極そのもの=因果律を自在に操作できる存在」となる。であるならば、スフィアの争奪戦の果てに待っているのは、因果律操作による何らかの形での全ての宇宙のリセットであると見ることも出来る。Z世界の全ては次元力による定義づけの元に成り立っているため、次元力を自在に操れる太極の意志による審判となれば、それは確かに「根源的な」災厄と言える。

また、黒の英知の項にあるように、「根源的な災厄」「審判の日」「神話の果ての終焉」を乗り越えるための打開策として純粋種のイノベイターの覚醒、ラグナレクの接続などが挙げられているが、いずれも類似しているのは「意志の統一」である。この内イオリアだけはイノベイターによる「人類の意志の同調」を目指しているが、他は「人類の意志の融合による統一」を目指している点で異なる。

これは、MXにおける並行世界増殖とそれに対応するための多元世界補完計画に関係性が似ている。そして、時獄篇では劇場版設定とはいえ、その原型である人類補完計画が進行していることから考えても、終焉の日を乗り越えることは人類の意志がバラバラのままでは不可能ということになる。

さらに、時獄篇時点までの情報を総合すると、Zシリーズの多元世界自体が無限にループしている、という構造が見えてくる。Z1からZ3天獄篇までで描かれるストーリーは、次元力によるループ構造を暴き出して瓦解させる、という大まかな筋書きとなっているが、現状判明している情報では、ループの終焉と次のループへの繋ぎの手段は大きくわけて4つ存在している。

  • 1:魂・意志の統合または統一による新生
    • 人類補完計画
    • アーカーシャの剣
    • イノベイター(現段階では未完成)
    • スカブコーラルによるクダンの限界
    • ウィスパードによる世界律改変
    • シンカによるアセンション
  • 2:意思統一が成されなかった場合、文明崩壊によるリセット
    • ∀ガンダムの月光蝶
    • エグゼクターシステム
    • アクシズ落下による崩壊
  • 3:文明崩壊が阻止された場合、バアルによる破壊(真戦)
    • インベーダー
    • 宇宙怪獣
  • 4:バアルが退けられた場合、「根源的な災厄」による滅亡(天獄)
    • 「神」
    • サイデリアル

である。またこの他、イレギュラーとなる烙印所持者に対しては、ビッグ・ヴィヌスまたはドミュナスたるエンジェルによる、次元力操作による存在の漂白が行われる。 ポイントは、それが行われるのは必ずパラダイムシティである、という点である。イレギュラーたる烙印所持者に対し、システムが起動する。すると、エンジェルまたはビッグ・ヴィヌスは、対象者をパラダイムシティに転送し、次元力によって事象を制御し、その存在を一時別の次元にプール、メモリーを漂白した上でシティに配置する。

このパラダイムシティとは、太極の意志が新たな世界を作るための箱庭・実験室であるが、問題は「新たな世界」の意味である。ここから推測できるのは、パラダイムシティとは「根源的な災厄」により世界がリセットされた後、「ツクリモノノセカイ」をもう一度やり直すに当たってのシミュレーションの場ではないか、というものである。 事実、Zにおいては黒のカリスマの発言などから、世界が崩壊してもシティに影響はないことが示唆されている。

また、Zシリーズのシティは「アクシズが落下した世界」を模倣して作られている。フロンタルはアクシズの落ちた世界を「正しい歴史」と呼んでいたが、それは恐らく、アクシズがアオの星に落ちれば、時空修復は失敗してエタニティ・フラットが完成し、結果パラダイムシティでシミュレートされていた「アクシズが落ち、時の止まった世界」が実現するからだと思われる。

太極の意志が何のためにそのシミュレートを行っているかは不明だが、「太極の使い」であるサイデリアルの動向からすれば、その目的は即ち全てのスフィアを集めることであり、時空震動により多元世界を作ったのも、一つの世界に一つしかないスフィアをより多く集めるためであった、とも推察することが出来る。

