氷室美久

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氷室美久(Miku Himuro)

秋津マサトと共にゼオライマーに乗る事を宿命付けられた少女。

ゼオライマー搭乗時にはデータを制御するサブパイロットとして、ゼオライマーの胸部光球から乗り込む。自分の運命を受け入れており、ラスト・ガーディアン鉄甲龍との戦闘に備えていた。初対面のマサトに戦う覚悟を決めさせるため、クールで冷たい言葉を放つが、内面は優しく他人を気遣う心を持っている。また、人並み外れた身体能力と強靭な肉体を持っており、謎の多い少女である。

その正体は木原マサキが作り出したアンドロイドであり、ゼオライマーの核となる次元連結システムそのものである。普段は、成長シリコンによって全身を包まれた少女型アンドロイドの姿であるが、ゼオライマー搭乗時は、機械部品でできた骸骨のような本来の姿に変貌、システム形態に変形して機体と一体化する。ちなみにそのシーンはMXでも再現されていた。また設定上は幽羅帝及び八卦集と同じ20歳の姿であるとの事。
マサキが次元連結システムにこの様な細工を施したのは、自分以外の誰かに次元連結システムの秘密を解明させない為であり、事実ゼオライマーが日本政府に渡ってから15年もの間、誰一人もが美久を「人間」と認識し、次元連結システムの秘密はおろか、彼女自身がその役割を持ったアンドロイドだと気付く事が出来なかった。彼女を捕らえた鉄甲龍の科学者であるルラーンが精密な解析を行った末に、ようやくその事実が判明している。

原作漫画版の美久はOVA版とは違い生身の人間であり秋津マサキと同じ14歳の中学生である。ゼオライマーには全裸の状態でモノアイ部分に”設置”され内部で18禁的な行為が行われている。

登場作品と役柄

携帯機シリーズ

スーパーロボット大戦J
を覚えなくなったが、マサトの代わりに覚醒を覚えるため、ゼオライマーどころかグレートゼオライマーの凄まじい強さをさらに引き出すことになる。戦いの後はマサトと共に静かに暮らしていることがEDで語られる。

単独作品

スーパーロボット大戦MX
基本的に補助系の精神コマンドを覚えるが、を覚えるためにゼオライマーの無茶苦茶な強さを加速させる。マサキの意識が消滅した後は、マサトとの掛け合いもフランクなものへと変化し、被弾時などには結構手厳しいダメ出しを口にする。また、中盤に明らかになる彼女の正体に衝撃を受けたプレイヤーは多いと思われる。OPTIONのデモセレクトにも『次元連結システムを呼び戻す』の項目名で登録され、いつでも手軽に変形シーンを観賞することが可能。
スーパーロボット大戦Card Chronicle

パイロットステータス設定の傾向

サブパイロットなので能力値がなく、SPも多いとは言いがたい。

精神コマンド

MX
信頼加速応援感応期待
J
加速信頼ひらめき狙撃献身覚醒

人間関係

秋津マサト
共にゼオライマーに乗る。最初は彼を軽く見ており冷たい言動も多かったが次第に好意を寄せるようになる。
木原マサキ
創造主。物語中盤、彼の戯言で唇を奪われる。
幽羅帝
美久とマサトの関係に憎しみに似た感情を抱いていた。
ルラーン
美久の正体にいち早く気付く。

他作品との人間関係

デューク・フリード
MXの部隊正式参入後、マグネイト・テン隊員一同が美久とマサトへ警戒感を抱く中で、唯一人彼から「仲間」として受け入れられる。
ボスヌケムチャ
MXでは原作の剣鉄也に成り代わり、ドラゴノザウルスに呑み込まれた彼らの救出作業を行う。その際、ドラゴノザウルスの胃袋の中で多数の船舶の残骸や、犠牲となった人々の死体を目撃したと言う。
紫東恵
MXでは部隊内で初めて出来た友人。第3新東京市での半舷休憩の際、彼女の買い物に付き合う。

名台詞

「どうして抵抗しないの…? 男の子でしょ、秋津…マサトくん」
1話序盤、沖の部下にタコ殴りされるマサトに浴びせた言葉。薄ら笑いすら浮かべており冷たい印象を受ける。
「時間がないのマサトくん、あたしを信じて!」
ランスターの襲撃時の台詞、さっきまで暴行・監禁してた連中の仲間にいきなり信じろと言われても無理な話である。
「そうかしら?…人間は何か運命づけられて生きている、違う?」
自分がゼオライマーの為の存在である事を受け入れられないマサトへの言葉、彼女の正体を考えると意味深な言葉である。
「ひどいわマサトくん…どうして…」
マサキ化したマサトに「人形」と言われた事にショックを受けて発した言葉。クローン達だけでなく彼女にもトラウマを与え、それを抉り出す創造主=マサキの鬼畜っぷりに、当初のクールなキャラを維持できなくなる。
「……違うわ!貴方の中に綺麗なものがあったからそれを生んだのよ。……ゼオライマーから離れて暮らしましょう。そうすればきっと、元のマサト君になる!!」
みんなは綺麗なのに自分だけが薄汚いと悲嘆にくれるマサトに言った言葉。この言葉が正しいとするのならば、マサトや美久たちを生み出した木原マサキにも綺麗なものがあったということになる。人間は汚い部分と綺麗な部分を持っているから当たり前といえば当たり前なのだが、作中では木原マサキの動機や真相意識など深くは語られていないので、欲を言えばマサキの部分を掘り下げてほしかったところではある。
「べ~っ! やだも~ん、あたしあのゲボゲボのスタイル嫌だし、それにあの後元に戻るのにメイクがもー大変なんだから」
ギャグ満載のドラマCD「大冥界」にて出撃を拒んだセリフ。頭を下げて懇願するマサキを却下する姿は本編を知る人には痛快の一言、それにしてもどんなメイクをすればあの形態から元に戻れるのだろうか? 恐るべし女の化粧術。

スパロボシリーズの名台詞

「…一人じゃないわ、マサト君。私も…一緒よ」
「あなたは一人じゃない…私が傍にいるわ…」
MXでの幽羅帝との最終決戦で、諸共に滅する覚悟を決めながらも生き残ってしまい、その事を悔いるマサトへ発した慰めの言葉。
「…この任務は私が最適だから…」
「大丈夫よ。私はこういう時のために特殊な訓練を受けているから…」
MX中盤、ドラゴノザウルスに呑み込まれたボスボロットの救出任務を担う事に一同が驚く中、咄嗟に吐いた「嘘」。仲間と認められた後でも、自身がアンドロイドである事をひた隠しにしている様子が窺える。
「違うわ…あれはあの人の運命なのよ。それを変えられなかっただけ…」
MX終盤で塞臥の死を目の当たりにし、最期まで「冥王」に執着した彼の欲望も、木原マサキのプログラムによるものではと表情を曇らせるマサトへ、罪悪感を抱かぬようにフォローの言葉を掛ける。

余談

原作OVA、スパロボ問わず衝撃を与えた美久の変形シーンは、OVAの脚本を担当した会川昇の発案による物。「人間で無いと言う事を表現する為、とにかく一瞬でギッタギッタに変形させて欲しい」と強く要望したのを当時のムック本で語っている。おかげで視聴者の心もギッタギッタになってしまった