時獄篇においては、特定のステージ開始時に謎のメッセージが表示されるが、文面と提示された情報からするに恐らくは「神」あるいは「御使い」の呟きと思われる。

  • 第1話
    • 獣の血、水の交わり、風の行く先、火の文明、そして、太陽の輝き
      終天の静穏を、あなた達に……
  • 第15話
    • 楽園の監視者 哀しき残され人
      だから、せめてあなた達だけでも……
  • 第35話
    • 廻る宇宙、廻る生命
      誰もがそこから抜け出ることを願う
      それがシンカへの道……
  • 第49話
    • 静謐な時の流れ
      誰にも侵されぬ安寧の日々
      何故… 何故あなた達は、それを拒む?
  • 第59話
    • 可能性という名の絶望
      進化という名の滅亡
      扉は開けられ、未来は閉ざされる
      私には、もう救えない……

恐らくは「神」であろうと思われるが、文面からすると「天獄」による滅びに対して完全に諦めてしまっている様子。 またこの呟きが誰に向けられたものかは不明だが、2番目の「哀しき残され人」はアドヴェントが使用したことから、ジェミナイドのことだと思われる
あるいは、サイデリアルが時獄を「救済」としていたことからすれば、時獄を仕掛けた張本人のセリフである可能性もある(4番目のメッセージなどは神主観だと若干おかしい)。

また、世界観の基本である「死と新生を繰り返す宇宙」「同一人物として再登場するキャラクター達」「世界観を知り、ループを超えようとする試み」は、図らずも第2次OGでユーゼスが語った「再有生とその根源を知り、一大劫(宇宙の誕生⇒死⇒再生の1サイクル)を超えようとする、そうせざるを得ない者達」との関連を伺わせる。

太極とその関連ワード

関係性が複雑に絡まっているため断定は出来ないが、時獄篇終了の時点で提示・示唆された情報を元に、太極とスフィア、聖戦に関するキーワードを簡単に整理するとこのようになる。

時間の環
無印Zのはるか古から延々と続いてきた、1億2000年周期で訪れる無限平行世界の分離・再融合の繰り返しのこと。Zの時点では時空振動弾発動→時空崩壊で融合→黒歴史に突入して分岐→どこかの世界で時空振動弾発動……というループだったが、ZEUTHにより切断。だが、これによって閉ざされていた可能性、特にアクエリオンと天翅族の因果が解放され、時獄篇の時点では後述の黒歴史がスラングとなるほど未来の時系列……つまり「EVOL」の世界が時間の環に組み込まれ、さらに時間の環それ自体が最後の一周に突入しているらしい。つまり時間の環には次の周回がなく、その末端に存在するのが「根源的な災厄」の訪れによる「神話の果ての終焉」であろうと考えられる。宇宙魔王やグーラがかつていた宇宙はこの時間の環の終焉により崩壊している。
なお「1万2000年の環」とは宇宙の生まれ変わる周期を現している。この時間の環は1万2000年を1回のループとして死と新生を行い、それを何度か繰り返したところでシンカの階梯が進むと次の時代に突入する。これが「獣の時代」「水の時代」「風の時代」「火の時代」「太陽の時代」であり、「太陽の時代」に突入するとその宇宙の人間はシンカの最終階梯に差し掛かり、ここで正しくシンカできれば己の存在をそのままにアセンションが成功する。ただし、「太陽の時代」は時間の環の最後の部分であるため、この時代が終わると環自体がなくなり、次の宇宙が始まる。この時、シンカを遂げていない生命体は時間の環の再構築についていけず全滅することになる。
ちなみに最初の時代は「けもののじだい」ではなく「じゅうのじだい」と読む。
「神」
太極を語る上で外せないファクター。「不死であり、そうであることを望み、己を神と自覚する、永遠を得た存在」。現在のところ該当するのはハーデス神ゼウス神ワイズマンアーカーシャの剣の集合無意識(「神の存在」)、宇宙魔王など。候補は不動ZEN渚カヲル。何らかの方法で正誤を問わずシンカを遂げた存在が該当するが、正しくシンカしていない場合は人の姿を保っていない(人の「形」をしていても怪物じみている)。
なお、ルルーシュ・ランペルージは再世戦争で突入したアーカーシャの剣において「神」と形容された集合無意識にギアスを使用しており、そのせいか「神の存在の継承者」と呼ばれている。
「御使い」/「彼ら」/「奴ら」
太極の使徒と目されるナニモノカ。全ての宇宙の終焉たるスパイラルネメシスと共にやって来るという存在。聖戦の裏で「ソルの記憶=スフィア」を集め、全ての宇宙に何らかの干渉を行おうとしているらしい。この存在に関する記憶あるいは記録をガンレオンが封印している。
初代Zにおいて、両翅がガンレオン・バルゴラを指して「御使い」と呼称しているため、スフィア・リアクター=太極に至り得る者を指しているとも考えられる。
ハーデスいわく、「神の使いの名の下に、すべてを統べる存在であり、それが許される存在として振舞っている」らしい。また、多元世界そのものが彼らによって構築されたツギハギの世界(SHOにおける「虚構世界」に近い)であるという。いずれにしても敵であるのは間違いないようだ。
アサキムの魂を呪縛したのもこの存在。正体は次元将の敵である「神」であり、「シンカ」を遂げて高位存在に至った生命体であり、サイデリアルに属する者達。
シンカ
「獣の血」「水の交わり」「風の行く先」「火の文明」を経、「太陽の輝き」にたどり着いた者が至る「神への道」。対の表記として「進化」が用いられる当たり漢字表記は恐らく「神化」。
ゼウス神によれば、これらはそれぞれの時代を表すいわば代名詞にしてシンボルであり、それぞれの時代は12万年の時をかけて既に終焉を向かえ、現在は「太陽の時代」に当たる。これらの時代の中で人は少しずつシンカを繰り返している。
太陽の時代を生きる生命体は新たな段階に入り、宇宙の真理に触れることでシンカを完了、高位生命体となる。そして、先人として後に続く者達を見守り、導くことを使命とする。この意味を理解し、正しくシンカを遂げたのがゼウス神不動ZEN渚カヲルの3人。逆に高位生命としての力に溺れ、使命を見失って偏ったシンカを遂げたのがハーデス神たち他のミケーネ神と宇宙魔王。逆に両方の可能性を放棄したのがアンチスパイラル
ビッグ・ヴィヌスを形容する際に「鳥へとシンカする前の獣」というフレーズがあるが、ここにヒントがある。「獣=地を走るもの」、「鳥=空を飛ぶもの」という意味であり、この移行を「シンカ」と称するならば、シンカとは即ち、生命体の本質そのものの革新だと思われる(その意味ではニュータイプやイノベイターもこの類)。
ポイントは姿かたちで、正しくシンカすれば人の姿を保ち、誤ったシンカを遂げれば怪物じみた姿になると思われる。
終末予言
宇宙魔王尸空が口にする「獣の血」「水の交わり」「風の行き先」「火の文明」「太陽の輝き」の5つのファクターのこと。元ネタがマヤのカレンダーであるため便宜上呼称。
作中で提示された情報とシャアの言動からすると、「獣の血」は「押さえつけることの出来ない原初の闘争本能」、「水の交わり」はエレメント能力→「水のごとく澄み渡って交わり、他を受け入れる心」、「風の行き先」は「風を巻いて回転し、天へと伸びるドリルによって描かれる進化の行先」、「火の文明」は「プロメテウスの火」に準えられる力=「扱いきれないほど大きな科学力を手にした文明」のことであるらしい(ガンダムはその象徴であり、ガンバスターはその文明によって作られた兵器)。それらに共通するのは「宇宙への進出」であり、「火の文明」とはつまり、「生存圏拡大に伴う誤解なき相互理解」だと思われる。5番目に位置する「太陽の輝き」は「始まりと終わりの真理」、即ち太極を知ることを意味していると思われるが、ここには太陽の輝きをエネルギーとして動く鉄人28号が位置づけられている。
ゼウス神の言を踏まえると、これらのファクターは恐らく、人間の進化の過程そのものの暗喩だと思われる。
人間は生命体であり、そこにはどんなに進化しても消えることのない本能、生きるための闘争心である「獣の血」が流れている。
そして、それを持った人間は己と異なるダレカ、他のナニカを受け入れることを知り、「水の交わり」の如く一つに繋がり、融和することで新たな境地を見る。
踏み出した人間は、まるでドリルで掘り進むように新たな場所を、ものを切り開き、螺旋を描くようにして進化していく。風を巻いて天へと伸びる螺旋、その辿り着く先は、「風の行き先」のように不確かで、定められていない。
しかし、どんな道を辿ろうと、進化を続ける限り人間はいずれ文明に至る。螺旋の力によって発展を続ける文明は、やがてプロメテウスに準えられる「火の文明」を実現し、その力によって大地を離れ、宇宙へと生活の場を求める。
過酷な環境で生きていくために人は誤解なき相互理解を求め、獣が鳥にシンカするように、その本質そのものの変革を迫られる。
それを乗り越えた先に、人は全ての始まりにして終わりたる真理を、まるで「太陽の輝き」のように明らかなものとして知る。
そして、人はシンカを遂げ、神となる。
スパイラルネメシス
上述のシンカを経るのに必要な進化の方向性を違えた場合に起きる、螺旋力の暴走による宇宙すべての消滅。これを恐れた「神」はスパイラルネメシスを阻止しようと、その原因となる生命体を宇宙ごと滅却している。
血塗られた目
次元震から生き残った人間が発症する症状。両目が赤く染まり、恐怖以外の感情が破壊される。ヒビキも軽症ではあるがこの症状を持っており、左目が赤く染まっている。引き起こした存在の正体は不明だが、唯一当時の記憶を保持するヒビキはその印象から元凶を“テンシ”と呼称している。
ヒビキの反応とアドヴェントの言葉によれば、サイデリアルが近くにいると発症するらしい。劇中ではガドライトが近辺にいる時と尸空が現れる直前、「いがみ合う双子」の力を受けた際に発症しており、これを引き起こすのはサード・ステージに移行したスフィア・リアクターである可能性が高い。
患者は常に何かを見ており、次元境界線の状態に連動して症状が変化している。固定化によるエタニティ・フラット完成が近づくにつれて悪化していたが、時空修復による安定後は沈静化している。
ヒビキの場合を見ると、「マイナスの感情を励起する」ガドライトのスフィア・アクトを受けることで発生している。推察するに、この目を発症したものが恐怖に苛まれるのではなく、心身を破壊するほどの恐怖を感じたものがこの目を発症するのだと思われる。
“テンシ”
ヒビキの仇敵であるサイデリアルの構成員。彼を始め多くの人間を巻き込んだ次元震を引き起こした存在であり、恐らくはスフィア・リアクターと思われるがその正体は不明。次元震発生の際には高笑いを上げており、その声が「血塗られた目」の恐怖を励起する。
この呼称はヒビキが事件当時に一瞬見た印象から名付けた仮称。なお、ミケーネ神が同様の存在とされていることから、確実に(偏った)シンカを遂げた「神」に類する存在である。
烙印(スティグマ)
放浪者に刻まれているという罪人の証。大規模な時空震動の場に居合わせ、さらに次元の枠を越えた者に与えられる。強度が存在し、時空震動の中心点に近ければ近いほど強くなる。ただし、与えられる明確な条件は未だ不明。
現在までの登場キャラクターたちの言動・行動をつなぎ合わせると、それは太極の意志を実行するにあたり、それに対するイレギュラーとなる者達に与えられたマークポイントだと思われる。
次元力
太陽などの恒星に由来する「破壊と再生の力」であり、全ての存在の根幹に在る「存在の力」にして、次元を超える、あるいは超えた力。機械的に引き出すだけなら単なる無限エネルギーだが、スフィアに深く同調するなどして太極に近づくと、この力の本質、即ち事象を操る力を手に入れることが出来る。ただし、真の意味で自在に制御できるのは太極に至った者のみであり、スフィアは単純な時空震動(及び界震)以外では方向性が限られる上に小規模、負の次元力は破壊しか出来ない。
スフィア
砕け散った太極の力の欠片。12個全てを手にしたものが「最後の勝利者」となり、全てを手にするという。特性に関しては該当項目参照。
聖鍵戦争
次元を超えたスフィアの奪い合い。「最後の勝利者」は未だ現れておらず、ガイオウ曰く二つのスフィアを手にした人間自体珍しいという。
黒歴史
Zの多元世界における「輪になった時間の中で繰り返され、いずれ起こる未来の戦い」。第2次Zの多元世界のどこかにおいては、神話として伝えられる過去の戦い。黒の英知の中に、その一端として記録されている。
エスターや葵の出身世界では「なかったことにしたい過去」というスラングで使われている。つまり、第2次Zの多元世界の中に、Zの多元世界の遙か未来の世界があるとも考えられる。であるならば、時獄篇で参戦した「アクエリオンEVOL」あたりがその「Zの多元世界の遙か未来の世界」になるのだろうか?
真戦
次元将が黒歴史を指して言い習わす呼称。時獄篇によれば「『シンカ』を遂げた高次存在同士の戦い」「神と悪魔の果てしなき闘争」であるらしい。
12000年のループの終わりである「太陽の時代」に発生するバアルとの決戦のことであるが、これと戦うのは「神」即ち「シンカ(神化)」に至り高位生命と化した者達であり、人間の領域では本来ない。
エタニティ・フラット
隔絶された次元内で発生する絶対時間の停止。またの名を「時獄」。これに陥ると、次元境界線の固定によりバアルの襲来は退けられるが、代わりに誕生も老いもなくなり死が残るため、全ての生命が緩やかに滅亡していくことになる。真戦の対応に当たる選択肢であり、ある種の慈悲であるという。
劇中では新多元世紀0001年11月11日に完成するとされていた。これは寺田プロデューサーの誕生日と同じだが、攻略本あとがきによると日付に深い意味はなく、ただの偶然とのこと(ちなみにステージ開始時の日付のスタートは発売日と同じ4月10日)。
天獄
詳細不明。時獄の対応に当たる「二つの地獄」の一つ。
黒の英知
正確には「クロノエイチ」で漢字は当て字。砕け散った太極の欠片。スフィアに深く共鳴した者が垣間見る全能の智恵であるが、その中にはZシリーズの生命体に関連する「根源的な災厄」に関する記述がある。過去にこれを垣間見た者達により、インサラウムなど一部には文献としてその一端が記されている。初代Zの「黒歴史」はこの一部。
ソルの記憶/ソルの心
正体不明の謎の概念。太極の欠片の一つであると思われる。
根源的な災厄
Zシリーズの生命体の行く末に待つという災厄。これとの遭遇は次元の壁を越え、あらゆる世界を巻き込んで全てを滅ぼすという。
エルガンやシャルル、ワイズマンの言動から総合すると、イノベイターを初めとする「人類の革新」、ラグナレクの接続といった「人類の意思統一」がこの災厄に対抗する大きな力となるという。
諸々の要素から正体としてスパイラルネメシスが有力視されていたが、実際はそのスパイラルネメシスを恐れるナニモノカの怒りによる滅亡である。
この「ナニモノカ」こそが「神」であり、「彼ら」である。アンチスパイラルはこれを阻止するために螺旋生命の監視を行っていた。
次元力の性質からすると、その内容は「事象の制御による、宇宙そのものの存在のリセットとやり直し」だと思われる。なお、時獄篇では「根源的災厄」と接続詞がなくなっている。
神話の果ての終焉
時獄篇において、太極に近しいもの達が世界の終焉をさして言い習わす呼称。この場合の「神話」とは一部の世界における黒歴史=神話として語られる過去の戦いを意味する。
バアル
Zシリーズの生命体共通の敵。現在判明しているのはインベーダー、宇宙怪獣。根源的な災厄が迫ると、その前触れであるかのように行動を開始する。どこかの世界の竜馬やゲッター軍団、アポロニアス、バジュラ達はこのバアルと戦っていた。また、彼らが戦った相手の中にはズール皇帝もいるが、彼はバアルとは異なる。
宇宙の生まれ変わる周期である12000年のループの終わりに、宇宙の生命たる「霊子」を消去するために大量発生するという。この辺りはアポカリュプシスに似ている。
次元将
遙か古、どこかの世界で「人類の希望」として生み出された存在。宇宙全てを襲った滅びの危機に対抗し、「神」を殺すために人としての全てを捨てて生まれ変わった人間達。竜馬達とともにバアルと戦っていたが、内の一人が敗れ、インサラウムへと現れることになる。その目的は「神殺し」「『真戦』の再来を抑止すること」であるという。
ビッグ・オー
ロジャー・スミスをドミュナスとする黒きメガデウス。この機体とドロシーのメモリーには太極と真戦、黒の英知に関する記録が封印されている。
ビッグ・ヴィヌス
エンジェルをドミュナスとする白きメガデウス。アオの星に用意された「システム」であり、太極の遣わした存在であり、「ツクリモノノセカイ」たるZ世界をリセットするための存在であり、全てのメモリー、全ての存在の完全なる消滅をもたらす存在であり、時間の環の終わりをつかさどる存在であり、次元力により事象を制御する存在であり、「翼をもがれた鳥、鳥へとシンカする前の獣」。次元力の行使によりあらゆる事象、あらゆる存在を完全に消滅させる。第一次多元戦争ではリセットの対象がZEUTHのみであったためにエンジェルのみの覚醒となったが、時獄戦役においては地球人がいよいよ「シンカ」へ至ろうとしたためかついに機体の方も覚醒・起動した。
次元力による事象の制御により、対象の存在を規定する次元力を消し去り、無へ還元する。ただし、次元力、即ち太極の力を以ってしても存在の事実を消し去ることは出来ないため、現世の存在を消してそれを別次元にプールし、メモリーを漂白した上でパラダイムシティに配置する……という手順が踏まれる。
これを止めるには力ではなく、太極の意志との交渉を可能とするロジャーのネゴシエイトが必須となる。
パラダイムシティ
時空の狭間に存在する記憶を失った街。太極の意志によって造られた箱庭であり、新たな世界を作るための実験室。
鉄人28号
金田博士の作り上げたロボット。太陽エネルギー転換装置により、オリジン・ローを内包した太陽の力を動力として駆動する。鉄人そのものには意志はないが、操縦者である正太郎の意志を受けることで霊子が反応し、蓄えられた太陽エネルギーがオリジン・ローとして機能する。
時獄篇ではこの作用により、ブラックホールに由来するマイナスのオリジン・ローを力とする宇宙魔王を葬り去った。

陰陽と星座との関係

スフィア』の名称は「黄道十二星座」に対応したものだが、大極の「陰陽」に当て嵌めると以下の通り(陰陽説では旧月で当て嵌める)。

陰陽表と星座
新月 旧月 陰陽 性別 数学 星座 リアクター
2月 1月 +(正) 水瓶座 ユーサー・インサラウム
3月 2月 −(負) 魚座
4月 3月 +(正) 牡羊座 アイム・ライアード
5月 4月 −(負) 牡牛座
6月 5月 +(正) 双子座 ガドライト・メオンサム
ヒビキ・カミシロ
7月 6月 −(負) 蟹座 尸空
8月 7月 +(正) 獅子座 ランド・トラビス
9月 8月 −(負) 乙女座 セツコ・オハラ
10月 9月 +(正) 天秤座 クロウ・ブルースト
11月 10月 −(負) 蠍座
12月 11月 +(正) 射手座
1月 12月 −(負) 山羊座 アサキム・ドーウィン (奪取。元所持者は女性)

この通り、リアクターと陰陽の割り振りはほぼ一致しているが、尸空の登場で崩れている。

太極とタロット

太極の欠片とされる十二のスフィアはそれぞれ、対応する星宮に関連付けられるタロットの寓画・寓意を元ネタとする能力や属性を持っているが、このタロットの中にはZシリーズにおいて太極そのものの代名詞となっている「太陽」が存在する。

前記した要素や情報を踏まえて太陽の示す寓意を見てみると、正位置が「成功」「誕生」、逆位置が「不調」「衰退」である。正位置の中には「約束された将来=運命」もあり、運命そのものと言える太極に関連できる。

マルセイユ版の寓画が示しているのは互いに相反する、あらゆる二つの要素の結合であり、陰陽それぞれの融合で成り立つ太極の概念に合致する。さらに太陽の下に描かれる二人の人間は「別個に認識されるようになった相反するふたつ」の象徴であり、双子として現されている。ここから「あらゆる対立物が直接的、人間的に関わりあえるようになった」ことを意味している。そして後方の壁や黄金の床は、簡単に言うと「破壊することの出来ない本質」を表しており、シリーズから切り離すことが出来ず、どのストーリーにもついて回る太極の存在を思わせる。前述の通り、太極とは元々陰陽という相反する二つが絡み合う形となっており、「相反する二つの融合」という要素が前面に出されている。

また、登場人物である双子(正確にはほぼ同じ外見+同じもしくは真逆の特性を持つ1対)というファクターはタロットでも度々登場している重要要素であり、双子座のスフィアが持つ特性も「相反する二つ」をテーマとしているなど浅からぬ関係が伺える。なお、双子相当の要素を持つタロットは女教皇・教皇・戦車・吊られた男・悪魔・月・太陽と、恋人も加えると1/3以上のアルカナに登場している。しかし、これだけ重んじた双子の要素がウェイト版の太陽では一人に変更されており、これが如何なる意味を持ちうるのかは不明(予想できなくはないが、確証がないので割愛)。

この「太陽」における二つの要素の接触は、きわめて重要な本質的変革(=シンカ)の一歩目であり、「人が太陽の時代を生き、シンカの入り口に立った」時獄篇の物語を連想することが出来る。それは、破界篇・再世篇において多くの者が試みた「人の意志の合一」が「根源的な災厄」への対抗策だとされていることからも伺える。

さらに大アルカナはこの「太陽」の次に「審判」「世界」の2枚が続くが、この2枚はZシリーズの物語を表すかのような寓意・寓画が続いている。それを示すように人間が干渉しうるアルカナは太陽までであり、残る2枚は超常的な意思に依存する=キャラが関知し得ないストーリー展開と言える。

「審判」は「発展」/「行き詰まり」を表しており、寓画は「光と音で逃れられない干渉を行う天使と、三位一体となって復活した人物」を描いている。この天使は「恋人」のものとは異なり、人間がその存在を認識した上で意識的にコンタクトを取っているとされており、「神の使徒=代行者」の意志に従って永遠を甘受しようとするクロノ保守派の動向と関連している。さらに「光と音で干渉する天使」という存在は、ヒビキが物語以前に遭遇し、笑い声と次元震の光と共に多くの人間の心を破壊した「テンシ」を思わせる。またこのアルカナの正位置と逆位置は、シンカ=「発展」の方向性を誤って可能性を潰した=「行き詰まり」に至った存在への「審判」を連想させる。関連要素の数まで参考にしていると思われるZシリーズにおいて、3人の人物と天使はそれぞれ誰に割り当てられるのだろうか。ちなみに、カード自体は最後の審判をモチーフとしており、この審判では全ての死者は蘇り永遠の命を得るか地獄に落ちるという。太極によって永遠に生きるという地獄に落ちている奴が登場しているが、関係性は不明。

そして最後の「世界」は「完全」/「臨界点・調和の崩壊」を意味しており、止まった時間の中でゆっくりと滅んでいくエタニティ・フラットとの関連が予想できる。また、描かれている人物は最初の「愚者」に戻って新しい旅=ループを始めるという解釈もあり、この説では「世界」は終わりであると同時に始まりでもあり、輪廻転生を繰り返すことで限りなく終わりに近づいていくことが重要だという。これは、12000年周期でループを繰り返し、その果てに終焉を迎えようとしている多元世界そのものの設定元とも取れる。寓画のデザインは楕円状に伸びる植物に囲まれた性別不詳の人物を中心に、四大属性を象徴する存在が四隅に配置されている、という構成が特徴。

なお、十二星座と無関係な他のアルカナも太陽と同じくZシリーズに関与しているのかは不明(確証はないが、何人かのキャラがタロット及び「神」なる力と関連している様子がある)。

関連用語

スフィア
『傷だらけの獅子』、『悲しみの乙女』、『偽りの黒羊』、『揺れる天秤』、『尽きぬ水瓶』、『知りたがる山羊』、『いがみ合う双子』、『沈黙の巨蟹』がゲーム中で登場している。黄道十二星座をモチーフにしており、「十二の鍵」とも呼ばれている。
無限獄
太極に対し大罪を犯してしまうと、不老不死となってしまい平行世界をさまよい続ける運命を背負うことになる。「無限獄」はアサキムが呼称したものだが、他にも「烙印(スティグマ)を押された者」「呪われし放浪者」といった呼び方もあり、呼び方については一定していない。解放されるには贖罪を完遂するか、太極に至る必要がある。ただし前者の場合、元の世界に戻ることはほぼ不可能となる。

関連作品

スーパーロボット大戦ORIGINAL GENERATIONS
シュテルン・ノイレジセイアとの決戦でギリアム・イェーガーが発言。単語が初登場した作品である。
スーパーロボット大戦OG外伝
ダークブレインが言及した。今後のOGシリーズの伏線を匂わせている。
第2次スーパーロボット大戦OG
孫光龍は「大羅天」と呼んでおり、遠回しではあるが黒の英知に触れた者達やバアルの存在にも言及している。
スーパーロボット大戦Z
アサキム・ドーウィンはこの太極に至る為にスフィアを求めているようだ。

余談